文字の大きさ
大
中
小
578 / 1,442
第二十六章 ミカエルの五歳の祝い
七百七十四話 午前中はお仕事です
そして、いよいよ辺境伯領での五歳の祝いの日になりました。
僕の屋敷は、朝からミカエルとブリットの準備でドタバタです。
「はい、着付けが出来ましたよ」
「おー、カッコいい!」
「ブリットも、お姫様みたい!」
五歳の祝いは午後からなんだけど、既に侍従のお姉さんによって服も髪型もばっちりとセットしたミカエルとブリットが笑顔で食堂ではしゃいでいました。
テンションマックスの二人を見て、リズ達も思わず笑顔で見ていました。
「お兄ちゃん、今日はリズはお家にいていいんだよね?」
「屋敷にいていいよ。僕も午前中でお仕事を切り上げて帰ってくるよ」
リズ達はほぼやる事がないし、ジンさん達も今日は担当職員による情報分析だけなので王城に行かなくて済みます。
個人的には僕も王城に行ってお仕事するのは気が引けるけど、書類が色々溜まっているんだよなあ。
主に宰相向けの書類が。
という事で、僕とプリンだけが王城に行ってきます。
カリカリカリ、ペラペラペラ。
「アレク君も真面目だな。今日くらいは一日休んでもいいだろうに」
「そう思ったんですけど、よりによって夕方に沢山の資料が執務室に運ばれたので。しかも、何故か全部急ぎなんですよね」
僕はどんどんと書類を処理して、宰相に回して行きます。
はあ、手続きが面倒くさい書類ばっかりで、本当に嫌になっちゃいますね。
そして、あらかた書類を処理して、休憩をしている時でした。
「もしかして、アレク君が辺境伯領での五歳の祝いに参加できなくする為に、ワザとぎりぎりのタイミングで書類を出して来たのかもな」
宰相がお菓子を食べながらぽつりと呟くと、僕を含めて執務室にいる全ての人が「あっ」って表情をしながら宰相に視線を送っていました。
宰相は全員から視線を向けられてなになに状態だったけど、直ぐに宰相も僕達が視線を向けた理由を理解してくれました。
「確かこの書類は商務からまわってきたものだね。あたしが、商務に行ってくるよ」
「シーラ、お願いだから穏便に頼むよ」
「ははは、そりゃ相手の態度次第だね」
シーラさんが、腕まくりをしながら宰相執務室を出て行った。
宰相は穏便に頼むとシーラさんにお願いしていたけど、相手がクロだったら絶対に穏便では済まないはずだ。
念の為にプリンも一緒にシーラさんについて言ったけど、果たしてプリンでシーラさんを止められるかな。
「アレク殿下、本当に申し訳ない。まさか、本当にわざと書類の提出を遅らせていたとは」
「提出者の名前を見て、あたしゃ直ぐに分かったよ。本当に姑息な真似をするんだから」
そしてシーラさんが執務室を出て行ってから三十分後、恐縮しきりの商務卿とぷんぷんしているシーラさんがプリンと一緒に戻ってきました。
どうも前から宰相が商務卿時代から意地の悪い事をする者らしく、前にも似たような事をしたという。
プリン曰く、商務部局にやくざの殴り込みみたいに入ってシーラさんは、目を逸らしている問題の人の襟首を掴んで会議室に引きずり込んで行ったそうだ。
しかもプリンもタイミング悪く会議室に入れなかったので何が起きていたか分からなかったそうだけど、会議室の中からはシーラさんの怒号と問題の人の悲鳴が聞こえていたという。
プリンも怖くて、会議室の中に入れなかったそうです。
直ぐに商務部局の人が商務卿の執務室に行って商務卿を連れて来て、商務卿が怒り心頭のシーラさんを何とかなだめたそうです。
「あの馬鹿、この後も大量の書類をアレク殿下に送ろうとしていたよ。本当にどうしようもない男だね」
「前にもこんな嫌がらせをして問題を起こしていたので、該当の者は自宅待機にして処分する方向だ」
お菓子を食べながら未だにぷりぷりしているシーラさんと、ちょっと疲れている商務卿の対比が物凄いですね。
因みに、意地悪い事をする人は別に歴史のある貴族でもなんでもなく、頭は良いけど単に他人への意地悪をするのが好きみたいです。
以前当時の商務卿に意地悪をしてシーラさんが大激怒したのに、宰相に異動して顔を合わせなくなったのですっかり元に戻っちゃったみたいです。
その人がこの後出そうとした書類も、明日確認で良くなりました。
ホッと一息着く事ができそうなので、僕も予定通り午前中で王城から辺境伯領に戻れそうです。
因みに、ティナおばあさまにもその問題を起こした人の事が知れ渡ってしまったみたいです。
どんな事になったか、僕も怖くて聞けませんでした。
僕の屋敷は、朝からミカエルとブリットの準備でドタバタです。
「はい、着付けが出来ましたよ」
「おー、カッコいい!」
「ブリットも、お姫様みたい!」
五歳の祝いは午後からなんだけど、既に侍従のお姉さんによって服も髪型もばっちりとセットしたミカエルとブリットが笑顔で食堂ではしゃいでいました。
テンションマックスの二人を見て、リズ達も思わず笑顔で見ていました。
「お兄ちゃん、今日はリズはお家にいていいんだよね?」
「屋敷にいていいよ。僕も午前中でお仕事を切り上げて帰ってくるよ」
リズ達はほぼやる事がないし、ジンさん達も今日は担当職員による情報分析だけなので王城に行かなくて済みます。
個人的には僕も王城に行ってお仕事するのは気が引けるけど、書類が色々溜まっているんだよなあ。
主に宰相向けの書類が。
という事で、僕とプリンだけが王城に行ってきます。
カリカリカリ、ペラペラペラ。
「アレク君も真面目だな。今日くらいは一日休んでもいいだろうに」
「そう思ったんですけど、よりによって夕方に沢山の資料が執務室に運ばれたので。しかも、何故か全部急ぎなんですよね」
僕はどんどんと書類を処理して、宰相に回して行きます。
はあ、手続きが面倒くさい書類ばっかりで、本当に嫌になっちゃいますね。
そして、あらかた書類を処理して、休憩をしている時でした。
「もしかして、アレク君が辺境伯領での五歳の祝いに参加できなくする為に、ワザとぎりぎりのタイミングで書類を出して来たのかもな」
宰相がお菓子を食べながらぽつりと呟くと、僕を含めて執務室にいる全ての人が「あっ」って表情をしながら宰相に視線を送っていました。
宰相は全員から視線を向けられてなになに状態だったけど、直ぐに宰相も僕達が視線を向けた理由を理解してくれました。
「確かこの書類は商務からまわってきたものだね。あたしが、商務に行ってくるよ」
「シーラ、お願いだから穏便に頼むよ」
「ははは、そりゃ相手の態度次第だね」
シーラさんが、腕まくりをしながら宰相執務室を出て行った。
宰相は穏便に頼むとシーラさんにお願いしていたけど、相手がクロだったら絶対に穏便では済まないはずだ。
念の為にプリンも一緒にシーラさんについて言ったけど、果たしてプリンでシーラさんを止められるかな。
「アレク殿下、本当に申し訳ない。まさか、本当にわざと書類の提出を遅らせていたとは」
「提出者の名前を見て、あたしゃ直ぐに分かったよ。本当に姑息な真似をするんだから」
そしてシーラさんが執務室を出て行ってから三十分後、恐縮しきりの商務卿とぷんぷんしているシーラさんがプリンと一緒に戻ってきました。
どうも前から宰相が商務卿時代から意地の悪い事をする者らしく、前にも似たような事をしたという。
プリン曰く、商務部局にやくざの殴り込みみたいに入ってシーラさんは、目を逸らしている問題の人の襟首を掴んで会議室に引きずり込んで行ったそうだ。
しかもプリンもタイミング悪く会議室に入れなかったので何が起きていたか分からなかったそうだけど、会議室の中からはシーラさんの怒号と問題の人の悲鳴が聞こえていたという。
プリンも怖くて、会議室の中に入れなかったそうです。
直ぐに商務部局の人が商務卿の執務室に行って商務卿を連れて来て、商務卿が怒り心頭のシーラさんを何とかなだめたそうです。
「あの馬鹿、この後も大量の書類をアレク殿下に送ろうとしていたよ。本当にどうしようもない男だね」
「前にもこんな嫌がらせをして問題を起こしていたので、該当の者は自宅待機にして処分する方向だ」
お菓子を食べながら未だにぷりぷりしているシーラさんと、ちょっと疲れている商務卿の対比が物凄いですね。
因みに、意地悪い事をする人は別に歴史のある貴族でもなんでもなく、頭は良いけど単に他人への意地悪をするのが好きみたいです。
以前当時の商務卿に意地悪をしてシーラさんが大激怒したのに、宰相に異動して顔を合わせなくなったのですっかり元に戻っちゃったみたいです。
その人がこの後出そうとした書類も、明日確認で良くなりました。
ホッと一息着く事ができそうなので、僕も予定通り午前中で王城から辺境伯領に戻れそうです。
因みに、ティナおばあさまにもその問題を起こした人の事が知れ渡ってしまったみたいです。
どんな事になったか、僕も怖くて聞けませんでした。
感想 311
あなたにおすすめの小説
32歳の行き遅れ令嬢ですが、婚約破棄に1番喜んだのは私です
18年間待ち続けた婚約者から、32歳になった夜会の席で婚約破棄を告げられた侯爵令嬢オリヴィア。周囲が同情する中、彼女は笑顔で拍手した。
「おめでとうございます。わたくし、この日をずっと待っておりました」
――しかも婚約契約により、慰謝料は金貨1万8,000枚!
自由と資金を手に入れたオリヴィアは、封じられていた領地経営の才を発揮し、女性のためのブティックを開業。店は大繁盛し、ついには侯爵家の後継者へ!
一方、彼女を捨てた元婚約者は成功を知って今さら復縁を迫ってくるが――もう遅い。
オリヴィアの隣には、15年間ずっと彼女を支えてきた侍従エリオットがいた。
婚約破棄から人生大逆転! 遅咲き令嬢の痛快お仕事&溺愛ラブストーリー!
無能スキルと追放された第三王子ですが、母様の再婚を成功させたら辺境伯を継がされそうです
五歳のスキル授与式で「無能スキル」と判定された第三王子レイニード。
その結果、俺は母様と一緒に王宮を追放された。
だが、正直に言おう。
むしろ大歓迎である。
王宮では母様も俺も冷遇されていたのだから。
こうして辿り着いた辺境伯領で、俺はある決意をした。
――母様を幸せにしよう。
実は辺境伯は昔から母様に想いを寄せているらしい。
ならば息子として全力で応援するしかない。
一方、無能と言われた俺のスキルは全然無能ではなかった。
【カタログ通販】【ヒャッキーン】【錬金術】
便利な道具や生活用品を次々と生み出し、さらに光・土・空間・生活魔法まで使えるため、辺境はどんどん発展していく。
ついでに世間から無能扱いされていた人材たちを集めてみたら、なぜか有能な人ばかりだった。
異母兄である第一王子は次期国王に。
第二王子は騎士団長に。
俺は二人を陰ながら支えながら、のんびり暮らしたいだけなのに――。
「レイニード、次の辺境伯はお前だ」
「嫌です」
「駄目だ」
「嫌です」
母様の再婚を成功させたら、なぜか辺境伯を継がされそうです。
これは、家族大好きな元・無能王子が、大切な人たちを幸せにしながら平穏な生活を目指す、ほのぼの辺境発展ファンタジー。
魔道師長のまかない係~身寄りのない幼児だけどがんばって美味しいご飯つくりましゅ!~
現代社会でかけだしの料理アシスタントだったのに、気が付いたら幼児に異世界転生しちゃってた。しかも、育児放棄っぽい感じで色々と訳ありのわたし。ふとしたことで拾ってもらったお城の魔道師長様(訳ありの呪いもち)の呪いを解くために一緒に旅をしつつ、時々は王宮に戻ったり。魔道師長様と一緒にいるために、とりあえず「魔道師長のまかない係」という役職をもらって、毎日、ルーしゃま(魔道師長)のご飯を作って、お城に居場所を作ってもらってましゅ!(あ、噛んだ) 自分でもただの捨てられた幼児だと思っていたら、なんだかあれよあれよという間に、ハイスペックのスキル持ちだったらしいことが判明・・・。お城ではガチムチのストイックな騎士団長様やお姫様に囲まれて幸せに暮らしてた所に、なんと突然父様と母様が現れた!でも、ここもなんかむちゃくちゃ事情ありな感じ。どうして、みんなそんなに訳ありなんでしゅか! なろう様でも投稿中。カクヨムも近日中に投稿予定。
離縁された俺、これから没落するらしい
妻との離縁が決まった、その瞬間。
俺は前世の記憶を思い出した。
「……え? 俺、この後、没落するんじゃね?」
原作では、俺は散財ばかりする最低な侯爵令息。
妻のエレノアを追い出し、愛人のミレイアと結ばれた挙げ句、最後は炭鉱送りになる。
……いや、待て。
今回の俺、そんなに酷くないぞ?
そもそも流行病も起きてないし、両親も生きている。
しかも領地は普通に安定している。
俺が子供の頃に何気なく言ったことが、どうやら色々と役に立っていたらしい。
「これが……シナリオ強制力ってやつか?」
原作と同じ離縁をしたはずなのに、なぜか何もかも違っている。
これは、没落するはずだった侯爵令息が、人生をやり直す話――のはずだった。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
婚約破棄ですか? まずご両親にお話しください――前世は三児の母。公爵令嬢は冷徹な王弟公爵と人生をやり直す
大夜会の真ん中で、王太子から婚約破棄を宣言された公爵令嬢クラリッサ。
本来なら泣き崩れるはずだったその瞬間、彼女は三人の子を育て上げた四十九歳の前世を思い出す。
「殿下。そのお話、ご両親には通してありますの?」
国王にも王妃にも、双方の家にも無断。おまけに「真実の愛」の相手は、王太子を好きでも王太子妃になる気などなかった。
クラリッサの一言で公開婚約破棄は無効となり、暴走した王太子には即日仮処分が下る。
三か月後の正式審議まで、クラリッサは自分の名誉を取り戻すため社交季の仕事を続けることに。
恋に浮かれた令息、悪辣な婚約者、条件を知らされない令嬢たちを、前世の生活力と貴族令嬢の実務能力で救っていく。
そして彼女の隣には、冷徹と恐れられる王弟公爵レオナールがいた。
役割ではなく一人の女性として見てくれる彼との距離は、仕事を重ねるたび静かに近づいていく。
だが、誰かのためにと差し伸べた手が、相手の選択を奪ってしまった時――。
「あなたは、私のお母様ではありません」
これは、正しいつもりで間違えた大人の女性が、責任を引き受け、自分自身の恋と人生も選び直す物語。
王太子との復縁なし。公的責任あり。年の差の大人恋愛、ハッピーエンド。全40話完結。
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
アルファポリス恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
*他サイトでも公開中
なろう日間総合ランキング2位に入りました!
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。