転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十三章 二年生

千二百四十五話 ちょっと困りごとが

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 あっという間に主犯の子爵夫妻は逮捕されたけど、強制捜査はまだ始まったばかりです。
 執務室内の捜索に加えて、屋敷にいる不審者の確保を行なわなければなりません。

「ふふふ、宝探しは任せて!」
「エレノアも頑張るの」

 まあ、例えどんなところに証拠を隠したところで、リズたちの前では隠しきれないもんね。
 さっそくリズ、エレノア、サンディが執務室内の捜索を開始し、次々と色々なところから証拠を探し当てていました。
 屋敷内の捜索に慣れているとはいえ、本当に素早い対応ですね。

「じゃあ、私たちは屋敷内の不審者の確保にあたるわ。ピーちゃんもいるし、直ぐに終わると思うわよ」
「行ってくる」
「ピィ」

 ルーシーお姉様とイヨが、屋敷内の不審者の捜索を行うことになりました。
 ピーちゃんはとても勘に優れているし、廊下をドラちゃんとリボンちゃんが闊歩しているから不審者は反撃は難しいでしょうね。
 僕は現場指揮を行わないといけないので、このまま執務室内で待機します。

 ドサッ、ドサッ。

「うーん、いっぱい出てくるね。久々に大漁だよ」
「お金の袋も出てきたの。悪いことは駄目なの」
「酷い事をしてお金を手に入れるなんて、私許せないです」

 リズ、エレノア、サンディが見つけた証拠品は、僕が小さなゲートを軍の施設に繋いで次々に運んでいきます。
 リズの言う通り、ここまで大量の証拠品が出てくる現場は久々です。
 犯罪組織とのやり取りや焼き菓子店への指示、はたまた宝石の購入に関する書類まで出てきました。
 典型的な貴族主義貴族が行う手口で、僕もこれまで何度も見てきた内容です。
 通信用魔導具で各所に連絡する中、屋敷内の不審者の確認をしていたルーシーお姉様とイヨが執務室内に戻ってきました。

「弟くん、大体の悪者は捕まえたよ。ピーちゃん、いつの間にか鑑定魔法が使えるようになっていたのよ。だから、とっても早く終わったわ」
「ピィ!」

 おお、ルーシーお姉様の肩に止まっているピーちゃんが、とっても自信満々に答えていますね。
 ピーちゃんは雷魔法使いだけど、プリンと違って特殊な無属性魔法も使えるんだね。
 そして、ピーちゃんの活躍もあって多くの使用人や関係者が捕まったけど、逆に困ったことも起きてしまいました。

「子爵の嫡男夫婦も捕まった。使用人も捕まったから、孫を世話する人がいない」
「あぶー」

 イヨが抱っこしていたのは、青髪の小さな男の子でした。
 鑑定してもこの子爵家の孫とバッチリ出ていて、まだ一歳になったばかりみたいです。
 お世話係の使用人は、ピーちゃんの鑑定で横領や窃盗などをしていて軒並み捕まったそうです。
 この屋敷内に、赤ちゃん以外にまともな子どもがいるのかなと思ってしまうほどでした。

「あー」

 ブリブリブリ。

「「「あっ……」」」

 そして、赤ちゃんなのでどんな状況か全く分かりません。
 イヨに降ろされた瞬間、ウンチをしてしまいました。
 僕は赤ちゃんのお世話セットを持っているので、溜息をつきながらオムツの交換を行なっていました。

「うっぐ、うっぐ」
「おー、いっぱい飲んでいるよ」
「お腹が空いていたのかな?」

 赤ちゃんに温めたヤギの乳が入った哺乳瓶を渡すと、勢いよく飲み始めました。
 執務室内の捜索を終えたリズとエレノアは、応接室で赤ちゃんを挟みながらその様子を眺めていました。

「うーん、このままだとこの赤ちゃんが暫定当主になりそうですね」
「何だか、前にも似たような話を聞いた気がするわ。赤ちゃんに罪はないとはいえ、まさかこんな状況になるとはね」

 僕と一緒に赤ちゃんを見つめているルーシーお姉様も、ちょっと複雑そうな表情をしていました。
 何にせよ、赤ちゃんも重要な証人なので保護をしないといけません。
 幸いにして健康状態は問題なく、人見知りもしない方みたいです。

「グルル」
「きゃっきゃ!」

 そして、子どもの扱いに慣れているドアちゃんが、赤ちゃんを抱っこしながらあやしていました。
 なんだかリボンちゃんが複雑な表情でドラちゃんを見ていたのは、僕の見間違えではないと思いました。
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