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第1章出会い
ライザは悪役令息と対面した
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地下に続く階段を降りたかと思ったら、次は直ぐに登りの階段が続いていた。
(まさかの一本道。迷わなくて良いけど。)
そしてこの後、何であの爺やでも燃えさかる炎の中助け出す事が可能だったのかをライザは知る事になる。
直ぐに見えてきた出口に手を伸ばして、ガチャリと開けると、そこは公爵家の憩いの場だった筈の場所。
けれど、目の前に広がる光景に、ライザは口を覆った。
広がった炎により木造の建物が崩れはじめている中。
辺りに飛び散る血痕と、殺傷された使用人達の亡骸。
真ん中には同じく殺傷されたであろう公爵家の愛犬とー…
アウステル公爵とその夫人と思わしき人が、うつ伏せに重なって倒れている。その隙間からはおびただしい血と共に、子供の足が見えている。
(……っっ。間違いない、あそこに…いるのが。
後の悪役令息にして
次期アウステル公爵 ルイス・ネヴァキエル。)
彼のルートは初期には無くて、他の攻略対象者とのイベントでヒロインを攫ったり当て馬をしていたが、イケメン過ぎなのと女性受けの良い、闇を抱えつつも主人公に優しいという悪人の魅力的コラボレーションによりて後々攻略対象に追加された。
しかも、主要攻略対象よりも人気が出た。そんな彼の過去をリアルにするとこんな悲惨な物だとは…。やっぱり悪役は悪役になるだけの過去を持つという事なのかな…。
まだ彼は目を覚ましていない。
今のうちに運び出して、爺やに届けなければ。
上に乗っかっているご両親をゆっくりと引き離す。
一応脈は見てみようとしたけれど、2人ともざっくりと袈裟斬りにされているのが、少し動かしただけでわかった。おびただしい血はそのせいだ。
(やった人は相当…恨みがあったのかしら。)
ライザは小刻みに震える手を、何とか抑えて2人の亡骸を動かすと、下からは夫妻の血により衣服が赤く染まり、顔にも血痕が付着してしまっている悪役令息がいた。
このまま目を覚ましたのなら、確かに忘れられないトラウマ間違い無しだ。
(今、気を失っているうちにー……)
そう思った所で、悪役令息の瞼がピクリと動き、ゆっくりと開かれて行くのがわかる。
「……っ!」
悪役令息の開かれた瞳にライザは息をのんだ。
頭をもたげながらその身をゆっくりと起こす様を凝視していると、ギベオンの髪から血を滴らせ、血痕飛び散るその状況すら装飾品と思わせる程に整った顔立ちをこちらにむけた。
そして、この世のものとは思えない程に美しいカイヤナイトの大きな瞳と目が合った。
(まさかの一本道。迷わなくて良いけど。)
そしてこの後、何であの爺やでも燃えさかる炎の中助け出す事が可能だったのかをライザは知る事になる。
直ぐに見えてきた出口に手を伸ばして、ガチャリと開けると、そこは公爵家の憩いの場だった筈の場所。
けれど、目の前に広がる光景に、ライザは口を覆った。
広がった炎により木造の建物が崩れはじめている中。
辺りに飛び散る血痕と、殺傷された使用人達の亡骸。
真ん中には同じく殺傷されたであろう公爵家の愛犬とー…
アウステル公爵とその夫人と思わしき人が、うつ伏せに重なって倒れている。その隙間からはおびただしい血と共に、子供の足が見えている。
(……っっ。間違いない、あそこに…いるのが。
後の悪役令息にして
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しかも、主要攻略対象よりも人気が出た。そんな彼の過去をリアルにするとこんな悲惨な物だとは…。やっぱり悪役は悪役になるだけの過去を持つという事なのかな…。
まだ彼は目を覚ましていない。
今のうちに運び出して、爺やに届けなければ。
上に乗っかっているご両親をゆっくりと引き離す。
一応脈は見てみようとしたけれど、2人ともざっくりと袈裟斬りにされているのが、少し動かしただけでわかった。おびただしい血はそのせいだ。
(やった人は相当…恨みがあったのかしら。)
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このまま目を覚ましたのなら、確かに忘れられないトラウマ間違い無しだ。
(今、気を失っているうちにー……)
そう思った所で、悪役令息の瞼がピクリと動き、ゆっくりと開かれて行くのがわかる。
「……っ!」
悪役令息の開かれた瞳にライザは息をのんだ。
頭をもたげながらその身をゆっくりと起こす様を凝視していると、ギベオンの髪から血を滴らせ、血痕飛び散るその状況すら装飾品と思わせる程に整った顔立ちをこちらにむけた。
そして、この世のものとは思えない程に美しいカイヤナイトの大きな瞳と目が合った。
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