80 / 231
4章 港湾都市アイラ編
146話 港湾都市アイラ
しおりを挟む
──港湾都市アイラ──
シーラッド都市連合の一つ、第4都市群に属する海岸に面した都市。
丘の上に作られた居住区は他の都市と同様壁に囲まれており、人口は約18万人ほど。
それと隣接するように港湾区が海岸沿いに作られ、昼夜を問わず行き来する船の為に常時1万人程の様々な職業の人間が働いている。
主な産業は漁業と海洋貿易、連合間をはじめ、サザント大陸のみならず他の大陸との定期便も多数存在しており、他大陸の珍しい特産品も数多く入って来る。
特産品は、小魚と海草から作る『醤油』。
シンとその他の3人は居住区の中でも中心部にある高級宿に足を運ぶ。
大商人や他国の要職に就く者も訪れる事の多いここでは、巡回の兵士や宿側の雇った警備の人間も少なからずおり、酒場の併設されたごく一般の宿とは雰囲気が明らかに違う。
すでにフラッドが手配は済ませており、4人は街でも3番クラスの宿の最上階を借り切る形で滞在中の定宿としてあてがわれていた。
そしてそこで誰もが問題に気付く。
「……寝る時ミレイヌ様はどうするので?」
「これは盲点でした……」
シンの言葉に老執事──名をアンセンというらしい──が天井を仰ぐ。
アンナは今回同行しておらず──当然の如く彼女はメイド兼ミレイヌの専属護衛であり、何事も無かったとはいえミレイヌを危険に晒した罰として、護衛の任を解かれ目下のところ再訓練中である。
そしてその間の代わりがシン曰く金髪の若獅子なのだが、こちらは当然のように男だ。寝所まで同室する訳には行かない。
盲点どころの話では無かった。
「ふざけるな! いくら部屋が分かれているとはいえミレイヌを、こんな得体の知れぬ男のいる階に護衛もつけずに一人で寝させろとでも言うのか!?」
「アリオス兄様! シン様は私の命の恩人ですわ、決して得体の知れない殿方などではありません!」
「ミレイヌ!」
「お兄様!」
「……お兄様?」
「ああ、お2人はお嬢様がこんな小さな頃からのお知り合いで、遠出などする時は護衛として同行する事も多うございまして、いつの間にかあのような呼び方に」
つまりは幼馴染ということらしい、シンのアリオスに対する好感度が上がった。主にミレイヌに対する壁として。
とはいえ問題は解決していない。
「ここは一つ、私が別のところに宿を取るということで手を打ちませんか?」
「ここは本来シン様の為に用意された宿でございます」
「……本人がいいと言ってるんだからよくありませんか?」
「申し訳ありません、当主であるフラッド様の評判に傷がつく様な事は承服しかねます」
「ですか……」
……結局、ミレイヌが寝室として使う部屋にはアンセンが同室する事になり、対角線上の一番遠い部屋にシン、その隣をアリオスが使うという事で一応の決着を見る。
「それではシン様、そろそろ執政官との面会の時間ですので参りましょう」
「解りました……ところで、みなさんも一緒にいらっしゃるので?」
「はい」
「ええ、お姉さまに会うのも久しぶりですので!」
「俺はミレイヌの護衛だ、当然だ」
「……………………………………」
──ボクの子供が執政官をしていてね──
──お姉さまに会うのも久しぶり──
シンの顔は苦虫を噛み潰したような表情になった──。
──────────────
──────────────
「君が父の言っていたシン殿だな。はじめまして、私はタレイア=ヒューバート、港湾都市アイラの執政官を領主である父から命じられている」
「こちらこそ急な面会に応じていただき感謝いたします。私はシン、薬師の傍ら世界各地を旅しております」
フラッド=ヒューバート、やつの背後にコウモリの羽と鉤付きの尻尾が見える。
俺の目に前に立っている執政官──タレイアは、愛くるしさを前面に押し出した妹とは反対に、凛とした美女だった。
執政官の任を務める覚悟からか、スカートではなく男装に身を包む彼女は、意志の強そうな目つきと相まって凛々しさが漂う。
妹とお揃いの緩くウェーブのかかった見事な金髪を後ろで無造作に結び、女性らしさを極力排しようとしている。
バッサリと切り落とさないという事は、要人などを集めたパーティなどではドレスを着たりするのだろう、興味はあるが絶対に出席などするものか!
それにしても……
ミレイヌといいタレイアといい、あの肉団子の子供とは到底信じがたい。鳶が鷹どころかオークがエルフを産みやがった。
「……オホン、ところで君はフラッド様の命を受けてこの街、アイラにやって来たとの事だが?」
握手を交わす俺を不快そうに見つめる男の言葉には一欠けらの好意も含まれていない、むしろ敵意を隠そうともしない。
「よせクレイス! シン殿は父が不甲斐ない私を案じて紹介してくれた人物だ。失礼な態度は許さんぞ」
「失礼しました──ですが、タレイア様の政策は決して間違ってなどおりません。今はまだ雌伏の時、後数年も待てばその効果は現れてくるはずです」
「ああ、私もそうあって欲しいと思っている」
「……水を差すようで心苦しいのですが、今年中にどうにか街の景気を上向きにしないと、そのフラッド様が直接舵取りをすると仰っておりましたよ?」
投資や新しい事業に時間も金もかかるのはよーく知ってる。
ただ、どんな政策を行ってるのか知らんが、自分の足元が危うくなるような危険な事を、住民を巻き込んでやるのは止めて頂けませんかね?
「なぜです! フラッド様も思うとおりにやって見せよと、タレイア様にこの街の執政官を任されたというのに!?」
憤る補佐官にしかし、タレイアがそれを諌める。
「止せ、父の期待に応えられていない私に問題があるのだ。向こうを責めるのは筋違いというものだ」
「しかし! タレイア様が執政官となられて今年でまだ3年、結果を求めるのは性急に過ぎます」
「くどい!」
言わんとしている事は分からんでも無いんだが……
「失礼ながら……3年で街の財政を傾かせるとは、一体どんな政策を?」
アンタら、無茶してねえか?
フラッドが付けた「優秀」って評価に恐ろしく疑問符が付くんだが……。
「シン殿と言ったか? 失礼ながら都市運営にたずさわった経験は?」
「あいにく、見ての通りの風来坊ですので」
「ならば説明の必要を感じないな。フラッド様の紹介状にも書いてあった通り、君に期待しているのは新しい商売のアイデアだ。勘違いしないでくれ、不慣れな行政に時間を割くより、得意な分野での活躍を君には期待しているんだ」
「左様ですか……」
クレイスの物言いはにべも無い。
つまり、知られたくないのね……まあ、面倒事に積極的に関わるつもりは無いので、こちらとしても有難い話だけどさ。
「シン殿、クレイスが失礼な事を言ってすまない。だが私も正直、キミには都市運営ではなく商売の方で力を発揮して欲しい。父からも面白い御仁だと聞いているからね」
……フラッド、あんた娘に何て書いたんだよ? イヤ、いい、やっぱ知りたくねえ。
「……あまり期待されても困るのですけどね、ともあれ時間を頂けますか? 街の事も知らずに新しい商売など考え付くはずもありませんので」
ふざけたヤツが執政官などやっているんだったらさっさと離れる腹積もりだったんだが、幸か不幸か、見るからに真面目人間なんだよなぁ……しかも美女。
……まあ、補佐官の態度がどうにも、ホラ、あれ……最近すぐ近くで見たわ。
「ああ、よろしく頼む! 好きなだけこの街を見て行ってくれ」
「姉さま! もうお話は終わったのですね!?」
そろそろ俺の背後で痺れを切らした聞かん坊が我慢の限界らしい。
「ああ、久しぶりだなミレイヌ! 元気をしていたか?」
「はい! それはもう」
まったく、元気すぎて困るわ……
「先日も盗賊に攫われそうになりましたが、そこへ颯爽と現れたシン様に助けていただきました!!」
「ブホッ──!! ゲホッ! ゲフンッ!」
イキナリなに言ってくれてんだこのお子様!?
「チョット待てミレイヌ、今なんと? それにシン殿──?」
「……あ、私はこれから街を散策にいかなければなりませんので──」
「──どこへ行くシン殿、執政官殿が呼んでいるぞ」
てめえアリオス! アンタはここは見逃すところだろ!? このままじゃミレイヌのよって誇張された俺様の武勇伝が始まるだろうが!?
「いえ……執政官様も申されたとおり、急いで街を見て周り、商売の種を探さなければなりませんので……」
「そう言うな、お前の腕前とやらには俺も興味がある、本人の口からちゃんと話を聞きたいと思っていたところだ」
クソ、味方が……執事さん!!
「ホッホッホ」
ジジイ!!
「シン殿、詳しく話を聞かせてくれないだろうか……?」
結局逃げられなかった──。
とりあえず、ミレイヌの語る英雄譚を端から修正できた事だけが救いだった。
シーラッド都市連合の一つ、第4都市群に属する海岸に面した都市。
丘の上に作られた居住区は他の都市と同様壁に囲まれており、人口は約18万人ほど。
それと隣接するように港湾区が海岸沿いに作られ、昼夜を問わず行き来する船の為に常時1万人程の様々な職業の人間が働いている。
主な産業は漁業と海洋貿易、連合間をはじめ、サザント大陸のみならず他の大陸との定期便も多数存在しており、他大陸の珍しい特産品も数多く入って来る。
特産品は、小魚と海草から作る『醤油』。
シンとその他の3人は居住区の中でも中心部にある高級宿に足を運ぶ。
大商人や他国の要職に就く者も訪れる事の多いここでは、巡回の兵士や宿側の雇った警備の人間も少なからずおり、酒場の併設されたごく一般の宿とは雰囲気が明らかに違う。
すでにフラッドが手配は済ませており、4人は街でも3番クラスの宿の最上階を借り切る形で滞在中の定宿としてあてがわれていた。
そしてそこで誰もが問題に気付く。
「……寝る時ミレイヌ様はどうするので?」
「これは盲点でした……」
シンの言葉に老執事──名をアンセンというらしい──が天井を仰ぐ。
アンナは今回同行しておらず──当然の如く彼女はメイド兼ミレイヌの専属護衛であり、何事も無かったとはいえミレイヌを危険に晒した罰として、護衛の任を解かれ目下のところ再訓練中である。
そしてその間の代わりがシン曰く金髪の若獅子なのだが、こちらは当然のように男だ。寝所まで同室する訳には行かない。
盲点どころの話では無かった。
「ふざけるな! いくら部屋が分かれているとはいえミレイヌを、こんな得体の知れぬ男のいる階に護衛もつけずに一人で寝させろとでも言うのか!?」
「アリオス兄様! シン様は私の命の恩人ですわ、決して得体の知れない殿方などではありません!」
「ミレイヌ!」
「お兄様!」
「……お兄様?」
「ああ、お2人はお嬢様がこんな小さな頃からのお知り合いで、遠出などする時は護衛として同行する事も多うございまして、いつの間にかあのような呼び方に」
つまりは幼馴染ということらしい、シンのアリオスに対する好感度が上がった。主にミレイヌに対する壁として。
とはいえ問題は解決していない。
「ここは一つ、私が別のところに宿を取るということで手を打ちませんか?」
「ここは本来シン様の為に用意された宿でございます」
「……本人がいいと言ってるんだからよくありませんか?」
「申し訳ありません、当主であるフラッド様の評判に傷がつく様な事は承服しかねます」
「ですか……」
……結局、ミレイヌが寝室として使う部屋にはアンセンが同室する事になり、対角線上の一番遠い部屋にシン、その隣をアリオスが使うという事で一応の決着を見る。
「それではシン様、そろそろ執政官との面会の時間ですので参りましょう」
「解りました……ところで、みなさんも一緒にいらっしゃるので?」
「はい」
「ええ、お姉さまに会うのも久しぶりですので!」
「俺はミレイヌの護衛だ、当然だ」
「……………………………………」
──ボクの子供が執政官をしていてね──
──お姉さまに会うのも久しぶり──
シンの顔は苦虫を噛み潰したような表情になった──。
──────────────
──────────────
「君が父の言っていたシン殿だな。はじめまして、私はタレイア=ヒューバート、港湾都市アイラの執政官を領主である父から命じられている」
「こちらこそ急な面会に応じていただき感謝いたします。私はシン、薬師の傍ら世界各地を旅しております」
フラッド=ヒューバート、やつの背後にコウモリの羽と鉤付きの尻尾が見える。
俺の目に前に立っている執政官──タレイアは、愛くるしさを前面に押し出した妹とは反対に、凛とした美女だった。
執政官の任を務める覚悟からか、スカートではなく男装に身を包む彼女は、意志の強そうな目つきと相まって凛々しさが漂う。
妹とお揃いの緩くウェーブのかかった見事な金髪を後ろで無造作に結び、女性らしさを極力排しようとしている。
バッサリと切り落とさないという事は、要人などを集めたパーティなどではドレスを着たりするのだろう、興味はあるが絶対に出席などするものか!
それにしても……
ミレイヌといいタレイアといい、あの肉団子の子供とは到底信じがたい。鳶が鷹どころかオークがエルフを産みやがった。
「……オホン、ところで君はフラッド様の命を受けてこの街、アイラにやって来たとの事だが?」
握手を交わす俺を不快そうに見つめる男の言葉には一欠けらの好意も含まれていない、むしろ敵意を隠そうともしない。
「よせクレイス! シン殿は父が不甲斐ない私を案じて紹介してくれた人物だ。失礼な態度は許さんぞ」
「失礼しました──ですが、タレイア様の政策は決して間違ってなどおりません。今はまだ雌伏の時、後数年も待てばその効果は現れてくるはずです」
「ああ、私もそうあって欲しいと思っている」
「……水を差すようで心苦しいのですが、今年中にどうにか街の景気を上向きにしないと、そのフラッド様が直接舵取りをすると仰っておりましたよ?」
投資や新しい事業に時間も金もかかるのはよーく知ってる。
ただ、どんな政策を行ってるのか知らんが、自分の足元が危うくなるような危険な事を、住民を巻き込んでやるのは止めて頂けませんかね?
「なぜです! フラッド様も思うとおりにやって見せよと、タレイア様にこの街の執政官を任されたというのに!?」
憤る補佐官にしかし、タレイアがそれを諌める。
「止せ、父の期待に応えられていない私に問題があるのだ。向こうを責めるのは筋違いというものだ」
「しかし! タレイア様が執政官となられて今年でまだ3年、結果を求めるのは性急に過ぎます」
「くどい!」
言わんとしている事は分からんでも無いんだが……
「失礼ながら……3年で街の財政を傾かせるとは、一体どんな政策を?」
アンタら、無茶してねえか?
フラッドが付けた「優秀」って評価に恐ろしく疑問符が付くんだが……。
「シン殿と言ったか? 失礼ながら都市運営にたずさわった経験は?」
「あいにく、見ての通りの風来坊ですので」
「ならば説明の必要を感じないな。フラッド様の紹介状にも書いてあった通り、君に期待しているのは新しい商売のアイデアだ。勘違いしないでくれ、不慣れな行政に時間を割くより、得意な分野での活躍を君には期待しているんだ」
「左様ですか……」
クレイスの物言いはにべも無い。
つまり、知られたくないのね……まあ、面倒事に積極的に関わるつもりは無いので、こちらとしても有難い話だけどさ。
「シン殿、クレイスが失礼な事を言ってすまない。だが私も正直、キミには都市運営ではなく商売の方で力を発揮して欲しい。父からも面白い御仁だと聞いているからね」
……フラッド、あんた娘に何て書いたんだよ? イヤ、いい、やっぱ知りたくねえ。
「……あまり期待されても困るのですけどね、ともあれ時間を頂けますか? 街の事も知らずに新しい商売など考え付くはずもありませんので」
ふざけたヤツが執政官などやっているんだったらさっさと離れる腹積もりだったんだが、幸か不幸か、見るからに真面目人間なんだよなぁ……しかも美女。
……まあ、補佐官の態度がどうにも、ホラ、あれ……最近すぐ近くで見たわ。
「ああ、よろしく頼む! 好きなだけこの街を見て行ってくれ」
「姉さま! もうお話は終わったのですね!?」
そろそろ俺の背後で痺れを切らした聞かん坊が我慢の限界らしい。
「ああ、久しぶりだなミレイヌ! 元気をしていたか?」
「はい! それはもう」
まったく、元気すぎて困るわ……
「先日も盗賊に攫われそうになりましたが、そこへ颯爽と現れたシン様に助けていただきました!!」
「ブホッ──!! ゲホッ! ゲフンッ!」
イキナリなに言ってくれてんだこのお子様!?
「チョット待てミレイヌ、今なんと? それにシン殿──?」
「……あ、私はこれから街を散策にいかなければなりませんので──」
「──どこへ行くシン殿、執政官殿が呼んでいるぞ」
てめえアリオス! アンタはここは見逃すところだろ!? このままじゃミレイヌのよって誇張された俺様の武勇伝が始まるだろうが!?
「いえ……執政官様も申されたとおり、急いで街を見て周り、商売の種を探さなければなりませんので……」
「そう言うな、お前の腕前とやらには俺も興味がある、本人の口からちゃんと話を聞きたいと思っていたところだ」
クソ、味方が……執事さん!!
「ホッホッホ」
ジジイ!!
「シン殿、詳しく話を聞かせてくれないだろうか……?」
結局逃げられなかった──。
とりあえず、ミレイヌの語る英雄譚を端から修正できた事だけが救いだった。
8
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。