夢光
人間の夢が「夢光」という光る物質として体から滲み出る世界。それは都市を照らし、医療を支え、武器にもなる万能のエネルギー源。しかし、この美しい光には残酷な真実があった。
支配階級「光統府」は、貧しい人々から夢光を強制的に収穫するシステムを数百年にわたって運営していた。夢を奪われた者は「抜け殻」と呼ばれ、生きる意欲すら失った空虚な存在となる。最下層には無数の抜け殻が、ただ息をするだけの日々を送っていた。
主人公カイは16歳の少年。幼い頃に夢光を奪われた抜け殻でありながら、なぜか消えることのない強い意志を持ち、世界で唯一「夢が再生する」という前代未聞の体質を持っていた。ある日、自分の奪われた夢が世界最高権力者ゼロの手にあることを知り、夢を取り戻すための旅に出る。
夢の色によって能力が決まる「夢色」システム。赤は戦闘、青は治癒、金は知覚、緑は変化、そして禁忌の黒。しかしカイの夢光は前例のない純白だった。その白い光に導かれるように、彼は仲間と出会い、世界の七層を駆け上がっていく。
明るく前向きな金夢使いミライ、冷徹な光統府執行官レン、かつて最強と呼ばれた赤夢使いシキ、そして最下層で出会った記憶喪失の少女ユメ。彼らと共に歩むうちに、カイは気づき始める。この世界には、もっと大きな秘密があることに。
果たして夢は誰のものなのか。奪われた夢を取り戻すことは正義なのか。そして、この美しくも残酷な世界の真実とは──。
白い夢光を持つ少年が、世界の在り方そのものを問い直す。これは、夢と現実、支配と自由、そして存在の意味を巡る壮大な物語。
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