50 / 71
〈悪役王子〉と〈ヒロイン〉王都編
【50】悪役王子とヒロインは結ばれる −蜜月− ★
しおりを挟む
蜜月の始めの三日間、新郎新婦は蜜の間に籠もり、たっぷりと愛しあうこと――それが、この大陸の王族や貴族の伝統だった。
ミラフーユ王国の王太子フィリップとその妃アリシアも、浴室と寝室とを合わせた蜜の間で、三日三晩を過ごすこととなる。
結婚式後の初めての夜、四度も中に吐精された後。アリシアは、大好きなフィリップの腕に抱かれて眠りについた。
夢の中へと落ちる前、彼女はフィリップの銀髪を撫でる。愛おしくて、愛おしくて、本当にずっと触れていたい……。
「アリシア――大丈夫? つらくない?」
「ええ、大丈夫です。……とっても、幸せ」
ふたりの胸やお腹がくっつきあって、ほかほかと温い。お風呂に浸かるように気持ちいい。
触れあうフィリップの体は筋肉質で、アリシアとはまったく違うのに、しっくりと心地よく彼女に馴染んでいた。
殿下、フィリップ様――小さい頃から一緒にいて、いつも触れてきた愛しいひと。
どんなに体格差が開いても隣を歩み、これからも歩もうと手をとりあってきた、最愛の婚約者……いや、今はもう、契約でも体でも心でも結ばれた夫か。
夫と心の中で呟いて、アリシアはにやにやと笑ってしまう。夫。なんといい響きだろう。
「なに、にこにこしてて可愛いね? ん?」
「貴方様と結婚できて、いっぱい、嬉しいのです」
「僕も、嬉しい。一生大切にする……」
フィリップもにこにこと笑い、嬉しさを無邪気に表す子どもみたいに、すりすりと花嫁へ頬ずりをした。ふたり互いに甘えた。
布団に包まってからもいちゃついて、微睡みながらのキスもする。
ふたりの初夜が――終わる。
***
――蜜月の、二日目。
式後の疲労感と幸せの余韻とでくたくたになって昨夜を終えたアリシアとフィリップは、昼を過ぎた頃に目を覚ました。
先に起きたのは、フィリップだった。
(…………妻が、可愛い。妻。かわいい……)
ふにゃふにゃと穏やかに眠るアリシアが可愛くて、フィリップはひとりでにこにこ笑う。一日目の夜もにこにこしていたが、今も唇が勝手に弧を描くくらい、彼はにこにこ幸せだ。
彼女の薄紅の髪をくるくると指に巻きつけ、弄ぶ。頬や唇にも触れたいけれど、顔に触ったら起こしてしまうかもしれない。
可愛い新妻を今くらいはゆっくりと休ませてやりたいので、肌ではなく髪に触れている。それで我慢している。
彼女の寝顔を眺めて髪を掬う数分間も、幸せだった。汗とフローラルの匂いがする髪に口づけていると、「ん……」とアリシアが身じろぎ、目を開ける。
眠る顔も、寝起きの顔も可愛いな……。と。
一緒に眠り起きたことは何度もあるのに、フィリップは、今日の彼女の愛おしさにびっくりした。
ついに結ばれたからだろうか? 小さい頃から大好きだった彼女が、さらに、すごく、愛おしい。可愛くて大切な、唯一のひと。妻。僕の妃。
まだ眠そうな碧色の瞳がフィリップを見つけ、ふっくらとした紅い唇は「あ。ふぃりっぷさま……」とやわらかい声で紡ぐ。フィリップの胸はときめいて、彼の雄も甘く疼いた。
「おはよう、アリシア」
にこりと朝の挨拶をしたフィリップは、可愛い妻と口づけを交わす。
しばらくベッドの上でだらだらいちゃいちゃした後、ふたりは浴室へと向かった。
***
昨晩注がれた白の残滓が、アリシアの内腿をどろりと伝う。
フィリップに言われるがまま、夜の蜜と精液とを膣内にたっぷり蓄えたまま、バスチェアに腰掛けた彼の上にアリシアは座らせられた。彼の剛直は腰に触れ、彼女の脚は大胆に開かされている。
「あぅ……ぅ、やぁ」
ふたりの目の前の壁には鏡があり、いくつもの紅いキスの痕をつけられたアリシアの体も、花心も、くっきりとそこに映っていた。
「きれいにしようね」
フィリップは嬉しそうに言って、アリシアの陰唇に指を触れ、片手で開かす。彼女の穴から、とろりと白いものがこぼれた。彼はもう片方の手でアリシアの花芽を転がし、彼女の中を蠢かせる。
「にゃう、にゃあん」
「ほら、鏡、見てみて……? 元気に動いてて可愛いよ。脚びくびくしてるのも可愛いね」
「ふぁ、あぁ、んにゃ……――うっ、うぅ」
「ふふ、甘イキしちゃった? 可愛いなー……本当に可愛い」
「あっ」
中へと指が挿し込まれ、ぐちゅぐちゅと鳴る。彼の太い指に白濁がまとわりつき、彼女の外へと掻き出されていく。
(あぁっ、こんなにいっぱい……恥ずかしい……!)
自分の中からとは信じられないくらいにたくさんの白濁液があふれ、彼女の後孔へと伝い流れていく。すぼまった穴がひくひくする。
「はふ、はっ、あ……ふあぁぁぁ……っん」
「ああ、そうだ。昨晩、お尻はしていなかったね。せっかくお支度もしてくれていただろうに……。寂しかった? 今日は、する?」
「……うん……す、ゆぅ……する……あうぅ――!」
どうしようもなく高まってきて、果ててしまう。ぷしゃあっと潮を吹く。
彼はそこでようやく満足したのか、アリシアの体を解放し、彼女のいろんな液をお湯で優しく流した。
フィリップは彼女の髪と肌を洗って、アリシアも彼を、と洗いっこの小休止。それから、ふたり一緒に浴槽へと浸かろうとする。
と、その前に。
「――これ、で、いいのか?」
「はい、これです」
後ろの支度をするため、アリシアは、浴室の出入り口に用意されていた植物の〝種〟を手にとった。青楼でもしていたように、これで中を清めるのだ。
「ここに、入れて、くださいませ……」
アーモンドのような形をした、赤ん坊の拳ほどの大きさの種をフィリップの手に託し、彼女は腰を突き出した。「玩具や触手と似たものです」とも付け足し、彼の抵抗感を和らげようとする。
フィリップはごくりと唾を飲み込んだ後、彼女のそこに種を押し付けた。
アリシアの喉から、唇から、甘い声が漏れる。
「ん……ぅんっ、にゅ」
「大丈夫か? つらくない?」
「……平気、です……あんっ」
ぬぷんっと中に種が落ち、腰が震える。すぐに出してしまわぬよう、奥へと種が転がり進み、芽生えるのを待つ。ぬるぬるとした蔓が腸壁を撫でるのを感じると、アリシアはほっと息を吐き、体を起こした。
清めの植物を中で飼ったまま彼の前に立つのは初めてで、ドキドキと女の穴が濡れていく。中に何かを入れること自体には慣れているのも、娼妓だった日々のおかげねとまた思う。
アリシアは、艶めかしく笑った。
「昨晩も、今日も、悦くしていただいたので――向こうでは、私にも、させてください」
ふたりで一緒にお湯に浸かり、ゆったりとする。ほどよく体が温まってきたところで、アリシアは彼の雄茎に口づけた。きっとお風呂で逆上せているせいだけではないのだろう、フィリップの頬は赤らんでいる。
「あ、アリシア……」
「私が責める時のフィリップ様は、たいへん可愛らしいですね。貴方様の、ここも……びくびくと震えているお姿が、可愛らしゅうございます」
「……くっ、からかうのは、やめてくれ……本当に、ぅあっ、恥ずかしいんだから……」
とは言われても。
いつもと攻守を逆転し、フィリップを可愛がる時間を、アリシアは十八の時から気に入っている。やめたくない。
唾液を纏った舌でじっくりと舐め、濡らし、やっぱりすべてを咥えるには大きすぎるので、下の方は手でしごく。
硬く張り詰めた彼は、どくどくと脈打ち、元気に動き、彼女の胸を愛しい気持ちにさせた。滲み出る苦い液体を、アリシアはちろちろとちょっとずつ舐めて味わう。
「あり、アリシア、あっ、も、だめぇ……」
「いいへふよ」
「ぐあっ、う――」
可愛らしく喘ぐフィリップにときめくアリシアは、彼の精液を舌で受け止める。重たい白濁は彼女の口内を彼の匂いで満たし、幸せに酔わせた。
今日は一気には飲み込まず、舌の上で溜め、アリシアはにこりと笑う。
「アリシア……だめだよ、飲まないで……? 美味しくないでしょ? お外に出して、吐いて」
「?」
アリシアはわざときょとんとして、小首を傾げた。口の中で唾液と精液が混じり合う。フィリップは彼女の唇に触れ、指でこじ開けた。焦った顔が可愛らしい。
「だめ……吐いて……っ、こんな不味いの、飲ませたく、ない……ッあ!?」
フィリップの目が見開かれるのを見て、アリシアはニヤリと笑う。精神からゾクゾクするような快楽に、子宮がはしゃぐ。
彼の指を甘噛みし、しゃぶりながら、彼女は彼の液を飲み込んだのだ。こく、こく、と小さく何度かに分けて、じっくりと味わって。
「――ごちそうさまでした?」
「アリシア……」
「うふふ、フィリップ様の体液が、私の栄養になるなんて。とっても嬉しい」
小悪魔のように笑うアリシアは、背後から、誰かに抱きしめられた。
『こんにちは、アリシア』
見るまでもない。分身したフィリップだ。
「あら、フィリップ様が、おふたりに」
「きみが、煽るから。欲が出て。もうひとりを、出してしまった、みたいだ……」
魔王の力を身に宿すフィリップは、他の人間には使えない、分身の魔法を使える。ふたりの彼といちゃいちゃした夜は、一度や二度ではない。
アリシアは、にこにこと振り向いた。現れた分身のフィリップは、彼女の耳に口づけ、彼の欲望を囁く。
「いいですよ、しましょう」
フィリップとアリシアは湯を上がり、水滴を拭うと、ベッドへと向かった。
ミラフーユ王国の王太子フィリップとその妃アリシアも、浴室と寝室とを合わせた蜜の間で、三日三晩を過ごすこととなる。
結婚式後の初めての夜、四度も中に吐精された後。アリシアは、大好きなフィリップの腕に抱かれて眠りについた。
夢の中へと落ちる前、彼女はフィリップの銀髪を撫でる。愛おしくて、愛おしくて、本当にずっと触れていたい……。
「アリシア――大丈夫? つらくない?」
「ええ、大丈夫です。……とっても、幸せ」
ふたりの胸やお腹がくっつきあって、ほかほかと温い。お風呂に浸かるように気持ちいい。
触れあうフィリップの体は筋肉質で、アリシアとはまったく違うのに、しっくりと心地よく彼女に馴染んでいた。
殿下、フィリップ様――小さい頃から一緒にいて、いつも触れてきた愛しいひと。
どんなに体格差が開いても隣を歩み、これからも歩もうと手をとりあってきた、最愛の婚約者……いや、今はもう、契約でも体でも心でも結ばれた夫か。
夫と心の中で呟いて、アリシアはにやにやと笑ってしまう。夫。なんといい響きだろう。
「なに、にこにこしてて可愛いね? ん?」
「貴方様と結婚できて、いっぱい、嬉しいのです」
「僕も、嬉しい。一生大切にする……」
フィリップもにこにこと笑い、嬉しさを無邪気に表す子どもみたいに、すりすりと花嫁へ頬ずりをした。ふたり互いに甘えた。
布団に包まってからもいちゃついて、微睡みながらのキスもする。
ふたりの初夜が――終わる。
***
――蜜月の、二日目。
式後の疲労感と幸せの余韻とでくたくたになって昨夜を終えたアリシアとフィリップは、昼を過ぎた頃に目を覚ました。
先に起きたのは、フィリップだった。
(…………妻が、可愛い。妻。かわいい……)
ふにゃふにゃと穏やかに眠るアリシアが可愛くて、フィリップはひとりでにこにこ笑う。一日目の夜もにこにこしていたが、今も唇が勝手に弧を描くくらい、彼はにこにこ幸せだ。
彼女の薄紅の髪をくるくると指に巻きつけ、弄ぶ。頬や唇にも触れたいけれど、顔に触ったら起こしてしまうかもしれない。
可愛い新妻を今くらいはゆっくりと休ませてやりたいので、肌ではなく髪に触れている。それで我慢している。
彼女の寝顔を眺めて髪を掬う数分間も、幸せだった。汗とフローラルの匂いがする髪に口づけていると、「ん……」とアリシアが身じろぎ、目を開ける。
眠る顔も、寝起きの顔も可愛いな……。と。
一緒に眠り起きたことは何度もあるのに、フィリップは、今日の彼女の愛おしさにびっくりした。
ついに結ばれたからだろうか? 小さい頃から大好きだった彼女が、さらに、すごく、愛おしい。可愛くて大切な、唯一のひと。妻。僕の妃。
まだ眠そうな碧色の瞳がフィリップを見つけ、ふっくらとした紅い唇は「あ。ふぃりっぷさま……」とやわらかい声で紡ぐ。フィリップの胸はときめいて、彼の雄も甘く疼いた。
「おはよう、アリシア」
にこりと朝の挨拶をしたフィリップは、可愛い妻と口づけを交わす。
しばらくベッドの上でだらだらいちゃいちゃした後、ふたりは浴室へと向かった。
***
昨晩注がれた白の残滓が、アリシアの内腿をどろりと伝う。
フィリップに言われるがまま、夜の蜜と精液とを膣内にたっぷり蓄えたまま、バスチェアに腰掛けた彼の上にアリシアは座らせられた。彼の剛直は腰に触れ、彼女の脚は大胆に開かされている。
「あぅ……ぅ、やぁ」
ふたりの目の前の壁には鏡があり、いくつもの紅いキスの痕をつけられたアリシアの体も、花心も、くっきりとそこに映っていた。
「きれいにしようね」
フィリップは嬉しそうに言って、アリシアの陰唇に指を触れ、片手で開かす。彼女の穴から、とろりと白いものがこぼれた。彼はもう片方の手でアリシアの花芽を転がし、彼女の中を蠢かせる。
「にゃう、にゃあん」
「ほら、鏡、見てみて……? 元気に動いてて可愛いよ。脚びくびくしてるのも可愛いね」
「ふぁ、あぁ、んにゃ……――うっ、うぅ」
「ふふ、甘イキしちゃった? 可愛いなー……本当に可愛い」
「あっ」
中へと指が挿し込まれ、ぐちゅぐちゅと鳴る。彼の太い指に白濁がまとわりつき、彼女の外へと掻き出されていく。
(あぁっ、こんなにいっぱい……恥ずかしい……!)
自分の中からとは信じられないくらいにたくさんの白濁液があふれ、彼女の後孔へと伝い流れていく。すぼまった穴がひくひくする。
「はふ、はっ、あ……ふあぁぁぁ……っん」
「ああ、そうだ。昨晩、お尻はしていなかったね。せっかくお支度もしてくれていただろうに……。寂しかった? 今日は、する?」
「……うん……す、ゆぅ……する……あうぅ――!」
どうしようもなく高まってきて、果ててしまう。ぷしゃあっと潮を吹く。
彼はそこでようやく満足したのか、アリシアの体を解放し、彼女のいろんな液をお湯で優しく流した。
フィリップは彼女の髪と肌を洗って、アリシアも彼を、と洗いっこの小休止。それから、ふたり一緒に浴槽へと浸かろうとする。
と、その前に。
「――これ、で、いいのか?」
「はい、これです」
後ろの支度をするため、アリシアは、浴室の出入り口に用意されていた植物の〝種〟を手にとった。青楼でもしていたように、これで中を清めるのだ。
「ここに、入れて、くださいませ……」
アーモンドのような形をした、赤ん坊の拳ほどの大きさの種をフィリップの手に託し、彼女は腰を突き出した。「玩具や触手と似たものです」とも付け足し、彼の抵抗感を和らげようとする。
フィリップはごくりと唾を飲み込んだ後、彼女のそこに種を押し付けた。
アリシアの喉から、唇から、甘い声が漏れる。
「ん……ぅんっ、にゅ」
「大丈夫か? つらくない?」
「……平気、です……あんっ」
ぬぷんっと中に種が落ち、腰が震える。すぐに出してしまわぬよう、奥へと種が転がり進み、芽生えるのを待つ。ぬるぬるとした蔓が腸壁を撫でるのを感じると、アリシアはほっと息を吐き、体を起こした。
清めの植物を中で飼ったまま彼の前に立つのは初めてで、ドキドキと女の穴が濡れていく。中に何かを入れること自体には慣れているのも、娼妓だった日々のおかげねとまた思う。
アリシアは、艶めかしく笑った。
「昨晩も、今日も、悦くしていただいたので――向こうでは、私にも、させてください」
ふたりで一緒にお湯に浸かり、ゆったりとする。ほどよく体が温まってきたところで、アリシアは彼の雄茎に口づけた。きっとお風呂で逆上せているせいだけではないのだろう、フィリップの頬は赤らんでいる。
「あ、アリシア……」
「私が責める時のフィリップ様は、たいへん可愛らしいですね。貴方様の、ここも……びくびくと震えているお姿が、可愛らしゅうございます」
「……くっ、からかうのは、やめてくれ……本当に、ぅあっ、恥ずかしいんだから……」
とは言われても。
いつもと攻守を逆転し、フィリップを可愛がる時間を、アリシアは十八の時から気に入っている。やめたくない。
唾液を纏った舌でじっくりと舐め、濡らし、やっぱりすべてを咥えるには大きすぎるので、下の方は手でしごく。
硬く張り詰めた彼は、どくどくと脈打ち、元気に動き、彼女の胸を愛しい気持ちにさせた。滲み出る苦い液体を、アリシアはちろちろとちょっとずつ舐めて味わう。
「あり、アリシア、あっ、も、だめぇ……」
「いいへふよ」
「ぐあっ、う――」
可愛らしく喘ぐフィリップにときめくアリシアは、彼の精液を舌で受け止める。重たい白濁は彼女の口内を彼の匂いで満たし、幸せに酔わせた。
今日は一気には飲み込まず、舌の上で溜め、アリシアはにこりと笑う。
「アリシア……だめだよ、飲まないで……? 美味しくないでしょ? お外に出して、吐いて」
「?」
アリシアはわざときょとんとして、小首を傾げた。口の中で唾液と精液が混じり合う。フィリップは彼女の唇に触れ、指でこじ開けた。焦った顔が可愛らしい。
「だめ……吐いて……っ、こんな不味いの、飲ませたく、ない……ッあ!?」
フィリップの目が見開かれるのを見て、アリシアはニヤリと笑う。精神からゾクゾクするような快楽に、子宮がはしゃぐ。
彼の指を甘噛みし、しゃぶりながら、彼女は彼の液を飲み込んだのだ。こく、こく、と小さく何度かに分けて、じっくりと味わって。
「――ごちそうさまでした?」
「アリシア……」
「うふふ、フィリップ様の体液が、私の栄養になるなんて。とっても嬉しい」
小悪魔のように笑うアリシアは、背後から、誰かに抱きしめられた。
『こんにちは、アリシア』
見るまでもない。分身したフィリップだ。
「あら、フィリップ様が、おふたりに」
「きみが、煽るから。欲が出て。もうひとりを、出してしまった、みたいだ……」
魔王の力を身に宿すフィリップは、他の人間には使えない、分身の魔法を使える。ふたりの彼といちゃいちゃした夜は、一度や二度ではない。
アリシアは、にこにこと振り向いた。現れた分身のフィリップは、彼女の耳に口づけ、彼の欲望を囁く。
「いいですよ、しましょう」
フィリップとアリシアは湯を上がり、水滴を拭うと、ベッドへと向かった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
だったら私が貰います! 婚約破棄からはじまる溺愛婚(希望)
春瀬湖子
恋愛
【2025.2.13書籍刊行になりました!ありがとうございます】
「婚約破棄の宣言がされるのなんて待ってられないわ!」
シエラ・ビスターは第一王子であり王太子であるアレクシス・ルーカンの婚約者候補筆頭なのだが、アレクシス殿下は男爵令嬢にコロッと落とされているようでエスコートすらされない日々。
しかもその男爵令嬢にも婚約者がいて⋯
我慢の限界だったシエラは父である公爵の許可が出たのをキッカケに、夜会で高らかに宣言した。
「婚約破棄してください!!」
いらないのなら私が貰うわ、と勢いのまま男爵令嬢の婚約者だったバルフにプロポーズしたシエラと、訳がわからないまま拐われるように結婚したバルフは⋯?
婚約破棄されたばかりの子爵令息×欲しいものは手に入れるタイプの公爵令嬢のラブコメです。
《2022.9.6追記》
二人の初夜の後を番外編として更新致しました!
念願の初夜を迎えた二人はー⋯?
《2022.9.24追記》
バルフ視点を更新しました!
前半でその時バルフは何を考えて⋯?のお話を。
また、後半は続編のその後のお話を更新しております。
《2023.1.1》
2人のその後の連載を始めるべくキャラ紹介を追加しました(キャサリン主人公のスピンオフが別タイトルである為)
こちらもどうぞよろしくお願いいたします。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜
紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。
連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる