【R18】オトメゲームの〈バグ〉令嬢は〈攻略対象外〉貴公子に花街で溺愛される

幽八花あかね・朧星ここね

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〈悪役王子〉と〈ヒロイン〉花街編

【14】三日目――騎士様と、大剣で −1− ★

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 ばちゅん、ばちゅんっと濡れた肌のぶつかり合う音が閨に響く。
 淡い金色の髪をした男は、女の腰を後ろから掴み、張りつめた雄茎をその陰唇と花芽に何度も擦り付けていた。彼の青紫色の瞳の前では、娼妓の白く華奢な背が、汗の粒によってきらきらと輝いている。

「やぁっ、ふぃ――ゆ、ユウ、さま、またぁ……!」

 色を纏った声を上げたかと思えば、娼妓はぶるりと身を震わせ、今宵何度目かの絶頂を迎えた。しかし客の動きは止まらない。挿入はしないまま、己の雄芯と女の蜜口とを重ねたまま。

「あ、あぁっ、あ。やらっ、止ま――」

 嫌な感覚をおぼえた娼妓は、ふたりの重ね合わされたところへと手を伸ばそうとするも、数拍遅く。

(だめ、また、出ちゃう……ッ!)

 ぱしゃ、ぱしゃ、と音を立て、シーツの上の水溜まりに新たな潮が落ちていく。こうなると、腰を打ち付けられる度に吹いてしまう。
 アリシアはそれを知っていた。この夜のうちに、もう分からせられていた。

「ひあぁ……はぁ、あぁぁ……」

 昨晩以上にぐじゅぐじゅにされ、高く掠れた声が唇から漏れる。

(びしょびしょにさせたがるお客様は、多いから、って。感じ方を習って、そのための食事や薬も、とっていたけれど。ユウ様は特にらしい、って、もさせていただ――あっ)

 根元は媚肉に触れさせたまま、アリシアの臍の下あたりまで届いた切先に、彼は己の手を添えた。それから、グッ、グッ、と彼女の下腹部を押すような動きをする。

「あぁっ、そこ、一緒、だめぇぇええ……!」

 青楼に来るより前から知る感覚に、アリシアは叫ぶ。

(だめ、だめっ、これは、だめ。こんな、感じてるのに、いまっ、子宮、揺れ、ちゃ……!)

 フィリップらしい責め方だ。と心のどこかが冷静にときめく。彼との思い出が積もった責め方に、彼女の身体はぴくぴくと跳ねた。
 肌の上から触れられ、押され、揺らされるだけで、彼女は情けなく絶頂させられる。そのように、もうフィリップに開発されている。

(おなか、きもちいい……っ)

 いつものように手だけでマッサージされるのではなく、彼の雄に外から押され、大事な子宮を揺さぶられて――そんな初めての状況に興奮してしまったのか、いつもより早く、アリシアの感覚はあっという間に頂まで達した。

「やあああぁぁ! い、イく、また、イきます……!」

 深く広がる快感に、ぷしゃあああっとより勢いよく潮を吹く。もう出ない。空っぽだ。でも、さっきもそう思ったはずなのにまた吹いてしまった。またすぐに溜まって吹いてしまうのかもしれない……。
 アリシアは自分の身体の変化に恐怖を感じつつ、この快楽を手放せる気がしないと喜びながら憂いた。

「イリス」

 と娼妓の源氏名で呼びながら、彼はアリシアを責めるのをやめ、ころんと仰向けにさせた。彼の顔を見て、アリシアはまたドキリとする。
 目の前にいる男の容貌は、フィリップのものとはまるで違う。髪はやわらかな金色で、瞳は夕方の空の青紫色。顔も、体付きも、みんな違う。さっきの声だって、もちろん違っていた。
 アリシアの今宵の相手は、ユウ様――ユースタス・セルナサスだ。見た目のうえでも、手続きのうえでも、彼女は彼に買われて愛されたことになっている。しかし中身は、本当のユースタスではない。

「アリシア」
「……っ、はい」

 耳元で彼が囁く時、その声を呪った魔法は解けて。彼は本当のフィリップの声に戻ってくれるのだ。
 アリシアも彼の耳に触れて、その変わらぬ形に安堵する。ひどく愛しいと思う。

「いっぱい強くして、ごめんね……。今度は、ゆっくり、するね」

 フィリップらしい優しい口調でそう言って。
 ユースタスの顔をした彼は、アリシアの太腿に触れた。
 すると今度は一転。
 深い色の瞳で見下ろして、ユースタスの声で、ユースタスの言い方で、

「じゃあ――開くぞ」
「あ……!」

 両の膝を掴んで、アリシアの脚を大きくぱかりと開かせる。先ほどまで責められていた蜜口は、今もひくひくと物欲しげに蠢いていた。

「腰を浮かせろ、イリス」
「はい、ユウ様……。ぅんっ」
 言われるがままに腰を上げると、その下に彼の手がすばやく入り込む。そのままグンッと持ち上げられて――
「……あ!? やあっ!?」
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