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第3章学園入学
3人目
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翌日学校に行くと、ルイスは休みだった。魔力の枯渇による発熱は身体的負担が大きい事から医者から休むよう指示されたようだ。
それでも、週末の1日だけは登校してきた。
あの日、不安に魘されているルイスの顔を見たせいか、ライザはもう逃げようとは微塵も思わなかった。
これ以上ライザが逃げたら、何だか凄く無茶な事をする気がして心配が勝ったのだ。
そのまま休日もいつも通り公爵家へ遊びに来られるのが心配だったので前もってゆっくり休むように念を推すと、ルイスは素直に「わかった。」と言って何故か嬉しそうに頷いてくれた。
まぁ、休日公爵家に来て欲しく無いのは、其れだけが理由では無いのだけれどー…。
────
──────────
「御招き頂き、有難うございます。」
そう、私はこの休日、ヒロインであるイリンのお茶会に招待されているのだ。
招待状と言うより、仲の良い友人にあてるような手紙の内容で、相談したい事があるとの事だった。
実はもう1人、ヒロインのお友達を呼んでいるらしい。
2人で会うよりも3人目がいた方が、万が一行き違いによる濡れ衣発生を防止する為に良いと考えたので、親しくも無いご令嬢が居てもらえる事はかえって都合が良いと思えた。
「お忙しい中、お越し頂き有難うございます。」
丁寧に歓迎の意を告げられてライザは心内で呟く。
ーーそりゃあ、久々のヒロインからの接触だもの。習い事もM&Aに特化した顧問弁護士、税理士探しも後回しにするわよ。
ヒロインとは話したい事が沢山ある。
嫌がらせの犯人と思われたままも嫌だし。
第2王子は屋上で約束したと言うのに引続きヒロインと仲良くしている。
どう言う事か問い詰めようと思ったが、皇太子の警告により感情的に第2王子に詰め寄ると碌な事がない可能性があると踏んだところ、残された手段は1つだ。
ヒロインの方にに第2王子に近付かないよう釘をさす。
ーーいや、この際、それは一旦置いとく方が良いかしら。今言うと話をややこしくしそうだわ。
(まずは、ヒロインからの信頼を得てからで無いと…)
誘われた会場には、まだもう1人のお友達は来ていなかった。
「まだ、ご友人は来ていないのですね。」
それでも、週末の1日だけは登校してきた。
あの日、不安に魘されているルイスの顔を見たせいか、ライザはもう逃げようとは微塵も思わなかった。
これ以上ライザが逃げたら、何だか凄く無茶な事をする気がして心配が勝ったのだ。
そのまま休日もいつも通り公爵家へ遊びに来られるのが心配だったので前もってゆっくり休むように念を推すと、ルイスは素直に「わかった。」と言って何故か嬉しそうに頷いてくれた。
まぁ、休日公爵家に来て欲しく無いのは、其れだけが理由では無いのだけれどー…。
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──────────
「御招き頂き、有難うございます。」
そう、私はこの休日、ヒロインであるイリンのお茶会に招待されているのだ。
招待状と言うより、仲の良い友人にあてるような手紙の内容で、相談したい事があるとの事だった。
実はもう1人、ヒロインのお友達を呼んでいるらしい。
2人で会うよりも3人目がいた方が、万が一行き違いによる濡れ衣発生を防止する為に良いと考えたので、親しくも無いご令嬢が居てもらえる事はかえって都合が良いと思えた。
「お忙しい中、お越し頂き有難うございます。」
丁寧に歓迎の意を告げられてライザは心内で呟く。
ーーそりゃあ、久々のヒロインからの接触だもの。習い事もM&Aに特化した顧問弁護士、税理士探しも後回しにするわよ。
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ーーいや、この際、それは一旦置いとく方が良いかしら。今言うと話をややこしくしそうだわ。
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「まだ、ご友人は来ていないのですね。」
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