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24. 告白

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「………俺が…好き?」
「うん……すき」

これは夢か?
いや、それか何かの罰ゲーム………それはないな、翔がそんな事するはずない。
じゃあ本当に俺の事………そんな事あっていいのか?

「翔が言ってた好きな人って俺の事?」
「そうだよ、ずっと好きだった。1年生の頃から」

1年生は翔と同じクラスじゃない。
それなのになんで…

「俺さ、高校入ってから周りの視線が怖くて………俺なんか全然凄くないのに期待されたり、告白とかされても俺が断っていいのかなとかずっと考えてちゃって………数ヶ月だったけど正直限界だったんだ……」

どれだけ学校の人気者でも、そのみんなの視線は本人の本音を閉じ込めてしまう。俺も人気者だからといって遠い存在として認識していたが、それは間違いだったと改めて考えさせられた。

「だから窓側の席になった時、ずっと窓の外を見てたんだ、現実に目を背けたかったから。そしたら蒼馬を見つけた。俺の見る蒼馬はいつも誰かの為に動いてて、優しい人なんだなって思ってからずっと目で追っかけちゃってた。そしたら、ある日好きだなって思ってそこで恋だって自覚したんだ。」

窓の外を見るようになったから、翔のクールなイメージがついたんだろう。みんなの視線を感じたくなかったから…

「長々と話しちゃってごめんね、気持ち伝えられてよかった。………聞いてくれてありがと。」

翔が立ち上がって教室に戻ろうとしている。
俺は翔の腕を掴んでそれを止めた。

「俺の気持ちも聞いてほしいな。」
「………今度じゃだめ?」
「今、聞いて?」
「………わかった」

翔が泣きそうな顔をしてそう聞くから、俺も早く気持ちを伝えたいなと思った。たぶん、翔はまだ俺の気持ちに気づいていない、だから振られると思って泣きそうになっているんだろう。

「最初は翔の事遠い存在だと思ってた。俺は暗いし、翔は明るいから。でも翔が寄り添ってくれて、少しずつ気持ちが変わっていったんだ。もっと関わりたいって思うようになって、可愛いなって思うようになって、それから………好きだなって思うようになった。」

「えっ」

「俺も翔が好きだよ。」

「うそだ………だって蒼馬好きな子いるって……失恋したって言ってた……」
「それは、翔に好きな子がいるって知ったから、失恋したって思ってたんだよ」
「じゃあほんとに?……俺たち両思い?」

「ああ………翔、俺と付き合ってください。」
「っ、はい!」

翔と付き合えるなんて奇跡だな。
なんて思っていたら、俺はある事を思い出した。

「……修学旅行の夜さ、翔、俺に好きって言った?」
「っ!起きてたの!?」
「いや、意地悪しようと思って寝たふりしてて……」

勘違いなんかじゃなかったんだな。

「だって、蒼馬と仲良くなれて嬉しくて、あと、それから、」
「ん?」
「………お風呂上がりの蒼馬がかっこ良すぎて……あと…なんか……えっち…だったから……ちゅーしたくなって…でも口はだめだって踏みとどまって…」

(ちゅーって可愛すぎないか!?ってか翔そんな事思ってたのか……正直嬉しいな)

「………勝手にちゅーしてごめん」
「いいよ、それに俺だって勝手にキスしちゃったし」
「あっ………俺が好きだからあの時キスしたの?」

翔の問いに答えようか悩んだ、俺の嫉妬心も正直に話すか。でも俺はこれ以上翔に嘘をつきたくなくて正直に話す事にした。



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