転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十二章 新入生

千百六十四話 入園試験合否発表の日です

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 無事に冒険者体験の校外学習も終わり、今度は入園試験者の合格発表です。
 今年は筆記試験時にカンニングをした数人を除いて不正者はなく、カンニングしようとした人も試験前に発覚したのでそのまま受験しました。
 結果的に再試験者はおらず、そのまま合格発表の流れになりました。

「イヨは、学園に行く準備は出来ている?」
「ばっちり」

 今年うちから受験したのはイヨだけなんだけど、イヨ本人は全く緊張することなく着替えを終えていた。
 合格発表を確認したら、イヨはスラちゃんと共に王城に行ってティナおばあさまに報告をした後、教皇国に行ってオカマさんに報告をします。
 イヨの場合、トップクラスの成績なのは間違いないから第何席になるかがポイントですね。
 ということで、僕のゲートでみんな揃って学園に向かいました。

 ガヤガヤガヤ。

「凄いね、たくさん人が集まっているね」

 リズがたくさん集まっている受験生にビックリしていたけど、僕たちの時は地方から受験した人が多かったから直接学園に見に来た人は今年の方が多いかも。
 でも、僕達は生徒会としてお仕事があります。

「イヨ、スラちゃんと一緒だけど一人で大丈夫?」
「平気」

 掲示板前でスラちゃんを頭の上に乗せているイヨと別れるのだけど、イヨは一人でも全然平気なタイプだし何よりもスラちゃんも張り切っていました。
 そのうち、みんなの知り合いのミリアも合流するだろうし、きっと大丈夫ですね。
 ということで、僕はリズと共に体育館に向かいました。

「グルル……」
「ドラちゃん、ちゃんとお手伝いしている?」
「グルル!」

 この前の僕達の冒険者体験でサポートを忘れて遊んでいたドラちゃんは、罰として今日の合格者の手続きのお手伝いをする事になりました。
 ドラちゃん自身は何回も学園の色々なお手伝いをしているので、生徒会役員も受験生も何も気にしていません。
 そもそも、入園試験の時にもドラちゃんは色々なお手伝いをしていたもんね。
 ドラちゃんは僕に元気よく返事をしていたけど、この分なら問題なさそうですね。
 受付にはリズやエレノアもいるけど、こちらも準備万端です。
 僕は、みんなに挨拶をしてから体育館の中に入りました。

「ルーシーお姉様、受付の準備はできました」
「弟くん、ありがとうね」

 体育館の中で先生と話をしているルーシーお姉様に声を掛けると、ルーシーお姉様も書類を手にしながら僕の所に歩いてきました。
 先生も、準備は出来ているみたいですね。

「では、予定通り三十分後に試験結果の開示を行います。本日は手続きをしてそのまま解散となり、一ヶ月後の入園説明会で詳細を説明する事になります。試験結果に異議がある人は、受付にいる先生に申し出る様に周知して下さい」
「「「はい」」」

 先生が合格発表の掲示周辺を担当する生徒会役員に説明をしていたけど、僕もルーシーお姉様も掲示板周辺を担当します。
 予想だとそこまで揉める事はなさそうだし、多分すんなりと終わるのではと思っています。
 因みに、受付にはユーリカ先生と剣技授業のゴリゴリマッチョ先生が待機しています。
 ゴリゴリマッチョ先生はともかくとして、ユーリカ先生ならキチンと説明してくれる気がします。
 では、いよいよ試験結果の発表です。
 僕達は、先生と共に試験結果の掲示板の所に移動をしました。
 掲示板の前には、数多くの受験生が今か今かと待ちわびていました。
 よく見ると、イヨの所にミリアもいたのでちょっと安心です。
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