転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十二章 新入生

千百八十六話 男子生徒の母方の祖父母との面会

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 応接室には別の意味で僕が会いたかった人がいるので、ルーカスお兄様と共に向かいます。

 ガチャ。

「「あっ……」」

 応接室に入ると、初老の夫婦がソファーから立ち上がって僕とルーカスお兄様を出迎えた。
 そして、僕ルーカスお兄様が席につくと、深く頭を下げてきた。

「この度は、娘が皆さま方に多大なるご迷惑をおかけし本当に申し訳ありません」
「本当にお詫びのしようもなく、何と申し上げれば良いことやら……」

 今日呼んだのは、あの男子生徒の母方の祖父母です。
 元々呼ぶことは決まっていたけど、それとは別に男子生徒の両親が事件を引き起こしてしまったのです。
 その辺りも説明しないといけないので、ちょっと気が重いです。
 先に、当初の話を進めましょう。

「男子生徒に関しては、賠償なども固まった事もあり一ヶ月の停学と奉仕活動などの処分となります。その後は、予定通り貴殿の屋敷にて保護観察処分となります」
「畏まりました」

 祖父が説明をしたルーカスお兄様に頭を下げたけど、個人的には特に問題なさそうだと思うけどなあ。
 因みに、男子生徒は来年はBクラス確定だけど、その後の頑張り次第で最上級生時にAクラスに復帰する事も可能です。
 祖父母の家族も全員了解していて、こちらは問題ありません。
 問題なのは、これから説明する事です。

「その、男子生徒の両親つまりお二人の娘さんと旦那ですが、昨日公務執行妨害で逮捕されました」
「「はっ?」」

 僕が話をすると、初老の夫婦は何が何だか分からないって表情をしていました。
 僕も、お二人の気持ちはよく分かります。

「元々旦那は仕事上でのミスが非常に多く、左遷されると話をしたと思います。事前通告した上で軍が迎えに行ったところ、その、夫婦揃って屋敷に行った軍の兵を殴り飛ばしました。しかも、自分が左遷されるのは男子生徒のせいだと言っています」
「なんと、なんと馬鹿なことを……」

 娘も揃って馬鹿なことをしてしまい、初老の夫婦は思わず目頭をハンカチで押さえていました。
 でも、紛れもない事実なんですよね。
 ルーカスお兄様もなんとも言えない表情をしていたけど、それでも言葉を続けなければならなかった。

「正直なところ、正式な裁判を待たなければ何も言えません。しかし、当分の間は貴族としての権限は一切停止となり、留置所に拘留されます」
「承知の上です」

 当主は、涙を拭いてキッパリと言い切りました。
 そして、二人を留置所に案内することになりました。

 ガシャン、ガシャン。

「だせー! ここから出しやがれ!!」
「いい加減にするのですよ!」

 うーん、未だに二人は元気よく暴れているなあ。
 なんというか、僕とルーカスお兄様の隣にいるペコペコとしている初老の夫婦が不憫でなりません。

「「責任者を呼んでこい!」」

 なんというか、自分は偉いのだからこんな不当な扱いはおかしいのだと言いたいのでしょう。
 では責任者が出ていこうと、ルーカスお兄様が二人の牢屋の前に姿を現しました。

「責任者だが、私を呼んで何を言いたいのだ?」
「「うん? なんだこのガキ……げー!」」

 ルーカスお兄様の姿をみた貴族夫婦は、まさかの人が現れて腰を抜かしそうなほど驚いていました。
 更に夫人の両親まで姿を現し、貴族夫婦は口をパクパクするほどビックリしていました。

「言葉を選んで話をするつもりだったが、その必要はなさそうだな。元々自身の能力不足で左遷になっているのに、それを息子のせいにするとは。おまけに事前通知までしたのに、準備をするどころか迎えの兵を殴り飛ばすとはいったいどういう事だ?」
「「うう……」」

 ルーカスお兄様の静かな怒りの圧に、貴族夫婦は完全に飲み込まれてしまいました。
 さっきまでの威勢の良さは、いったいどこに行ったのでしょうか。

「本件について、父上が直々に動くと申されていた。既に内務卿や軍務卿にも調査の通達を出しているが、二人の貴族権限は裁判が終わるまで暫定停止となる。取調官にも暴行をしたと聞いているので、後ほど再逮捕となるだろう」
「「はぁ……」」

 貴族夫婦は、ルーカスお兄様からの通達を聞いてがっくりと肩を落としていた。
 更に、両親にも全てを知られてしまっているのだ。
 もう、言い逃れはできないだろう。
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