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5章 イズナバール迷宮編
219話 会議・前編
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イズナバール迷宮を中心に作られた探索者の為の町、リトルフィンガー。
日々迷宮に潜る探索者と、彼らがもたらす迷宮産の魔物の素材やアイテム、それらを求める商人・職人達が集まって出来上がった特異な町。
一攫千金を求め、多くの探索者が迷宮に挑み、ある者は大金を手に町を後にし、またある者は迷宮内にて人生の終焉を迎える。言うなればこの町は、そんな彼等の人生の分岐点のような場所だ。
それゆえ、個人宅など定住を目的とした建物は基本的に存在せず、稀に見かける屋敷の類は、ここが町と呼ばれるほどの発展を遂げる前から活動を続けている古参のコミュニティが、その活動拠点として建てたものである。
そんな、コミュニティ「異種混合」が活動拠点とする大きな邸宅にジンとルフトが戻ってくると、中は既に出来上がっていた。
1階にあるだだっ広いホール会場には酒をあおる集団、近くの料理屋から出前を頼んでひたすら食べる集団、盛り上がって腕相撲大会をしている集団、さまざまだ。
そんなホールの隅っこでは、なにやら女性陣と数名のいかつい獣人の男達が屯している。
ナンパでもしてるのかと思えば、誰が持ち出したのかジンの屋台が持ち込まれ、甘魚・甘玉のみならず、酒まんじゅうとマドレーヌの先代屋台まで並んでいる。
「獣人は甘党が多いんですかねえ……」
「それもあるが、あの図体で甘味を買うために屋台に並ぶのが恥ずかしいんだろう」
「……「韋駄天」にお使いでも頼んだらどうですか?」
「既に何度か見たな」
「あ、そですか……」
ホールに現れたルフトに気付いたメンバーは、次々に労いと賞賛の言葉を贈りながら酒盃を手渡し我先にと中に注いでいる。
傍から見れば嫌がらせかと思うほど、さまざまな種類の酒がちゃんぽんされたそれをルフトは一気に飲み干し、周囲は歓声に包まれる。
そんな、メンバーの歓待と視線を一身に浴びるルフトをよそにジンは、ルフトのパーティメンバーとゲンマ達に声をかけると、祭りの会場からそっと抜け出して会議室に集合する。
「……なんで居るんですかね?」
「ス、スミマセン……」
「まあまあ、一応僕らはパーティリーダーみたいなモノだし?」
どこで嗅ぎつけたのか、ジンの両サイドにはルディとエルが控えていた。
「まあ構わんさ、今から行うのは我等の今後を見据えての会議、子供とはいえパーティの代表としては、知っておいてもらったほうが良い」
ルフトの一言で、ルフト・ゲンマ両パーティのメンバーが向けていた厳しい視線が緩和する。
が、そんな雰囲気もジンの持ちかけてきた取引を聞いた途端、険悪な空気に戻る。
「ふざけてんのかテメエ! 協力の見返りに秘宝を寄越せだぁ!?」
「……自分が何言ってんのか判っててそんなツラしてんだろうな?」
「俺らは何年もこの地にかじりついて、犠牲を払いながらやっとここまで来た。その意味が分かって言ってるんだとしたら、相当なタマだな、貴様」
一々尤もな講釈をたれる異種混合のメンバーとは対照的に、ライゼンからのメンバーは黙して語らず、しかし内なる想いが鋭い眼光となってジンの身体に突き刺さる。比較的ジンと言葉を交わすことの多かったゲンマとシュナでさえ渋い表情を浮かべている。
そんな針の筵のような会議室の中、オロオロするエルと無関心を決め込むルディを両脇に置いたジンは一言、
「はい」
簡潔にそう答え、笑顔を浮かべて返答を待つ。
そんなジンの態度に彼等の不満が爆発しそうになる直前、シュナから声が上がる。
「ジン、私はあなたがこの中の誰よりも理性的で計算高い人間だと思っているんだけど、それなのにあえて挑発するような物言いをしているのはなぜかしら?」
「大した理由などありませんが……しいて言うなら、話の概要だけ聞いて門前払いをするような方々では、たとえ取引の内容を話してもどうせ成立しない、したとしても後に約束を反故にするだろうからさっさと関係を切ろうとでも思ってますよ」
「手厳しいのね」
「俺はいつだって対等な取引が大好きでしてね。一方的に相手を食い物にするような事は、するのもされるのも嫌なんですよ。条件は俺が出す、あなた達は選ぶ、しかし条件を提示する相手は俺が選ぶ、対等でしょう?」
「……席を立つ気配は感じられないわね、詳しい話を聞かせてもらえるかしら?」
シュナに促されたジンは詳細を語り出す。
自分の目的は迷宮の最深部にある秘宝だが、あくまで特定の物に限った話で、目当ての物で無い限りはそちらが持ち帰ってくれて構わない、複数の秘宝が出現した場合も、目的外の物は異種混合とゲンマ達に全て譲渡する。
41層以降は今以上に危険な戦闘が続くのは必至で、異種混合のコミュニティ単独では迷宮攻略は、不可能ではないがかなりの時間を有すると予想される。
そしてその間に、ユアンのパーティが他のコミュニティと一緒に迷宮攻略を果たす可能性は極めて高い。
そうなると、ライバルとなるコミュニティに対して何らかの妨害工作も起きてくるだろう。現に、既に彼の鼻薬を嗅がされた者がコミュニティの中にいた。
首尾よく迷宮を攻略した場合、自分たちはそれを宣伝する事は無い。あくまで迷宮攻略を果たしたのは異種混合というコミュニティであり、自分たちは外部の個別依頼の扱い。
その他、コミュニティに対し利益になりそうな話があれば別途、そちらにもちかける。
「……なんだ、その儲け話ってのは?」
話を聞いたゲンマがポツリと呟くと、ジンではなくルフトがそれに答える。
「スパイダーシルクの件だ」
シュナがその言葉にピクリと反応する。
「こちらへ戻る前に探索者ギルドの長と話をしたのだが、迷宮に潜る以上スパイダーシルクはギルドが買取するのが規則だと言われてな、そこをジンが上手く話をつけてくれた」
そのうえ、スパイダーシルクを簡単に加工することの出来る薬、それに伴い迷宮上層に棲むジャイアントスパイダーから効率よく素材を採集する為の方法とギルドからの独占依頼、これによってもたらされるであろうコミュニティへの利益を伝えると、不満気だったメンバーも溜飲が下がってくる。
「あなた方──あえてはっきり言わせて貰うなら、ライゼンの最優先事項は迷宮及び周辺地域の領有権であって、何が出るか分からない秘宝ではないはずでしょう?」
「そういえばジン、君が欲する秘宝とは一体なんなのだ? それが分からねばコチラも返答に困るのだが」
「そうですね……別に俺が欲しい訳じゃないんですが、ある人物にとって来てくれと頼まれたんですよ、「神酒」を」
その言葉を聞いた瞬間、会議室が一瞬静まり返り、そして──
「だあーーーっはははは!!」
「ジン、お前、神酒って! そんな与太話信じて迷宮くんだりまで来たのかよ!?」
「あんなモン、御伽噺の産物だぜ、マジで言ってんのかよ?」
笑いに包まれる会議室、見ればゲンマは爆笑しすぎて横腹を押さえ、ルフトもシュナも肩を震わせて笑いを堪えている。
笑っていないのはジンとエルくらいのものだ……ルディまで一緒に笑っているのはなぜかは分からないが、おそらくジンが笑い者になっているのが嬉しいのだろう。
「……ふむ、では皆さん、俺の提案に乗ってくれるととらえて良いのでしょうか?」
「ああ、構わねえぜ! そんな怪しげなモンだけが欲しいってんならいくらでも協力してやるさ」
「それ以外は俺達の取り分って事でいいんだよな?」
「勿論、そちらの好きなように配分していただいて構いませんよ」
その後暫く会議室に笑い声が響いたが、すでに話し合いは終わったという事で話し合いはお開きとなる。
そして、エルとルディを伴って会議室を出たジンを、通路でルフトが引き止める。
「ジン……その、色々スマンな、アイツらも悪気は無いんだが」
「構いませんよ、おかげで取引もスムーズに終わりましたので」
済ました顔のジンの態度に、ルフトは神妙な面持ちで、
「あの場では一笑に付したが、その顔だと本気のようだな……まさか本当にあるというのか、神酒が?」
「さあね、俺はお使いに駆り出されただけで、無ければ無いで良いんですよ、ただ、有るかどうかだけは確かめないと、後が怖いんで」
肩をすくめるジンの態度にルフトは顔を綻ばせ、
「スマナイ、少しだけ時間を貰えるだろうか?」
「構いませんよ、ほら、若さん、エル坊も──」
「イヤ、そっちの2人も一緒に来て欲しい」
「??」
ルフトの真剣な表情に、ジンの緩んだ表情は少しだけ引き締まる──。
日々迷宮に潜る探索者と、彼らがもたらす迷宮産の魔物の素材やアイテム、それらを求める商人・職人達が集まって出来上がった特異な町。
一攫千金を求め、多くの探索者が迷宮に挑み、ある者は大金を手に町を後にし、またある者は迷宮内にて人生の終焉を迎える。言うなればこの町は、そんな彼等の人生の分岐点のような場所だ。
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そんなホールの隅っこでは、なにやら女性陣と数名のいかつい獣人の男達が屯している。
ナンパでもしてるのかと思えば、誰が持ち出したのかジンの屋台が持ち込まれ、甘魚・甘玉のみならず、酒まんじゅうとマドレーヌの先代屋台まで並んでいる。
「獣人は甘党が多いんですかねえ……」
「それもあるが、あの図体で甘味を買うために屋台に並ぶのが恥ずかしいんだろう」
「……「韋駄天」にお使いでも頼んだらどうですか?」
「既に何度か見たな」
「あ、そですか……」
ホールに現れたルフトに気付いたメンバーは、次々に労いと賞賛の言葉を贈りながら酒盃を手渡し我先にと中に注いでいる。
傍から見れば嫌がらせかと思うほど、さまざまな種類の酒がちゃんぽんされたそれをルフトは一気に飲み干し、周囲は歓声に包まれる。
そんな、メンバーの歓待と視線を一身に浴びるルフトをよそにジンは、ルフトのパーティメンバーとゲンマ達に声をかけると、祭りの会場からそっと抜け出して会議室に集合する。
「……なんで居るんですかね?」
「ス、スミマセン……」
「まあまあ、一応僕らはパーティリーダーみたいなモノだし?」
どこで嗅ぎつけたのか、ジンの両サイドにはルディとエルが控えていた。
「まあ構わんさ、今から行うのは我等の今後を見据えての会議、子供とはいえパーティの代表としては、知っておいてもらったほうが良い」
ルフトの一言で、ルフト・ゲンマ両パーティのメンバーが向けていた厳しい視線が緩和する。
が、そんな雰囲気もジンの持ちかけてきた取引を聞いた途端、険悪な空気に戻る。
「ふざけてんのかテメエ! 協力の見返りに秘宝を寄越せだぁ!?」
「……自分が何言ってんのか判っててそんなツラしてんだろうな?」
「俺らは何年もこの地にかじりついて、犠牲を払いながらやっとここまで来た。その意味が分かって言ってるんだとしたら、相当なタマだな、貴様」
一々尤もな講釈をたれる異種混合のメンバーとは対照的に、ライゼンからのメンバーは黙して語らず、しかし内なる想いが鋭い眼光となってジンの身体に突き刺さる。比較的ジンと言葉を交わすことの多かったゲンマとシュナでさえ渋い表情を浮かべている。
そんな針の筵のような会議室の中、オロオロするエルと無関心を決め込むルディを両脇に置いたジンは一言、
「はい」
簡潔にそう答え、笑顔を浮かべて返答を待つ。
そんなジンの態度に彼等の不満が爆発しそうになる直前、シュナから声が上がる。
「ジン、私はあなたがこの中の誰よりも理性的で計算高い人間だと思っているんだけど、それなのにあえて挑発するような物言いをしているのはなぜかしら?」
「大した理由などありませんが……しいて言うなら、話の概要だけ聞いて門前払いをするような方々では、たとえ取引の内容を話してもどうせ成立しない、したとしても後に約束を反故にするだろうからさっさと関係を切ろうとでも思ってますよ」
「手厳しいのね」
「俺はいつだって対等な取引が大好きでしてね。一方的に相手を食い物にするような事は、するのもされるのも嫌なんですよ。条件は俺が出す、あなた達は選ぶ、しかし条件を提示する相手は俺が選ぶ、対等でしょう?」
「……席を立つ気配は感じられないわね、詳しい話を聞かせてもらえるかしら?」
シュナに促されたジンは詳細を語り出す。
自分の目的は迷宮の最深部にある秘宝だが、あくまで特定の物に限った話で、目当ての物で無い限りはそちらが持ち帰ってくれて構わない、複数の秘宝が出現した場合も、目的外の物は異種混合とゲンマ達に全て譲渡する。
41層以降は今以上に危険な戦闘が続くのは必至で、異種混合のコミュニティ単独では迷宮攻略は、不可能ではないがかなりの時間を有すると予想される。
そしてその間に、ユアンのパーティが他のコミュニティと一緒に迷宮攻略を果たす可能性は極めて高い。
そうなると、ライバルとなるコミュニティに対して何らかの妨害工作も起きてくるだろう。現に、既に彼の鼻薬を嗅がされた者がコミュニティの中にいた。
首尾よく迷宮を攻略した場合、自分たちはそれを宣伝する事は無い。あくまで迷宮攻略を果たしたのは異種混合というコミュニティであり、自分たちは外部の個別依頼の扱い。
その他、コミュニティに対し利益になりそうな話があれば別途、そちらにもちかける。
「……なんだ、その儲け話ってのは?」
話を聞いたゲンマがポツリと呟くと、ジンではなくルフトがそれに答える。
「スパイダーシルクの件だ」
シュナがその言葉にピクリと反応する。
「こちらへ戻る前に探索者ギルドの長と話をしたのだが、迷宮に潜る以上スパイダーシルクはギルドが買取するのが規則だと言われてな、そこをジンが上手く話をつけてくれた」
そのうえ、スパイダーシルクを簡単に加工することの出来る薬、それに伴い迷宮上層に棲むジャイアントスパイダーから効率よく素材を採集する為の方法とギルドからの独占依頼、これによってもたらされるであろうコミュニティへの利益を伝えると、不満気だったメンバーも溜飲が下がってくる。
「あなた方──あえてはっきり言わせて貰うなら、ライゼンの最優先事項は迷宮及び周辺地域の領有権であって、何が出るか分からない秘宝ではないはずでしょう?」
「そういえばジン、君が欲する秘宝とは一体なんなのだ? それが分からねばコチラも返答に困るのだが」
「そうですね……別に俺が欲しい訳じゃないんですが、ある人物にとって来てくれと頼まれたんですよ、「神酒」を」
その言葉を聞いた瞬間、会議室が一瞬静まり返り、そして──
「だあーーーっはははは!!」
「ジン、お前、神酒って! そんな与太話信じて迷宮くんだりまで来たのかよ!?」
「あんなモン、御伽噺の産物だぜ、マジで言ってんのかよ?」
笑いに包まれる会議室、見ればゲンマは爆笑しすぎて横腹を押さえ、ルフトもシュナも肩を震わせて笑いを堪えている。
笑っていないのはジンとエルくらいのものだ……ルディまで一緒に笑っているのはなぜかは分からないが、おそらくジンが笑い者になっているのが嬉しいのだろう。
「……ふむ、では皆さん、俺の提案に乗ってくれるととらえて良いのでしょうか?」
「ああ、構わねえぜ! そんな怪しげなモンだけが欲しいってんならいくらでも協力してやるさ」
「それ以外は俺達の取り分って事でいいんだよな?」
「勿論、そちらの好きなように配分していただいて構いませんよ」
その後暫く会議室に笑い声が響いたが、すでに話し合いは終わったという事で話し合いはお開きとなる。
そして、エルとルディを伴って会議室を出たジンを、通路でルフトが引き止める。
「ジン……その、色々スマンな、アイツらも悪気は無いんだが」
「構いませんよ、おかげで取引もスムーズに終わりましたので」
済ました顔のジンの態度に、ルフトは神妙な面持ちで、
「あの場では一笑に付したが、その顔だと本気のようだな……まさか本当にあるというのか、神酒が?」
「さあね、俺はお使いに駆り出されただけで、無ければ無いで良いんですよ、ただ、有るかどうかだけは確かめないと、後が怖いんで」
肩をすくめるジンの態度にルフトは顔を綻ばせ、
「スマナイ、少しだけ時間を貰えるだろうか?」
「構いませんよ、ほら、若さん、エル坊も──」
「イヤ、そっちの2人も一緒に来て欲しい」
「??」
ルフトの真剣な表情に、ジンの緩んだ表情は少しだけ引き締まる──。
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