転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十四章 三年生

千三百八十二話 入園式の準備です

 卒園式が終わると、次は入園式の準備に取り掛かります。
 とはいえ、卒園式と並行して準備をしていたので、保健室への治療兵派遣などで済みます。

「来賓は、アイビー様、ルカちゃん、エドちゃん、エリちゃんで、受付などはほぼ同じ対応でいいね」
「「「はい!」」」

 まだ春休みで生徒が登校していない生徒会室で、僕たちは入園式の打ち合わせを行います。
 式次第などもできているし、担当も決まっています。

「えーっと、入園式に関する打ち合わせはこれで大丈夫だね。抜けや漏れとかはあるかな?」
「「「「「大丈夫です!」」」」

 一時間ほど話をして、入園式の確認は終了です。
 そして、ある意味ここからが難題でした。

「うーん、誰を生徒会にスカウトしようか……」
「「「「「うーん……」」」」」

 新入生はみんな平均的な能力で、昨年のイヨみたく成績が抜けている子もいません。
 なので、かなり悩みの種でした。

「首席の子が今年の卒園生の子で、ちょうど僕とリズがおばあさんを治療したよね。その子は、兄も優秀だったから誘ってみようか」
「「「「「さんせー!」」」」」

 軍人貴族の伯爵家の男子で、兄と同じく軍人を目指しているという。
 先ずはその子をスカウトして、クラスに良い人がいるのか聞いてみよう。

「確か、治療の件で王城にお礼に来るんだよね。みんなで会ってみようよ!」

 エレノアもおばあさんを治療したのもあり、王城で面会することになっていた。
 ルーシーお姉様のクラスメイトだった兄は父親と共に軍の訓練で不在だけど、母親とその男の子が来るという。
 一緒に面会に立ち会ってくれるティナおばあさまに通信用魔導具で確認をしたら、生徒会役員も同席してもいいという返事を得た。
 ということで、みんなで王城に移動して面会場所の応接室に向かった。

「マグナー伯爵家のシュートです。その、お祖母様を助けて頂きありがとうございます」
「「「「「か、可愛い……」」」」」

 マグナー伯爵夫人と共にやってきたのは、いわゆる子犬系の可愛らしい男の子でした。
 背は少し低めで、女の子みたいな可愛い顔にふわふわの栗毛です。
 何というか、庇護欲を掻き立てられますね。
 ルーシーお姉様のクラスメイトだった兄は長身筋肉質なので、弟は母親似なのでしょう。
 スラちゃんチェックなども、全く問題ありません。
 そして、生徒会役員の女性陣は可愛らしい男の子に釘付けでした。

「お義母様は、無事に屋敷に戻ることができました。軍の治療施設の方いわく、双翼の天使様でなければ間違いなく亡くなっていたとのことです。感謝してもしきれません」

 シュート君と瓜二つのマグナー伯爵夫人曰く、治療したおばあさんはかなり元気になったとのことです。
 残念ながら入園式には参加できないけど、屋敷でシュート君の帰りを待っているはずですね。
 そして、僕はシュート君にあることを話しました。

「話が変わってしまい、ごめんなさい。実は、生徒会はシュート君を未来の生徒会長候補としてスカウトしたいと考えております」
「えっ、僕を生徒会にですか? その、とても光栄です。頑張ります」

 ペコリと頭を下げたシュート君に、生徒会役員は満足そうに頷いていました。
 やる気もありそうなので、とても良いことですね。
 ティナおばあさまも、とても良いことだとにこやかに見つめていました。

「大変名誉なことを言って頂き、ありがとうございます」

 マグナー伯爵夫人も、僕たちに頭を下げました。
 生徒会長になるということは、その年代の貴族子弟のトップに立つことになります。
 貴族家としたら、大変名誉なことです。

「詳しくは、後日説明します。先ずは、入園式で新入生代表をしっかりと務めて下さいね」
「はい!」

 こうして、生徒会役員に新たな人が加わりそうです。
 元気よく返事をするシュート君に、僕も大丈夫だと思いました。
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