転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十一章 五歳の祝い

千七十六話 卒園式の日です

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 色々なことを検討しつつ、遂にルーカスお兄様とアイビー様の卒園式の日になった。
 前日から学園周辺の警備は厳重になっていて、定期的に軍が巡回をしていた。
 更に卒園式当日は関係者以外立入禁止で、体育館の入口ではスラちゃんを含む複数の従魔たちが不審なものはいないかとチェックします。
 もちろんジンさんたちも騎士服を着て体育館に張り付いていて、軍の担当者と警備について色々と打ち合わせをしています。

「二人とも、準備はできたかな?」
「「できたー!」」

 そんな中、僕はアリア様と一緒に着替えを終えたルカちゃんとエドちゃんを待っていました。
 二人とも、今日は卒園式の来賓として張り切っています。
 王妃様はルーカスお兄様の保護者として卒園式に参加する為に先に学園に行っているので、二人の保護者はアリア様が務めます。
 ちなみに、アリア様、ルカちゃん、エドちゃんの護衛には、プリンが張り切ってついています。

「じゃあ、そろそろ行ってくるわね」
「「いってきまーす!」」
「「「いってらっしゃい」」」
「いってらー」

 今日はリズとエレノアたちは王城でお留守番なので、同じくお留守番のエリちゃんとともに僕たちを見送りに来ました。
 僕が王城から学園へゲートを繋ぎ、見送りをする面々に手を振りながら学園へ向かいました。
 ゲートを潜って体育館の舞台脇にあるいつもの控室前に到着すると、直ぐに生徒会の面々が僕たちを出迎えてくれました。

 ガバッ。

「「ルーおねえーちゃーん!」」

 と、ここでルカちゃんとエドちゃんが生徒会役員として控室にいたルーシーお姉様にニコニコしながら抱きつきました。
 ルーシーお姉様も、いきなり二人に抱きつかれたのでちょっと困り顔ですね。

「わっ! ルカちゃん、エドちゃん、いきなり抱きつかないの」
「「はーい」」

 直ぐさまルーシーお姉様が二人に注意するけど、二人は相変わらずニコリとしているからまたいきなり抱きつきをやりそうですね。
 ともあれ、暫くはこの控室にて待機です。
 では、僕はお仕事をしに行きましょう。

「じゃあ、僕はジンさんのところに行ってきますね」
「アレク君、気をつけてね」
「「いってらっしゃーい!」」

 アリア様、ルカちゃん、エドちゃんに手を振りながら、僕は控室を出ました。
 ちなみに、プリンは三人の護衛なので、ルカちゃんとエドちゃんの膝の上に乗っています。
 体育館の中に出ると、ジンさんは警備担当者と資料を手にしながら打ち合わせをしていました。
 僕が近づいて行くと、ジンさんも直ぐに僕に気が付きました。

「おお、アレクか。こっちは順調だ」
「ジンさん、何か問題は出ていますか?」
「特にないぞ。卒園式は問題は出ないだろうし、改善点を話し合うのは式典後だ。動線なんかは、キッチリと確認するがな」

 どうやら、警備関係は問題ないそうです。
 とはいえ、不測の事態に備えて色々な問題点を洗い出しているそうです。
 ジンさんたちは大丈夫そうなので、そのまま体育館入口の受付に向かいます。

「スラちゃん、準備は大丈夫かな?」

 僕が受付にいたスラちゃんに声をかけると、スラちゃんも僕に触手をふりふりと振ってくれました。
 受付はこれから始まるので、スラちゃんは生徒会の人と一緒にパンフレットの整理をしていました。
 風魔法や念動などを使って、器用に整えていますね。
 ルーカスお兄様のマジカルラットもスラちゃんと一緒にパンフレット整理を手伝っているけど、可愛らしく小さな赤いバンダナを首元に巻いていました。
 僕は、スラちゃんと受付にいる人に手を振って再び体育館の中に入りました。
 ちなみに、アマリリスはその体を生かして体育館の天井から周囲を監視しているし、ピーちゃんも空を飛びながら周囲の監視をしています。
 ここまで準備を整えれば、ほぼ監視と警備は大丈夫そうです。
 ということで、僕は再び舞台に上がりました。
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