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僕の奏太

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昼食を食べ会社に戻る途中まだ五十嵐奏太はいた。
しかも複数の男に絡まれている。


「ねぇ、さっき男の人と喋ってたでしょ、俺たちとも喋ろうよ」

「可愛いね」
「ああ、ちょっと困ります」

よし、俺は見て見ぬ振りを……。
バチっと目が合った。


……。俺は知らない。

スタスタと会社に入った。

この辺は警備員も多いし、昼食帰りの人も多いし、ってみんな結構見て見ぬ振りだな。
ここで助けてもどういう関係ですか?
とか質問攻めにあってもいやだし、カナちゃんのファンが助けてくれるだろう。


事務所に戻ったが
あー気になる。


「ちょっと!!」
「はい」

「これ誤字」
「すみません」

「あんた昼食後から集中できてないんじゃないの?」
「すみません、ちょっと外行ってきます」

「サボり?」
「いえ、違います」

サボりかどうかなんて分からないし、喫煙者共は堂々とサボっているじゃないかなんて禁煙者から見たら言いたいことだ。



とりあえず1階におりてっと
いないなぁ。


踵を返そうとしたら木陰で休んでいた、知っている顔
「あ、五十嵐奏太」


「アハハフルネームやめてくださいよ」
ほのかに赤みをおびた顔はまさかなと言いたげだった。


……。あの時目が合ったから気まずい。

「さっきは……」

「奏太大丈夫か?」
とそこにはいかにも 高学歴・高収入・高身長 3Kと言われる類いがいた。


「ああ、ありがとう、シラスくん」

シラスくん??
魚の稚魚か???

てか背高いくせに顔っちっさ、イケメン爽やか男子だな。

「奏太そちらの方は?」
「えっと大家さん」

「大家……まさかあのボロアパートの?」
んんん???
聞き捨てならない暴言が聞こえたぞ、まぁ確かにボロアパートだけど。


「あ! ボロアパートじゃなくてもう俺のお城って言ってるじゃんか」
「そうだっけ、足で踏み潰せそう」


なかなか言うなこの子
てかお城ってなにこの子うける。

「で、僕の奏太になにか用事?」
「あっちょっ……」


「僕の奏太ってもしかして2人は付き合っているのか?」
「そうですよ」

「ちょっ!! 付き合ってないでしょ、ただの血の繋がってない兄弟だよ!!」


「僕は奏太を嫁に貰うんだ」
「そんなのお父様が許さないでしょ!!!」

「あーもしかして金持ちの家のボンボンの子どもってこと?」


「よく分かりましたね」
「まぁ血の繋がってない兄弟っていうし」

「ちなみに奏太の立ち位置は僕の父さんの愛人」

ぶっ……。


なんか話がやばくなってきた?
てかそろそろ戻るか。


「五十嵐奏太、俺はなーにも聞かなかったことにするから、気をつけて帰れよ」

とそそくさに逃げた。
かれこれ30分ほどあそこにいた気がする。




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