文字の大きさ
大
中
小
118 / 1,396
第十六章 聖女様出迎え編
三百十四話 辺境伯領での研究拠点の様子
王都に先行して、辺境伯領での治療研究施設が着々と進んで行っている。
温室はまだ作成中だけど屋敷の中の改装が終わったので、早速研究が始まっている。
辺境伯領だけでなく周辺の領地からも研究者が集まっていて、当初の予定通りに軍や近衛騎士からも何人かこちらにやってきている。
「ノエルさんは魔法だけではなく、生薬も研究しているのですね」
「はい、昔病気で治療した事で興味を持っていました」
近衛騎士から、ノエルさんが辺境伯領にやってきた。
魔法も上手だし生薬の研究もできるなんて凄いな。
因みにノエルさんは、僕の屋敷に滞在する事になった。
リズとサンディにスラちゃんとプリンもノエルさんが屋敷に滞在する事を喜んでいた。
ミカエルも新しいお姉さんが増えて喜んでいる。
「「あうー」」
そして僕達がいる応接室には、侍従のお姉さんの子どもであるメイちゃんとリラちゃんも一緒にいた。
まだハイハイはできないけど、二人ともとっても元気に育っている。
ノエルさんはメイちゃんを抱っこして、顔がニマニマになっていた。
リラちゃんはリズとサンディが交互に抱っこしています。
「ノエ、あかちゃかわいい?」
「ええ、とっても可愛いですわ。ミカエルちゃんも可愛いですよ」
「えへへ」
最近言葉が上達してきたミカエルが、赤ちゃんを抱っこしているノエルさんとお喋りをしていた。
ミカエルもお兄ちゃんっぽくなって、メイちゃんとリラちゃんの様子を良くみているんだよね。
因みに研究には、元違法奴隷のクロエさんとノラさんも参加する事になった。
最初は僕の屋敷で侍従をしながら何をするかで悩んでいたけど、対人恐怖もだいぶ良くなったので週に何回か屋敷のお世話をしつつ薬草のお世話をするそうだ。
研究者って総じて私生活がだらしない人が多いので、辺境伯様もクロエさんとノラさんが参加する事に賛同していた。
「僕もたまに研究所の様子を見に行きます。生薬に限らずポーションの作り方にも興味があるので」
「リズも見に行くよ」
「サンディも行きます」
「アレク殿下なら、皆さん歓迎しますよ」
という事で、ちょうどメイちゃんとリラちゃんがおねむの時間になったので、ミカエルとスラちゃんとプリンも連れて皆で研究所に向かいます。
研究所に着くと庭には大きな温室ができていて、大工さんが温室の中で作業をしていた。
「温室も外観はできているのですね」
「すごー」
「街の皆様が協力してくれてますので、予定よりもかなり早く進んでいます」
トンカンと中から音がしている温室を横目に、僕達は研究所の中に入っていきます。
すると、クロエさんが僕達を出迎えてくれた。
洗濯カゴに洗った物がいっぱい入っているぞ。
「あら、アレク君いらっしゃい」
「凄い洗濯物の量ですね」
「本当だよね。毎日汚れ物が凄いのよ」
「洗濯物を干すのを手伝いますか?」
「大丈夫よ。ついでだから、どの汚れは石鹸と生活魔法のどちらが落ちやすいかを調べてやるわ」
そして、クロエさんは裏庭の方に消えていった。
うーん、洗濯を研究するなんて、クロエさんにピッタリの現場なのかもしれないぞ。
「研究者は白衣が汚れていても気にしない人がいますから。クロエさんとかがいてくれて本当に良かったです」
クロエさんの背中を見つめながら、しみじみと答えるノエルさんが印象的だった。
そして、とある部屋に案内されると、レイナさんとカミラさんが薬草採取の講師のおじいさんと何やら話をしていた。
そこにミカエルが突撃していく。
「レナ、カミ!」
「あら、ミカエルちゃんじゃない。アレク君もいらっしゃい」
「施設見学にきました」
「ちょうど良かったわ。アレク君やリズちゃんにも関係ある所よ。来て見てね」
「「はーい」」
カミラさんに手招きされて、テーブルの周りに集まった。
テーブルの上には、普段僕達が良く採る薬草が並んでいた。
「これはね、どの薬草が冒険者が採りやすいかを確認しているのよ」
「今テーブルに並んでいるのは、辺境伯領で良く採れる薬草ね」
「そうですね。いつも採る薬草です」
「辺境伯領ではこの薬草が採れるけど、地方によっては採れる薬草が違うのよ」
「へえ、それは面白そうですね」
僕達は辺境伯領でしか冒険者活動をしていないので、他の領地でどんな薬草が採れるかは全く分からない。
確かにここはAランク冒険者のレイナさんとカミラさんの出番だよね。
「もう少ししたらだけど、バザール領やマロード領で採れる薬草の確認もするの」
「その際は、アレク君やリズちゃんも一緒に講師のおじいさんと行ってもらうよ」
「僕のゲートがあれば、直ぐに移動できますからね」
「ふふふ、薬草採取ならリズにお任せだよ」
妊娠中のレイナさん達はゲートを使う事ができないので、確かにここは僕達の出番だろう。
リズもスラちゃんもプリンも、やる気になっている。
その頃には、教皇国の件が収まっていると良いなあ。
別の部屋に案内されると、理科の実験道具みたいなのが並んでいた。
ここは生薬だったりポーションを作る所なのだろう。
おお、研究者の白衣が汚れているなあ。
これではあの洗濯物の量は納得だ。
「ここは薬草の成分をどうやって抽出するかの研究をしています」
「そっか、煮出してポーションにするか乾燥して細かくするのかを調べているのですね」
「その通りです。鑑定持ちの人が多いので、結果も直ぐに分かります」
成程、ここは本当に研究所って所なんだ。
ここで新薬が作られていくんだな。
とはいえ、リズ達には退屈な所らしいので、次の場所に移動します。
「ここは生薬の調合方法を纏めている所になります。ここで書類にした物は王都の研究所に送られます」
「生薬の作り方を統一しようとしているのですね」
ここでは研究者が文献を調査したり聞き取りをしながら、所定の用紙に色々と書き込んでいっている。
書いているだけ面白くないのか、リズ達は完全に飽きてきているぞ。
「まだ稼働していない所も多くありますので、今はこの位ですね」
研究所の見る所は終わったので、屋敷に戻ります。
個人的には温室が見たかったなあ。
「研究者はどこに住んでいるのですか?」
「研究所の二階に住んでおります。起きて直ぐに研究ができる最高の現場だと言っています」
「そ、そうですか……」
本当に研究が好きな人なんだな。
とは言え、生活はしっかりとしてもらいたい。
因みに研究所の後半の説明が暇だったので、屋敷に帰ってきたらリズ達はミカエルとお昼寝しにいってしまった。
流石に話を聞くだけでは退屈だったよね。
温室はまだ作成中だけど屋敷の中の改装が終わったので、早速研究が始まっている。
辺境伯領だけでなく周辺の領地からも研究者が集まっていて、当初の予定通りに軍や近衛騎士からも何人かこちらにやってきている。
「ノエルさんは魔法だけではなく、生薬も研究しているのですね」
「はい、昔病気で治療した事で興味を持っていました」
近衛騎士から、ノエルさんが辺境伯領にやってきた。
魔法も上手だし生薬の研究もできるなんて凄いな。
因みにノエルさんは、僕の屋敷に滞在する事になった。
リズとサンディにスラちゃんとプリンもノエルさんが屋敷に滞在する事を喜んでいた。
ミカエルも新しいお姉さんが増えて喜んでいる。
「「あうー」」
そして僕達がいる応接室には、侍従のお姉さんの子どもであるメイちゃんとリラちゃんも一緒にいた。
まだハイハイはできないけど、二人ともとっても元気に育っている。
ノエルさんはメイちゃんを抱っこして、顔がニマニマになっていた。
リラちゃんはリズとサンディが交互に抱っこしています。
「ノエ、あかちゃかわいい?」
「ええ、とっても可愛いですわ。ミカエルちゃんも可愛いですよ」
「えへへ」
最近言葉が上達してきたミカエルが、赤ちゃんを抱っこしているノエルさんとお喋りをしていた。
ミカエルもお兄ちゃんっぽくなって、メイちゃんとリラちゃんの様子を良くみているんだよね。
因みに研究には、元違法奴隷のクロエさんとノラさんも参加する事になった。
最初は僕の屋敷で侍従をしながら何をするかで悩んでいたけど、対人恐怖もだいぶ良くなったので週に何回か屋敷のお世話をしつつ薬草のお世話をするそうだ。
研究者って総じて私生活がだらしない人が多いので、辺境伯様もクロエさんとノラさんが参加する事に賛同していた。
「僕もたまに研究所の様子を見に行きます。生薬に限らずポーションの作り方にも興味があるので」
「リズも見に行くよ」
「サンディも行きます」
「アレク殿下なら、皆さん歓迎しますよ」
という事で、ちょうどメイちゃんとリラちゃんがおねむの時間になったので、ミカエルとスラちゃんとプリンも連れて皆で研究所に向かいます。
研究所に着くと庭には大きな温室ができていて、大工さんが温室の中で作業をしていた。
「温室も外観はできているのですね」
「すごー」
「街の皆様が協力してくれてますので、予定よりもかなり早く進んでいます」
トンカンと中から音がしている温室を横目に、僕達は研究所の中に入っていきます。
すると、クロエさんが僕達を出迎えてくれた。
洗濯カゴに洗った物がいっぱい入っているぞ。
「あら、アレク君いらっしゃい」
「凄い洗濯物の量ですね」
「本当だよね。毎日汚れ物が凄いのよ」
「洗濯物を干すのを手伝いますか?」
「大丈夫よ。ついでだから、どの汚れは石鹸と生活魔法のどちらが落ちやすいかを調べてやるわ」
そして、クロエさんは裏庭の方に消えていった。
うーん、洗濯を研究するなんて、クロエさんにピッタリの現場なのかもしれないぞ。
「研究者は白衣が汚れていても気にしない人がいますから。クロエさんとかがいてくれて本当に良かったです」
クロエさんの背中を見つめながら、しみじみと答えるノエルさんが印象的だった。
そして、とある部屋に案内されると、レイナさんとカミラさんが薬草採取の講師のおじいさんと何やら話をしていた。
そこにミカエルが突撃していく。
「レナ、カミ!」
「あら、ミカエルちゃんじゃない。アレク君もいらっしゃい」
「施設見学にきました」
「ちょうど良かったわ。アレク君やリズちゃんにも関係ある所よ。来て見てね」
「「はーい」」
カミラさんに手招きされて、テーブルの周りに集まった。
テーブルの上には、普段僕達が良く採る薬草が並んでいた。
「これはね、どの薬草が冒険者が採りやすいかを確認しているのよ」
「今テーブルに並んでいるのは、辺境伯領で良く採れる薬草ね」
「そうですね。いつも採る薬草です」
「辺境伯領ではこの薬草が採れるけど、地方によっては採れる薬草が違うのよ」
「へえ、それは面白そうですね」
僕達は辺境伯領でしか冒険者活動をしていないので、他の領地でどんな薬草が採れるかは全く分からない。
確かにここはAランク冒険者のレイナさんとカミラさんの出番だよね。
「もう少ししたらだけど、バザール領やマロード領で採れる薬草の確認もするの」
「その際は、アレク君やリズちゃんも一緒に講師のおじいさんと行ってもらうよ」
「僕のゲートがあれば、直ぐに移動できますからね」
「ふふふ、薬草採取ならリズにお任せだよ」
妊娠中のレイナさん達はゲートを使う事ができないので、確かにここは僕達の出番だろう。
リズもスラちゃんもプリンも、やる気になっている。
その頃には、教皇国の件が収まっていると良いなあ。
別の部屋に案内されると、理科の実験道具みたいなのが並んでいた。
ここは生薬だったりポーションを作る所なのだろう。
おお、研究者の白衣が汚れているなあ。
これではあの洗濯物の量は納得だ。
「ここは薬草の成分をどうやって抽出するかの研究をしています」
「そっか、煮出してポーションにするか乾燥して細かくするのかを調べているのですね」
「その通りです。鑑定持ちの人が多いので、結果も直ぐに分かります」
成程、ここは本当に研究所って所なんだ。
ここで新薬が作られていくんだな。
とはいえ、リズ達には退屈な所らしいので、次の場所に移動します。
「ここは生薬の調合方法を纏めている所になります。ここで書類にした物は王都の研究所に送られます」
「生薬の作り方を統一しようとしているのですね」
ここでは研究者が文献を調査したり聞き取りをしながら、所定の用紙に色々と書き込んでいっている。
書いているだけ面白くないのか、リズ達は完全に飽きてきているぞ。
「まだ稼働していない所も多くありますので、今はこの位ですね」
研究所の見る所は終わったので、屋敷に戻ります。
個人的には温室が見たかったなあ。
「研究者はどこに住んでいるのですか?」
「研究所の二階に住んでおります。起きて直ぐに研究ができる最高の現場だと言っています」
「そ、そうですか……」
本当に研究が好きな人なんだな。
とは言え、生活はしっかりとしてもらいたい。
因みに研究所の後半の説明が暇だったので、屋敷に帰ってきたらリズ達はミカエルとお昼寝しにいってしまった。
流石に話を聞くだけでは退屈だったよね。
感想 306
あなたにおすすめの小説
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
婚約者が心酔している盲目の聖女は私ですが
オトナシマソラ血を見ると倒れてしまうため、目隠しをして治療をしていたら「盲目の聖女」と呼ばれるようになってしまった聖女セレナ。
幼馴染の婚約者アレンは、セレナ=盲目の聖女だと気づかず、彼女を冷遇し婚約破棄を言い出す。
婚約を解消したセレナは、過保護な神官見習いのルカに溺愛され、新たな道を歩むことに。一方、夜会でついに真実を知った元婚約者はすべてを失い絶望するが、もう手遅れで……。血が苦手な訳あり聖女の逆転ラブストーリー
※本作品はになろうにも掲載しています小説家
捨てられた赤ちゃんを拾ったら、創世神様でした。世界を救うより、お父さんを幸せにしたいそうです
由香山で捨てられていた赤ちゃんを拾い、家族として育てることを決めた青年。
その日から、枯れた大地は実り、病は癒え、伝説のもふもふ神獣たちが次々と家へ集まってくる。
実はその赤ちゃんの正体は、この世界を創った創世神だった。
「いっぱい育ててくれてありがとう。今度は私がお父さんを幸せにする番だよ。」
これは、神様が初めて手に入れた”家族”との、優しくて温かな奇跡の物語。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
私を追い出した結果、飼っていた聖獣は誰にも懐かないようです
天宮有 子供の頃、男爵令嬢の私アミリア・ファグトは助けた小犬が聖獣と判明して、飼うことが決まる。
数年後――成長した聖獣は家を守ってくれて、私に一番懐いていた。
そんな私を妬んだ姉ラミダは「聖獣は私が拾って一番懐いている」と吹聴していたようで、姉は侯爵令息ケドスの婚約者になる。
どうやらラミダは聖獣が一番懐いていた私が邪魔なようで、追い出そうと目論んでいたようだ。
家族とゲドスはラミダの嘘を信じて、私を蔑み追い出そうとしていた。
水魔法しか使えない私と婚約破棄するのなら、貴方が隠すよう命じていた前世の知識をこれから使います
黒木 楓 伯爵令嬢のリリカは、婚約者である侯爵令息ラルフに「水魔法しか使えないお前との婚約を破棄する」と言われてしまう。
異世界に転生したリリカは前世の知識があり、それにより普通とは違う水魔法が使える。
そのことは婚約前に話していたけど、ラルフは隠すよう命令していた。
「立場が下のお前が、俺よりも優秀であるわけがない。普通の水魔法だけ使っていろ」
そう言われ続けてきたけど、これから命令を聞く必要もない。
「婚約破棄するのなら、貴方が隠すよう命じていた力をこれから使います」
飲んだ人を強くしたり回復する聖水を作ることができるけど、命令により家族以外は誰も知らない。
これは前世の知識がある私だけが出せる特殊な水で、婚約破棄された後は何も気にせず使えそうだ。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【流血】とある冒険者ギルドの会議がカオスだった件【沙汰】
一樹とある冒険者ギルド。
その建物内にある一室、【会議室】にてとある話し合いが行われた。
それは、とある人物を役立たずだからと追放したい者達と、当該人物達との話し合いの場だった。