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77.さらに半年後
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「ユ、ユリアナ、フォン…ベルト侯爵…令嬢に、ご、ご挨拶…します。私の、ような者の…ところに、来てくれて…あ、ありがとう…ございます」
シャルルアンが、この地に来て、マナーを学び、半年後と1年後にそれができているか確認して、きちんと学んだことを理解できていれば、王都に戻してあげようと思っていた。
もちろん王都の地下牢だ。
地下牢であれば、最低でも鼻息荒い男たちの相手からは解放される。
己の行いを悔いて、反省し、指示された条件を達成すれば良いのだ。
すぐに国の歴史や、他国の地理を覚えろと言っているわけではない。あの頭では当然無理なのだから。
私の前に来て、今までまともに出来もしなかった、貴族なら当たり前の挨拶をすれば良いのだ。
母親に習い、そっくりそのままマネすれば良いだけのこと。
そこに、相手に対する尊敬の念などなくても、表面上、そのいっときだけ取り繕うだけで良いのだ。
「それで?」
途端にシャルルアンの歪んだ微笑みが消えていく。
「ご挨拶をしたあと、私に言わなくてはならないことがあるわよね?」
隣に立っている母親が、シャルルアンに小声で、謝罪しなさいっ!と教えている。
その言葉に、少しずつまた顔を歪め出した。
「わ、私の、した、ことで… フォン、ベルト…侯爵令嬢に、ご、ご迷…惑、おかけして……」
シャルルアンは、その後に続けるはずの言葉を拒否するように、徐々に顔を激しく歪め、
「……いやよ、この、女に、謝るなんて、イヤよ…!絶対イヤよっ!こんな女、殺してやる…!」
私は、シャルルアンが謝罪の言葉をひねり出し、その言葉を発する毎に、少しずつ口角を上げていった。
その私の顔に、やはり我慢ならなかったのだろう。案の定、謝罪の言葉を最後まで言うことなく、喚き出し、私に向かって掴みかかろうとしてきた。
私はこの日、ジュリを馬車で待機させ、私兵長カムデンとこの部屋に来た。
私も騎士服を来て、帯剣してきたのだ。
そして、私が床に背中を着けない限り、黙って見ているように、カムデンには指示していた。
私に突進するように来たシャルルアンをかわし、素早く剣を抜き、シャルルアンの首に剣の刃をあてた。
「殺すわよ?お前を殺すのは簡単なの。でも楽じゃないわよ、ゆっくりとこの剣を前後させるから」
壁に追い詰めたシャルルアンの、残された片腕を私の靴の裏で壁と挟み、その足に体重を乗せ、動かせないようにし、シャルルアンの耳元で囁いた。
剣の刃があたっている首から、ジワリと血液が垂れてきた。
「……お、お許しください!フォンベルト侯爵令嬢様!どうか!娘の首が落とされるのを…見るのは… どうか…!」
ゴルドーが叫んだ。こんな化け物でもこの男にとっては、可愛い娘なのだろう。
この化け物をここで処刑しても、この女を、この地獄から解放し、楽にするだけだ。
「こんな化け物を斬ったら、私の神聖な剣が穢れるわ。
お前は二回目のチャンスも無駄にした。お前の責任よ?
今ここで上手くやれば王都に戻れたのに、全部お前が台無しにした、お前のせいよ。
少しだけ我慢すれば良かっただけなのに、残念ね。お前が我慢出来なかったせいで、お前たち家族は、永遠にこの地で生きるの」
この女が、この地で、母親の指導で、たったの1年でマナーを身に着けられるわけがない。
自分のせいで、自分が少しも我慢できなかったせいで、それが原因でこの地にいるということを、認識させるための二回だった。
この女が屈辱で、腸が煮えくり返る思いをしながらする謝罪に、私がゆっくり微笑めば、必ずまた逆上するのはわかりきったことだから。
「せっかくお前たちを連れて帰る馬車も用意して来たのに、残念だわ?ここが随分と気に入ったようね、シャルルアン?
そうよね、永遠にお前の好きなことをして過ごせるものね?
それなら、一生ここから出なくて良いようにしてあげるわね?陛下にまた優しすぎるって言われてしまうかしら?言っとくけど、殺さないわよ?生きるの、お前は」
シャルルアンは、私の言っていることに理解が追い付いていない。
私を睨みながらも、反論することもない。
「それではもう、永遠に会うことはないでしょう。ごきげんようシャルルアン」
私は、カムデンが渡してくれたハンカチで、剣の汚れを拭き、そのハンカチをゴミ箱に捨て、その部屋をあとにした。
そして、この地の管理者に会い、ジミールと元第二騎士団の男たちの様子を確認した。
「アイツらは、ここの親方に任せておりますが、殿下とユリアナ様のご希望通りに処罰は行っております」
「そう、わかったわ。じゃあ面倒な者たちだけど、これからも殺さずにお願いね」
「はい、かしこまりました」
管理者は、あの侯爵の娘である目の前の女性の微笑みに、身震いするほど恐ろしい侯爵の面影と重なり、期待せずにはいられなかった。
また、いつか私の長く遊べる玩具を持ってきてくれるだろうと。
シャルルアンが、この地に来て、マナーを学び、半年後と1年後にそれができているか確認して、きちんと学んだことを理解できていれば、王都に戻してあげようと思っていた。
もちろん王都の地下牢だ。
地下牢であれば、最低でも鼻息荒い男たちの相手からは解放される。
己の行いを悔いて、反省し、指示された条件を達成すれば良いのだ。
すぐに国の歴史や、他国の地理を覚えろと言っているわけではない。あの頭では当然無理なのだから。
私の前に来て、今までまともに出来もしなかった、貴族なら当たり前の挨拶をすれば良いのだ。
母親に習い、そっくりそのままマネすれば良いだけのこと。
そこに、相手に対する尊敬の念などなくても、表面上、そのいっときだけ取り繕うだけで良いのだ。
「それで?」
途端にシャルルアンの歪んだ微笑みが消えていく。
「ご挨拶をしたあと、私に言わなくてはならないことがあるわよね?」
隣に立っている母親が、シャルルアンに小声で、謝罪しなさいっ!と教えている。
その言葉に、少しずつまた顔を歪め出した。
「わ、私の、した、ことで… フォン、ベルト…侯爵令嬢に、ご、ご迷…惑、おかけして……」
シャルルアンは、その後に続けるはずの言葉を拒否するように、徐々に顔を激しく歪め、
「……いやよ、この、女に、謝るなんて、イヤよ…!絶対イヤよっ!こんな女、殺してやる…!」
私は、シャルルアンが謝罪の言葉をひねり出し、その言葉を発する毎に、少しずつ口角を上げていった。
その私の顔に、やはり我慢ならなかったのだろう。案の定、謝罪の言葉を最後まで言うことなく、喚き出し、私に向かって掴みかかろうとしてきた。
私はこの日、ジュリを馬車で待機させ、私兵長カムデンとこの部屋に来た。
私も騎士服を来て、帯剣してきたのだ。
そして、私が床に背中を着けない限り、黙って見ているように、カムデンには指示していた。
私に突進するように来たシャルルアンをかわし、素早く剣を抜き、シャルルアンの首に剣の刃をあてた。
「殺すわよ?お前を殺すのは簡単なの。でも楽じゃないわよ、ゆっくりとこの剣を前後させるから」
壁に追い詰めたシャルルアンの、残された片腕を私の靴の裏で壁と挟み、その足に体重を乗せ、動かせないようにし、シャルルアンの耳元で囁いた。
剣の刃があたっている首から、ジワリと血液が垂れてきた。
「……お、お許しください!フォンベルト侯爵令嬢様!どうか!娘の首が落とされるのを…見るのは… どうか…!」
ゴルドーが叫んだ。こんな化け物でもこの男にとっては、可愛い娘なのだろう。
この化け物をここで処刑しても、この女を、この地獄から解放し、楽にするだけだ。
「こんな化け物を斬ったら、私の神聖な剣が穢れるわ。
お前は二回目のチャンスも無駄にした。お前の責任よ?
今ここで上手くやれば王都に戻れたのに、全部お前が台無しにした、お前のせいよ。
少しだけ我慢すれば良かっただけなのに、残念ね。お前が我慢出来なかったせいで、お前たち家族は、永遠にこの地で生きるの」
この女が、この地で、母親の指導で、たったの1年でマナーを身に着けられるわけがない。
自分のせいで、自分が少しも我慢できなかったせいで、それが原因でこの地にいるということを、認識させるための二回だった。
この女が屈辱で、腸が煮えくり返る思いをしながらする謝罪に、私がゆっくり微笑めば、必ずまた逆上するのはわかりきったことだから。
「せっかくお前たちを連れて帰る馬車も用意して来たのに、残念だわ?ここが随分と気に入ったようね、シャルルアン?
そうよね、永遠にお前の好きなことをして過ごせるものね?
それなら、一生ここから出なくて良いようにしてあげるわね?陛下にまた優しすぎるって言われてしまうかしら?言っとくけど、殺さないわよ?生きるの、お前は」
シャルルアンは、私の言っていることに理解が追い付いていない。
私を睨みながらも、反論することもない。
「それではもう、永遠に会うことはないでしょう。ごきげんようシャルルアン」
私は、カムデンが渡してくれたハンカチで、剣の汚れを拭き、そのハンカチをゴミ箱に捨て、その部屋をあとにした。
そして、この地の管理者に会い、ジミールと元第二騎士団の男たちの様子を確認した。
「アイツらは、ここの親方に任せておりますが、殿下とユリアナ様のご希望通りに処罰は行っております」
「そう、わかったわ。じゃあ面倒な者たちだけど、これからも殺さずにお願いね」
「はい、かしこまりました」
管理者は、あの侯爵の娘である目の前の女性の微笑みに、身震いするほど恐ろしい侯爵の面影と重なり、期待せずにはいられなかった。
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