361 / 1,191
第二十二章 新たな魔獣
五百五十七話 街を良くするための対策
しおりを挟む
こんこん。
「失礼します。お館様、代官の出発準備ができました」
「おお、そうか。では、儂も現地に向かうとするか」
執事さんが部屋の中に入ってきて、僕達に現地に向かう人の準備が出来たと言ってきました。
部屋の中に入ってきたのは、二つの家族と兵が二十人です。
僕は、早速ナイツ子爵邸にゲートを繋いでティナおばあさまとサーゲイロード辺境伯様と一緒に屋敷に戻りました。
「はい、どーぞー」
「熱いから気をつけて」
屋敷に戻ると、炊き出し班ではサンディとイヨが並んでいる人にうつわに入ったスープを配っていました。
炊き出し班の所には、多くの人が並んでいます。
「はい、どうですか?」
「痛くない?」
治療班では、エレノアとリズがおばあちゃんの治療をしていました。
こちらも治療班の所には、長蛇の列が出来ていました。
「一目見ただけで、民が困窮しているのが分かる。ナイツ子爵は、何とも罪な事をしたものよ」
「復興には、少なくない時間がかかるかと。住民の生活環境をどうにかしないといけません」
「幸いにして辺境伯領と近いですので、集中的に物資の運搬を行いましょう」
「そうだな、ナイツ子爵領の商隊と共に我が領の兵をもう少し動員しよう」
サーゲロイド辺境伯様と代官二人が、早速対策について話をしていました。
サーゲロイド辺境伯様にとってナイツ子爵領は領境を接する所だから、他人事には思えないんだろうね。
「辺境伯、私達も必要な物資をリストアップしています。明日にはナイツ子爵領に届けられるかと」
「保存のきくものでしたら、重複しても問題なかろう。領都だけでなく、周辺の村々や農地がどうなっているかも心配じゃな」
ティナおばあさまとサーゲロイド辺境伯様が話す通り、周辺の村々がどうなっているかも心配です。
バザール領の時は冒険者が一斉に動いてくれたから状況を把握出来たけど、今回も地元を分かっている人に動いてもらうしかありません。
「では、ナイツ子爵領の兵を中心に軍とサーゲロイド辺境伯領兵を混ぜた混成部隊で、周囲の村々を回る事にします」
「本日の夕方までに、必要な兵の数をリストアップします」
「うむ、頼んだぞ」
流石は、サーゲロイド辺境伯領の優秀な代官です。
直ぐに、巡回に必要な準備を整えてくれる事になりました。
「はい、熱いのでお気をつけて下さいね」
「そうですか、そんなご苦労をされていたんですね」
そして僕達と一緒に来た代官や兵の家族が、炊き出しを手伝ってくれました。
街の人から、更に情報を集めてくれているそうです。
「ふう、今日の炊き出しは終わりね」
「ご苦労様ね、後片付けをして屋敷の中に入りましょう」
夕方には炊き出しと無料治療も終わったので、皆で撤収作業を始めます。
ルーシーお姉様もやり切ったって表情をしているので、とっても充実したみたいですね。
ティナおばあさまの声で、僕達は応接室に移動しました。
「明日は、炊き出しと無料治療の手は増えそうだから、手分けして、市内の聞き込みをメインにしましょう」
「聞き込みなら、リズにお任せだよ!」
「エレノアも負けないの」
今までは緊急の食料配布と治療を優先にしていたけど、一段落したのもあるのでこれからは次の段階に移る事になりました。
でも、リズとエレノアよ。
こぶしを握りしめてふんすってしている所悪いけど、聞き込みは競争じゃないからね。
「たぶん辺境伯領での調査も一息つくはずだから、明日はカミラ達も合流出来るはずだ」
「僕としても、大人が一緒にいてくれると有り難いです」
流石に子どもだけで動き回るのは危険なので、カミラさん達もいるととっても助かります。
「ミカエルとブリットは、明日も怪我した人や病気の人の治療を頼めるかな?」
「ミカ、がんばるー!」
「ブリも!」
流石にミカエル達を巡回に連れていけないので、明日も治療に回って貰う事になりました。
何かお手伝いをしたいミカエル達にとっても、やる事を与えられてやる気満々です。
「じゃあ、今日はこれで帰りましょう。辺境伯、送っていきますわ」
「ティナ様、助かります。帰って直ぐに兵の選抜にあたりますぞ」
ホーエンハイム辺境伯様も、屋敷に戻ってやる事があるそうです。
明日も、住民の為に頑張ってやらないといけませんね。
「失礼します。お館様、代官の出発準備ができました」
「おお、そうか。では、儂も現地に向かうとするか」
執事さんが部屋の中に入ってきて、僕達に現地に向かう人の準備が出来たと言ってきました。
部屋の中に入ってきたのは、二つの家族と兵が二十人です。
僕は、早速ナイツ子爵邸にゲートを繋いでティナおばあさまとサーゲイロード辺境伯様と一緒に屋敷に戻りました。
「はい、どーぞー」
「熱いから気をつけて」
屋敷に戻ると、炊き出し班ではサンディとイヨが並んでいる人にうつわに入ったスープを配っていました。
炊き出し班の所には、多くの人が並んでいます。
「はい、どうですか?」
「痛くない?」
治療班では、エレノアとリズがおばあちゃんの治療をしていました。
こちらも治療班の所には、長蛇の列が出来ていました。
「一目見ただけで、民が困窮しているのが分かる。ナイツ子爵は、何とも罪な事をしたものよ」
「復興には、少なくない時間がかかるかと。住民の生活環境をどうにかしないといけません」
「幸いにして辺境伯領と近いですので、集中的に物資の運搬を行いましょう」
「そうだな、ナイツ子爵領の商隊と共に我が領の兵をもう少し動員しよう」
サーゲロイド辺境伯様と代官二人が、早速対策について話をしていました。
サーゲロイド辺境伯様にとってナイツ子爵領は領境を接する所だから、他人事には思えないんだろうね。
「辺境伯、私達も必要な物資をリストアップしています。明日にはナイツ子爵領に届けられるかと」
「保存のきくものでしたら、重複しても問題なかろう。領都だけでなく、周辺の村々や農地がどうなっているかも心配じゃな」
ティナおばあさまとサーゲロイド辺境伯様が話す通り、周辺の村々がどうなっているかも心配です。
バザール領の時は冒険者が一斉に動いてくれたから状況を把握出来たけど、今回も地元を分かっている人に動いてもらうしかありません。
「では、ナイツ子爵領の兵を中心に軍とサーゲロイド辺境伯領兵を混ぜた混成部隊で、周囲の村々を回る事にします」
「本日の夕方までに、必要な兵の数をリストアップします」
「うむ、頼んだぞ」
流石は、サーゲロイド辺境伯領の優秀な代官です。
直ぐに、巡回に必要な準備を整えてくれる事になりました。
「はい、熱いのでお気をつけて下さいね」
「そうですか、そんなご苦労をされていたんですね」
そして僕達と一緒に来た代官や兵の家族が、炊き出しを手伝ってくれました。
街の人から、更に情報を集めてくれているそうです。
「ふう、今日の炊き出しは終わりね」
「ご苦労様ね、後片付けをして屋敷の中に入りましょう」
夕方には炊き出しと無料治療も終わったので、皆で撤収作業を始めます。
ルーシーお姉様もやり切ったって表情をしているので、とっても充実したみたいですね。
ティナおばあさまの声で、僕達は応接室に移動しました。
「明日は、炊き出しと無料治療の手は増えそうだから、手分けして、市内の聞き込みをメインにしましょう」
「聞き込みなら、リズにお任せだよ!」
「エレノアも負けないの」
今までは緊急の食料配布と治療を優先にしていたけど、一段落したのもあるのでこれからは次の段階に移る事になりました。
でも、リズとエレノアよ。
こぶしを握りしめてふんすってしている所悪いけど、聞き込みは競争じゃないからね。
「たぶん辺境伯領での調査も一息つくはずだから、明日はカミラ達も合流出来るはずだ」
「僕としても、大人が一緒にいてくれると有り難いです」
流石に子どもだけで動き回るのは危険なので、カミラさん達もいるととっても助かります。
「ミカエルとブリットは、明日も怪我した人や病気の人の治療を頼めるかな?」
「ミカ、がんばるー!」
「ブリも!」
流石にミカエル達を巡回に連れていけないので、明日も治療に回って貰う事になりました。
何かお手伝いをしたいミカエル達にとっても、やる事を与えられてやる気満々です。
「じゃあ、今日はこれで帰りましょう。辺境伯、送っていきますわ」
「ティナ様、助かります。帰って直ぐに兵の選抜にあたりますぞ」
ホーエンハイム辺境伯様も、屋敷に戻ってやる事があるそうです。
明日も、住民の為に頑張ってやらないといけませんね。
448
あなたにおすすめの小説
『伯爵令嬢 爆死する』
三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。
その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。
カクヨムでも公開しています。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
放逐された転生貴族は、自由にやらせてもらいます
長尾 隆生
ファンタジー
旧題:放逐された転生貴族は冒険者として生きることにしました
★第2回次世代ファンタジーカップ『痛快大逆転賞』受賞★
★現在4巻まで絶賛発売中!★
「穀潰しをこのまま養う気は無い。お前には家名も名乗らせるつもりはない。とっとと出て行け!」
苦労の末、突然死の果てに異世界の貴族家に転生した山崎翔亜は、そこでも危険な辺境へ幼くして送られてしまう。それから十年。久しぶりに会った兄に貴族家を放逐されたトーアだったが、十年間の命をかけた修行によって誰にも負けない最強の力を手に入れていた。
トーアは貴族家に自分から三行半を突きつけると憧れの冒険者になるためギルドへ向かう。しかしそこで待ち受けていたのはギルドに潜む暗殺者たちだった。かるく暗殺者を一蹴したトーアは、その裏事情を知り更に貴族社会への失望を覚えることになる。そんな彼の前に冒険者ギルド会員試験の前に出会った少女ニッカが現れ、成り行きで彼女の親友を助けに新しく発見されたというダンジョンに向かうことになったのだが――
俺に暗殺者なんて送っても意味ないよ?
※22/02/21 ファンタジーランキング1位 HOTランキング1位 ありがとうございます!
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
豊穣の巫女から追放されたただの村娘。しかし彼女の正体が予想外のものだったため、村は彼女が知らないうちに崩壊する。
下菊みこと
ファンタジー
豊穣の巫女に追い出された少女のお話。
豊穣の巫女に追い出された村娘、アンナ。彼女は村人達の善意で生かされていた孤児だったため、むしろお礼を言って笑顔で村を離れた。その感謝は本物だった。なにも持たない彼女は、果たしてどこに向かうのか…。
小説家になろう様でも投稿しています。
大聖女の姉と大聖者の兄の元に生まれた良くも悪くも普通の姫君、二人の絞りカスだと影で嘲笑されていたが実は一番神に祝福された存在だと発覚する。
下菊みこと
ファンタジー
絞りカスと言われて傷付き続けた姫君、それでも姉と兄が好きらしい。
ティモールとマルタは父王に詰め寄られる。結界と祝福が弱まっていると。しかしそれは当然だった。本当に神から愛されているのは、大聖女のマルタでも大聖者のティモールでもなく、平凡な妹リリィなのだから。
小説家になろう様でも投稿しています。
結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。