転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十二章 新入生

千二百三話 無事に講習終了です

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 しかし、体の大きな男性の受難はまだまだ続いた。
 それは、リズたちのところに行った時だった。

「ねーねー、剣を見せて」
「はっ、はい……」

 リズは、体の大きな男性とレイナさんの手合わせを見ていたみたいです。
 直ぐに、男性の大剣を手にとって確認しました。

「武器は合っているんだけど、こんなにも傷だらけだと剣が可哀想だよ! リズだって、ちゃんと定期的に剣をメンテナンスに出しているんだよ!」
「ご、ごめんなさい……」

 ボロボロの剣を見て激怒しているリズに、体の大きな男性は恐縮しっぱなしです。
 リズはファルシオンを小さな頃から大事に使っているから、ボロボロの剣を見て余計に怒ったみたいです。
 冒険者は見た目が命って思っている人がいるけど、自分の道具は大事にしないとね。
 僕は、実技を終えた新人冒険者にアドバイスをしたり、武器を選んだ人の相手をしたりしていました。
 ティナおばあさまは、基本的にリズとエレノアの武器選びのところにいて一緒にアドバイスをしています。
 ちびっ子たちも基本的には武器選びのところにいるけど、レイカちゃんだけ愛刀を抜いてお父さんであるジンさんのところに行っています。
 そんな中、僕のことを呼ぶ人がいました。

「おーい、アレク、この五人を見てやってくれ」

 ジンさんは、僕のことを手巻きしながら呼んでいました。
 よく見ると、僕よりも少し年上の男性五人組がいました。
 ということで、最初は武器選びから始めましょう。

「あのね、こっちの短槍が良いと思うよ!」
「最初はダガーから始めて、慣れたらショートソードに代えるといいよ」
「「「はっ、はい……」」」

 武器選びでは、ルカちゃんとエドちゃんを中心にしたちびっ子たちが張り切って選んでいました。
 中々的確に武器を選んでいて、勧められた五人組も素振りするとびっくりしていました。

「ここに置いてある武器は、冒険者ギルドの売店で売っているものです。価格も高くないので、着実に依頼をこなせば購入できますよ。先ずは、武器の使い方の本を読んで基礎的な動きを学びましょう」
「「「はい!」」」

 武器が置いてあるところには三冊の本が置いてあって、新人冒険者は真剣な表情で読んでいました。
 何人かの冒険者は、さっそく僕やリズを相手に武器を試していました。
 こうして、色々あったけど無事に新人冒険者向けの講義は終わりました。

「まあ、お前らは暫くは他の人の講義を見て勉強だな。特に、説明するところはもう少し時間がかかるだろう」
「「「はーい」」」

 ジンさんは途中参加のちびっ子たちに色々と説明していたけど、ミカエルとブリットはもうそろそろ講師の勉強をしてもいいかもね。
 全員を王城に送り、僕たちは辺境伯領に戻ります。
 うーん、今日は久々に冒険者活動に専念した日ですね。
 因みに、ルーカスお兄様のところにいったワーナー君は真面目に仕事をしていて、疲れたけど高評価だったらしいです。
 そして、陛下は相変わらず王妃様に監視されながら執務机の片付けをしていたそうです。
 さてさて、明日は年末の炊き出しをするし、大教会で動くことになりそうですね。
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