転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

第三十一章 五歳の祝い

千五十話 王都の五歳の祝いの日になりました

　そして五歳の祝いの当日、僕は早めに辺境伯家とジンさんのところの保護者と五歳児を連れて行くことになった。
　もちろん、現役当主であるルリアンさんとナンシーさんのご両親も昼前に合流します。
　しかし、ニコニコなルカちゃんとエドちゃんも合流したタイミングで、王妃様がある意味残酷な通告をすることに。

「じゃあ、パーティーは午後からだからみんなは午前中はお勉強していましょうね」
「「「えー！」」」

　ちびっ子たちはみんなでブーイングをしたけど、決定が覆るはずもない。
　哀れ、勉強部屋にドナドナされていった。
　こればっかりはしょうがないけど、僕も王妃様に意見をいうことはできません。
　頑張って勉強をしましょう。
　その間に、スラちゃんが帝国からケイリさんとリルム、そしてアンドリューちゃんを連れてきました。
　そして、アンドリューちゃんがキョロキョロと周囲を見回していました。

「あれー？　みんなはどこ？」
「あのね、午前中は勉強するって連れていかれたんだよ」
「そーなんだ」

　リズが何気なく答えていたけど、アンドリューちゃんその質問は危ないぞ。
　さっそくというか、この二人がニコリとしながらあることを言ってきた。

「じゃあ、アンドリューもみんなと一緒に勉強しましょうね」
「リルムも、リズちゃんたちと一緒に勉強しましょう」
「「「えー！」」」

　ケイリさんとアリア様の一言に、アンドリューちゃんだけでなくリルムとリズたちも巻き込まれてしまった。
　一瞬子どもたちが僕のことをみたけど、僕は黙って首を振るしかできなかった。
　うん、アリア様とケイリさんの笑顔の圧力が凄すぎるんだもん。
　ということで、みんなまとめてドナドナされていきました。
　しかも何故か道連れということで、辺境伯領の僕の屋敷からミカエルたちも呼ばれることに。
　たまたま辺境伯家の双子ちゃんと一緒に来ていたポッキーが、ビックリして項垂れるミカエルたちを連れてきました。
　教師役のレイナさんとカミラさんもいるから人数が増えても大丈夫だけど、みんなにとっては完全に予想外ですね。

「えーっと、僕は打ち合わせに行ってきます」
「ええ、頑張ってきてね」
「相変わらず、お忙しいですわね」

　今のうちにと、僕とプリンはアリア様とケイリさんに挨拶をしてパーティー会場に向かいました。
　ある意味、子どもたちを大人しくさせるための手段だったのかもしれないね。
　そんなことを思いながら、現場に到着しました。

「ははは、そんなことがあったのか。確かにそのままでは遊んでいそうな気がするな」

　ナッシュさんたちに加えて何故か陛下もパーティー会場に来ていたけど、この場にいない面々のことを伝えると笑いながら納得していた。
　みんな元気いっぱいだから、会場内を走り回っていそうですね。
　そして、何で陛下がいるかというと……

「実はな、たまたま教皇国と定例通信をしていたら、聖女様がぜひとも五歳の祝いに参加したいと言っていた。自分が祝福を授けた、辺境伯家の双子が五歳になるのもあるらしい。昼からならこれるそうなので、迎えに行くように」

　おお、まさかのゲストその二です。
　でも、みんなカレン様が来るとなれば喜ぶだろうね。
　それに、このあとお手伝いに来るルーカスお兄様たちのクラスメイトや僕の同級生となる特待生組も、カレン様と顔を合わせています。
　全く問題ないと思ったら、まさかのゲストその三の話が出てきました。

「更に、共和国からもクレイモア外交担当が来るという。他のものはともかくとして、ルカとエドたちとも顔見知りだから問題ないだろう。同じく、昼過ぎに迎えに行くように」

　クレイモアさんならみんなと顔見知りだし、僕的には大丈夫。
　流石に結婚相手探しはしないと思うし、大丈夫だと思いたいです。
　ちなみに、現場はプリンチェックで何も無いことを確認しているし、改めて厨房も確認したけど全然大丈夫だそうです。
　僕のプリンがとんでもない高級スイーツに生まれ変わっていたけど、料理長曰く元のプリンが美味しいから他の素材に全然負けていないそうです。
　うーん、僕としては普通のプリンを作っただけなんだよね。