転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

第三十三章 二年生

千三百七十六話 学年末テストに向けて勉強をします

　カリカリカリ、カリカリカリ。

　新年明け後の教室では、一年間の総復習と学年末テストに向けての勉強が続いていた。
　学園の教師はとても優秀で、授業もとても分かりやすい。
　みんなきちんとノートを取っているし、教科書にも色々なことを書き込んでいた。

「それでは、授業を終わりにします。しっかりと復習をして、学年末テストに臨みましょう」
「「「「「はい！」」」」」

　今日の授業も無事に終わり、僕たちは食堂に向かいます。
　昼食を食べたら、仕事までみんなの勉強をみる予定です。
　因みに、今日は生徒会も休みです。

「四年生は、学年末テストはないんですよね？」
「実習先の評価がテストみたいなものだよ。私は直ぐに結婚式があるけど、普通に王城で事務仕事をしていたわ」
　
　今日は学園に来ていたルーシーお姉様が、四年生の事情を色々と教えてくれました。
　僕たちも、三年生になれば専門的な勉強をすることになります。

「まあ、弟くんの場合は特に進路先に困らないもんね。研修先も、宰相執務室になりそうね」

　ルーシーお姉様は、お肉を頬張りながらそんなことを言ってきました。
　領地経営などをするクラスメイトもいるし、進路先は人それぞれですね。

「リズは、お兄ちゃんのお嫁さんだもんね」
「エレノアもなの」
「あなたたちね……」

　リズとエレノアの発言に、ルーシーお姉様だけでなく他の人たちも二人にツッコミを入れていました。
　普通に、どんな仕事に就くかを決めないといけないよね。
　すると、ルーシーお姉様が二人にこんなことを言ってきたのです。

「そうそう、私が共和国にお嫁に行っちゃうから、お母様が二人にいっぱい公務を頼むって言っていたわ」
「あっ、僕もその話を聞いているよ。今年から、二人には色々お願いするそうだよ」
「「えっ！？」」

　僕がルーシーお姉様の話を補足すると、リズとエレノアは聞いていないよという反応を見せた。
　とはいえ、この話は決定事項だし、二人には頑張ってもらわないとね。
　ということで、昼食も食べ終えたので教室に戻ります。

「うう、今年は公務がいっぱいなんだって……」
「エレノアもなの……」

　教室に戻ったリズとエレノアは、まだショックから復活していませんでした。
　クラスメイトは、二人の発言から何があったのか直ぐに分かりました。

「大丈夫だよ、二人は直ぐに復活するから」
「あはは……」

　冷静な僕に、サンディは思わず苦笑していました。
　僕も、クラスメイトからの質問に答え始めました。
　人に教えるのは勉強になるし、僕にとっても復習になります。
　もう少しで今日の自習タイムは終了ってところで、僕の通信用魔導具に連絡が入りました。

「えーっと、なんだろう。あっ、ティナおばあさまがリズとエレノアに用事があるって。学年末テスト後の公務の件で、お話があるそうよ」
「「そんなー！」」

　早速公務の話が出てきて、リズとエレノアはガックリと机に突っ伏していました。
　とはえ、学年末テストが終わるまで待ってくれるのは王家の温情だと思うよ。
　僕たちはクラスメイトに挨拶して、ガックリしているリズとエレノアと共に王城に向かいました。
　ちなみに、ルカちゃんとエドちゃんも公務が増えるそうで、同じくガックリとしていました。