1,186 / 1,298
第三十四章 三年生
千三百八十二話 入園式の準備です
卒園式が終わると、次は入園式の準備に取り掛かります。
とはいえ、卒園式と並行して準備をしていたので、保健室への治療兵派遣などで済みます。
「来賓は、アイビー様、ルカちゃん、エドちゃん、エリちゃんで、受付などはほぼ同じ対応でいいね」
「「「はい!」」」
まだ春休みで生徒が登校していない生徒会室で、僕たちは入園式の打ち合わせを行います。
式次第などもできているし、担当も決まっています。
「えーっと、入園式に関する打ち合わせはこれで大丈夫だね。抜けや漏れとかはあるかな?」
「「「「「大丈夫です!」」」」
一時間ほど話をして、入園式の確認は終了です。
そして、ある意味ここからが難題でした。
「うーん、誰を生徒会にスカウトしようか……」
「「「「「うーん……」」」」」
新入生はみんな平均的な能力で、昨年のイヨみたく成績が抜けている子もいません。
なので、かなり悩みの種でした。
「首席の子が今年の卒園生の子で、ちょうど僕とリズがおばあさんを治療したよね。その子は、兄も優秀だったから誘ってみようか」
「「「「「さんせー!」」」」」
軍人貴族の伯爵家の男子で、兄と同じく軍人を目指しているという。
先ずはその子をスカウトして、クラスに良い人がいるのか聞いてみよう。
「確か、治療の件で王城にお礼に来るんだよね。みんなで会ってみようよ!」
エレノアもおばあさんを治療したのもあり、王城で面会することになっていた。
ルーシーお姉様のクラスメイトだった兄は父親と共に軍の訓練で不在だけど、母親とその男の子が来るという。
一緒に面会に立ち会ってくれるティナおばあさまに通信用魔導具で確認をしたら、生徒会役員も同席してもいいという返事を得た。
ということで、みんなで王城に移動して面会場所の応接室に向かった。
「マグナー伯爵家のシュートです。その、お祖母様を助けて頂きありがとうございます」
「「「「「か、可愛い……」」」」」
マグナー伯爵夫人と共にやってきたのは、いわゆる子犬系の可愛らしい男の子でした。
背は少し低めで、女の子みたいな可愛い顔にふわふわの栗毛です。
何というか、庇護欲を掻き立てられますね。
ルーシーお姉様のクラスメイトだった兄は長身筋肉質なので、弟は母親似なのでしょう。
スラちゃんチェックなども、全く問題ありません。
そして、生徒会役員の女性陣は可愛らしい男の子に釘付けでした。
「お義母様は、無事に屋敷に戻ることができました。軍の治療施設の方いわく、双翼の天使様でなければ間違いなく亡くなっていたとのことです。感謝してもしきれません」
シュート君と瓜二つのマグナー伯爵夫人曰く、治療したおばあさんはかなり元気になったとのことです。
残念ながら入園式には参加できないけど、屋敷でシュート君の帰りを待っているはずですね。
そして、僕はシュート君にあることを話しました。
「話が変わってしまい、ごめんなさい。実は、生徒会はシュート君を未来の生徒会長候補としてスカウトしたいと考えております」
「えっ、僕を生徒会にですか? その、とても光栄です。頑張ります」
ペコリと頭を下げたシュート君に、生徒会役員は満足そうに頷いていました。
やる気もありそうなので、とても良いことですね。
ティナおばあさまも、とても良いことだとにこやかに見つめていました。
「大変名誉なことを言って頂き、ありがとうございます」
マグナー伯爵夫人も、僕たちに頭を下げました。
生徒会長になるということは、その年代の貴族子弟のトップに立つことになります。
貴族家としたら、大変名誉なことです。
「詳しくは、後日説明します。先ずは、入園式で新入生代表をしっかりと務めて下さいね」
「はい!」
こうして、生徒会役員に新たな人が加わりそうです。
元気よく返事をするシュート君に、僕も大丈夫だと思いました。
とはいえ、卒園式と並行して準備をしていたので、保健室への治療兵派遣などで済みます。
「来賓は、アイビー様、ルカちゃん、エドちゃん、エリちゃんで、受付などはほぼ同じ対応でいいね」
「「「はい!」」」
まだ春休みで生徒が登校していない生徒会室で、僕たちは入園式の打ち合わせを行います。
式次第などもできているし、担当も決まっています。
「えーっと、入園式に関する打ち合わせはこれで大丈夫だね。抜けや漏れとかはあるかな?」
「「「「「大丈夫です!」」」」
一時間ほど話をして、入園式の確認は終了です。
そして、ある意味ここからが難題でした。
「うーん、誰を生徒会にスカウトしようか……」
「「「「「うーん……」」」」」
新入生はみんな平均的な能力で、昨年のイヨみたく成績が抜けている子もいません。
なので、かなり悩みの種でした。
「首席の子が今年の卒園生の子で、ちょうど僕とリズがおばあさんを治療したよね。その子は、兄も優秀だったから誘ってみようか」
「「「「「さんせー!」」」」」
軍人貴族の伯爵家の男子で、兄と同じく軍人を目指しているという。
先ずはその子をスカウトして、クラスに良い人がいるのか聞いてみよう。
「確か、治療の件で王城にお礼に来るんだよね。みんなで会ってみようよ!」
エレノアもおばあさんを治療したのもあり、王城で面会することになっていた。
ルーシーお姉様のクラスメイトだった兄は父親と共に軍の訓練で不在だけど、母親とその男の子が来るという。
一緒に面会に立ち会ってくれるティナおばあさまに通信用魔導具で確認をしたら、生徒会役員も同席してもいいという返事を得た。
ということで、みんなで王城に移動して面会場所の応接室に向かった。
「マグナー伯爵家のシュートです。その、お祖母様を助けて頂きありがとうございます」
「「「「「か、可愛い……」」」」」
マグナー伯爵夫人と共にやってきたのは、いわゆる子犬系の可愛らしい男の子でした。
背は少し低めで、女の子みたいな可愛い顔にふわふわの栗毛です。
何というか、庇護欲を掻き立てられますね。
ルーシーお姉様のクラスメイトだった兄は長身筋肉質なので、弟は母親似なのでしょう。
スラちゃんチェックなども、全く問題ありません。
そして、生徒会役員の女性陣は可愛らしい男の子に釘付けでした。
「お義母様は、無事に屋敷に戻ることができました。軍の治療施設の方いわく、双翼の天使様でなければ間違いなく亡くなっていたとのことです。感謝してもしきれません」
シュート君と瓜二つのマグナー伯爵夫人曰く、治療したおばあさんはかなり元気になったとのことです。
残念ながら入園式には参加できないけど、屋敷でシュート君の帰りを待っているはずですね。
そして、僕はシュート君にあることを話しました。
「話が変わってしまい、ごめんなさい。実は、生徒会はシュート君を未来の生徒会長候補としてスカウトしたいと考えております」
「えっ、僕を生徒会にですか? その、とても光栄です。頑張ります」
ペコリと頭を下げたシュート君に、生徒会役員は満足そうに頷いていました。
やる気もありそうなので、とても良いことですね。
ティナおばあさまも、とても良いことだとにこやかに見つめていました。
「大変名誉なことを言って頂き、ありがとうございます」
マグナー伯爵夫人も、僕たちに頭を下げました。
生徒会長になるということは、その年代の貴族子弟のトップに立つことになります。
貴族家としたら、大変名誉なことです。
「詳しくは、後日説明します。先ずは、入園式で新入生代表をしっかりと務めて下さいね」
「はい!」
こうして、生徒会役員に新たな人が加わりそうです。
元気よく返事をするシュート君に、僕も大丈夫だと思いました。
あなたにおすすめの小説
スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~
白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」
マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。
そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。
だが、この世には例外というものがある。
ストロング家の次女であるアールマティだ。
実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。
そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】
戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。
「仰せのままに」
父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。
「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」
脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。
アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃
ストロング領は大飢饉となっていた。
農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。
主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。
短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
新作
【あやかしたちのとまり木の日常】
連載開始しました。
大聖女の姉と大聖者の兄の元に生まれた良くも悪くも普通の姫君、二人の絞りカスだと影で嘲笑されていたが実は一番神に祝福された存在だと発覚する。
下菊みこと
ファンタジー
絞りカスと言われて傷付き続けた姫君、それでも姉と兄が好きらしい。
ティモールとマルタは父王に詰め寄られる。結界と祝福が弱まっていると。しかしそれは当然だった。本当に神から愛されているのは、大聖女のマルタでも大聖者のティモールでもなく、平凡な妹リリィなのだから。
小説家になろう様でも投稿しています。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった
歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。
だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」
追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。
一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。
誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。
「その言葉は、もう翻訳できません」