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第三十三章 二年生
千二百七十二話 儀式を邪魔するもの
「これより、聖女譲渡の儀式を執り行う。皆のもの、静粛に真摯な気持ちにて儀式に臨むように」
儀式が始まる前、教皇猊下が大聖堂に集まった人々に声をかけた。
重要な儀式というのもあるだろうし、変なことを考えている主犯の聖職者への牽制も含んでいるはずです。
それでも、嫌な感じは収まらないので、間違いなく何かをしてくるはずです。
すると、いきなり事態が動いたのです。
ガタッ。
「教皇猊下、前にも申したはずです。私の娘のマユこそ聖女に相応しいと」
「お、お父様、腕を引っ張らないで下さい……」
恰幅の良い頭頂部に髪の毛がない聖職者が、緑髪の短髪の少女の腕を無理矢理引っ張ってずんずんと祭壇の方に向かって行ったのです。
マユと呼ばれた少女は何とかして止まろうとしていたけど、聖職者は少女の事を無視して腕を掴んで引っ張っていきます。
そして、この光景を予測していたのか、教皇猊下、カレン様、セリーヌ様は特に驚いた表情をしていなかった。
直ぐに聖騎士が主要な人物を囲み、護衛の任についた。
そんな中、教皇猊下が呆れた表情で恰幅の良い聖職者に話し始めました。
「ゴーヨク司祭、私は何回も説明したはずだ。確かにシスターマユは聖女候補生であり、今回は選を逃したが間違いなく次回聖女候補でもあると」
「教皇猊下、マユは次ではなく今回の聖女です。何故、そのことがお分かりにならないのですか?」
どうやら、あのマユさんは教皇猊下からも相当評価が高いみたいです。
年齢は学園にはまだ入れないくらいだけど、確かにマユさんはかなりの魔力を持っているみたいです。
とはいえ、父親のゴーヨク司祭があんな人物では、聖女になるのは難しいなと直ぐに分かってしまいました。
名前の通り、ゴーヨク司祭はかなり欲が強そうです。
そんなゴーヨク司祭の態度に、教皇猊下もかなり呆れていますね。
しかし、ゴーヨク司祭は簡単には引き下がらない構えを見せています。
うーん、何か一目見て分かる方が……
あっ、良いことを思いついた。
僕は、スッと席を立って教皇猊下に近づきました。
突然僕が前に進み出たので、祭壇前の四人だけでなく大聖堂内にいる人たちも僕に一斉に注目したのです。
そんな中、僕は膝をついて教皇猊下にある事を提案しました。
「恐れながら、教皇猊下に進言いたします。『救国の勇者様』の聖剣を使えば、簡単に物事の判別がつきます。聖なるものなら、聖剣を持つことが可能ですので」
「おお、確かに簡単で誰にでも分かる判別方法だ。流石は『双翼の天使様』と言えよう」
僕の提案に、教皇猊下はニコリと微笑みながら返事をしました。
そして、急に指名された『救国の勇者様』ことジンさんは、戸惑いながらも意図を理解して祭壇の前にやってきました。
何故かレイカちゃんもジンさんと一緒についてきたけど、特に気にしないでいいですね。
「確かに、俺の剣は人を認める認めないの判断ができる。だから、剣が認めたものはレイカみたいなちびっ子でも簡単に持つことができる」
「レイカでも軽々と持てるよー!」
ジンさんから受け取った聖剣を、レイカちゃんは軽々と持って頭上に掲げています。
そのまま、レイカちゃんはカレン様に鞘に入ったままの聖剣を渡しました。
「私は以前に聖剣を手にしたことがあるので、全然問題ありません」
「私も普通に持てます。大丈夫ですわ」
カレン様に引き続きセリーヌ様にも聖剣を持ってもらったけど、セリーヌ様も普通に聖剣を持っています。
そして、マユさんさんにも聖剣を持ってもらいましょう。
「ちょっと重いですけど、普通の長剣の重さかと思います」
マユさんも、特に聖剣を難なく持てることを疑問視していません。
この結果に、ゴーヨク司祭はいやらしい笑みを浮かべていました。
実は、マユさんが聖剣を持てるのは僕たちも折り込み済みです。
鑑定魔法を使っても、問題のある表示は出てきません。
ではでは、ある意味本命のゴーヨク司祭に聖剣を持ってもらいましょう。
「はい、持って」
「何で俺ま……」
レイカちゃんから聖剣を受け取ったゴーヨク司祭は、かなり面倒くさそうに両手で聖剣を受け取りました。
まさに、その瞬間でした。
ゴキッ、バキッ。
「あー! あー! 俺の手首がーー!」
ゴーヨク司祭が聖剣を持てるはずもなく、聖剣の重さに耐えきれず両手首を骨折してしまいました。
レイカちゃんが素早く聖剣を回収したけど、ゴーヨク司祭は骨折の激痛で床を転げていますね。
そして、教会の司祭が聖剣に選ばれなかったという結果に大聖堂内がざわざわとし始めました。
儀式が始まる前、教皇猊下が大聖堂に集まった人々に声をかけた。
重要な儀式というのもあるだろうし、変なことを考えている主犯の聖職者への牽制も含んでいるはずです。
それでも、嫌な感じは収まらないので、間違いなく何かをしてくるはずです。
すると、いきなり事態が動いたのです。
ガタッ。
「教皇猊下、前にも申したはずです。私の娘のマユこそ聖女に相応しいと」
「お、お父様、腕を引っ張らないで下さい……」
恰幅の良い頭頂部に髪の毛がない聖職者が、緑髪の短髪の少女の腕を無理矢理引っ張ってずんずんと祭壇の方に向かって行ったのです。
マユと呼ばれた少女は何とかして止まろうとしていたけど、聖職者は少女の事を無視して腕を掴んで引っ張っていきます。
そして、この光景を予測していたのか、教皇猊下、カレン様、セリーヌ様は特に驚いた表情をしていなかった。
直ぐに聖騎士が主要な人物を囲み、護衛の任についた。
そんな中、教皇猊下が呆れた表情で恰幅の良い聖職者に話し始めました。
「ゴーヨク司祭、私は何回も説明したはずだ。確かにシスターマユは聖女候補生であり、今回は選を逃したが間違いなく次回聖女候補でもあると」
「教皇猊下、マユは次ではなく今回の聖女です。何故、そのことがお分かりにならないのですか?」
どうやら、あのマユさんは教皇猊下からも相当評価が高いみたいです。
年齢は学園にはまだ入れないくらいだけど、確かにマユさんはかなりの魔力を持っているみたいです。
とはいえ、父親のゴーヨク司祭があんな人物では、聖女になるのは難しいなと直ぐに分かってしまいました。
名前の通り、ゴーヨク司祭はかなり欲が強そうです。
そんなゴーヨク司祭の態度に、教皇猊下もかなり呆れていますね。
しかし、ゴーヨク司祭は簡単には引き下がらない構えを見せています。
うーん、何か一目見て分かる方が……
あっ、良いことを思いついた。
僕は、スッと席を立って教皇猊下に近づきました。
突然僕が前に進み出たので、祭壇前の四人だけでなく大聖堂内にいる人たちも僕に一斉に注目したのです。
そんな中、僕は膝をついて教皇猊下にある事を提案しました。
「恐れながら、教皇猊下に進言いたします。『救国の勇者様』の聖剣を使えば、簡単に物事の判別がつきます。聖なるものなら、聖剣を持つことが可能ですので」
「おお、確かに簡単で誰にでも分かる判別方法だ。流石は『双翼の天使様』と言えよう」
僕の提案に、教皇猊下はニコリと微笑みながら返事をしました。
そして、急に指名された『救国の勇者様』ことジンさんは、戸惑いながらも意図を理解して祭壇の前にやってきました。
何故かレイカちゃんもジンさんと一緒についてきたけど、特に気にしないでいいですね。
「確かに、俺の剣は人を認める認めないの判断ができる。だから、剣が認めたものはレイカみたいなちびっ子でも簡単に持つことができる」
「レイカでも軽々と持てるよー!」
ジンさんから受け取った聖剣を、レイカちゃんは軽々と持って頭上に掲げています。
そのまま、レイカちゃんはカレン様に鞘に入ったままの聖剣を渡しました。
「私は以前に聖剣を手にしたことがあるので、全然問題ありません」
「私も普通に持てます。大丈夫ですわ」
カレン様に引き続きセリーヌ様にも聖剣を持ってもらったけど、セリーヌ様も普通に聖剣を持っています。
そして、マユさんさんにも聖剣を持ってもらいましょう。
「ちょっと重いですけど、普通の長剣の重さかと思います」
マユさんも、特に聖剣を難なく持てることを疑問視していません。
この結果に、ゴーヨク司祭はいやらしい笑みを浮かべていました。
実は、マユさんが聖剣を持てるのは僕たちも折り込み済みです。
鑑定魔法を使っても、問題のある表示は出てきません。
ではでは、ある意味本命のゴーヨク司祭に聖剣を持ってもらいましょう。
「はい、持って」
「何で俺ま……」
レイカちゃんから聖剣を受け取ったゴーヨク司祭は、かなり面倒くさそうに両手で聖剣を受け取りました。
まさに、その瞬間でした。
ゴキッ、バキッ。
「あー! あー! 俺の手首がーー!」
ゴーヨク司祭が聖剣を持てるはずもなく、聖剣の重さに耐えきれず両手首を骨折してしまいました。
レイカちゃんが素早く聖剣を回収したけど、ゴーヨク司祭は骨折の激痛で床を転げていますね。
そして、教会の司祭が聖剣に選ばれなかったという結果に大聖堂内がざわざわとし始めました。
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