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第3章学園入学
前世の私と嘘吐き高校生男子との出会い2※サイコ王子嫌いな人は閲覧注意
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私は、社長に気に入られて、社長宅に呼び出されることは増えた。伯母も資産運用をしていたので、社長宅に呼ばれると運用状況を聞かれたり、追加購入のために話しかけてきたり。
避けては通れない顧客だった。
数字で足りない項目があると、〝融資をやって欲しい、お願いします〟といったお願いを億単位で聞いてくれる先であり、資産運用に回している額共々大きい。
明らかに支店のメイン先の1つ。
手持ちの案件先の中でトップ3に入る。融通面でいくと、ヘタをするとトップだ。
外して回ることはあり得ない。
お陰様で数字は取れていたので、多少サボっていても問題にならず、ー…サボりと言うより、私にとっては必要な儀式として、社長宅に行く前は、伯母がいない事を祈りながら公園で胃薬を飲むことが日課になっていた。
そんな私に、会う度毎回話しかけてくる男の子が居た。
巫山戯ているのか、能天気なのか。とにかく間の抜けた調子で話しかけてくる男の子と話して居るのは楽で、気付けば何の警戒心も無く、何も考えずに話せるようになっていた。
それは彼が、私の私生活にも職場にも全く関係しておらず、この30分程度、憂鬱な時間を紛らわせる為だけに存在していたから。
気が楽だった。
何を言っても、私の生活にはなんの関係もない。連絡先も知らない。
そんな人に、言い捨てたいことだけを語れるのは、とても、気が楽で。
なのに、私には必要な時間となっている。側から見ても、自分から見ても、とても不思議な関係だった。
♢♢♢
「お姉さん、連絡先教えてよ」
「いやよ」
「何で?こんなに話してるのに」
「…うーん、貴方は未成年で、私は成人なのね。こうして昼間から話をしてるのも幅かられるのに。これ以上は嫌よ」
「そんなこと言って、俺が癒しになってるくせに?」
「そうね。貴方が人生適当なのを見て居るお陰で、私は気が紛れるわね。だけど、貴方とは此処だけで話す関係だから、心地良いのよ」
「…お姉さんを見ていると、凄く生きづらそうに見える」
「ほっといて欲しいわね、大人には色々あるのよ」
「大人の割に、恋愛経験は俺より少ないんでしょ?」
「それこそ、大きなお世話だわ」
「お勧めした恋愛シミュレーションゲーム楽しかったでしょ?良いリハビリになるかと思ったんだけど」
「…貴方の妹がやっててお勧めって、嘘なの?」
「んー、俺の妹とは言ってないから、嘘ではないかも?」
「…ー前から思ってたけど、貴方嘘が多いわね。本当のことを私に言ったことある?
そんなんじゃこれから大人になったときー……」
私は、言葉の続きを遮られた。
唇に当たった柔らかい感触に驚いて、何度か目を瞬かせて固まっている私に、高校生の男の子は何事も無かったように、にこりと笑った。
「ねぇ、たまにはその辺にいる女の子みたいにさ、普通に恋をしてみたら?
ーー例えば、そうだね。
俺とか どう?」
この時、それが私の人生最悪の出会いになるとは、思ってもいなかった。
ーーー
ーーーーーー
避けては通れない顧客だった。
数字で足りない項目があると、〝融資をやって欲しい、お願いします〟といったお願いを億単位で聞いてくれる先であり、資産運用に回している額共々大きい。
明らかに支店のメイン先の1つ。
手持ちの案件先の中でトップ3に入る。融通面でいくと、ヘタをするとトップだ。
外して回ることはあり得ない。
お陰様で数字は取れていたので、多少サボっていても問題にならず、ー…サボりと言うより、私にとっては必要な儀式として、社長宅に行く前は、伯母がいない事を祈りながら公園で胃薬を飲むことが日課になっていた。
そんな私に、会う度毎回話しかけてくる男の子が居た。
巫山戯ているのか、能天気なのか。とにかく間の抜けた調子で話しかけてくる男の子と話して居るのは楽で、気付けば何の警戒心も無く、何も考えずに話せるようになっていた。
それは彼が、私の私生活にも職場にも全く関係しておらず、この30分程度、憂鬱な時間を紛らわせる為だけに存在していたから。
気が楽だった。
何を言っても、私の生活にはなんの関係もない。連絡先も知らない。
そんな人に、言い捨てたいことだけを語れるのは、とても、気が楽で。
なのに、私には必要な時間となっている。側から見ても、自分から見ても、とても不思議な関係だった。
♢♢♢
「お姉さん、連絡先教えてよ」
「いやよ」
「何で?こんなに話してるのに」
「…うーん、貴方は未成年で、私は成人なのね。こうして昼間から話をしてるのも幅かられるのに。これ以上は嫌よ」
「そんなこと言って、俺が癒しになってるくせに?」
「そうね。貴方が人生適当なのを見て居るお陰で、私は気が紛れるわね。だけど、貴方とは此処だけで話す関係だから、心地良いのよ」
「…お姉さんを見ていると、凄く生きづらそうに見える」
「ほっといて欲しいわね、大人には色々あるのよ」
「大人の割に、恋愛経験は俺より少ないんでしょ?」
「それこそ、大きなお世話だわ」
「お勧めした恋愛シミュレーションゲーム楽しかったでしょ?良いリハビリになるかと思ったんだけど」
「…貴方の妹がやっててお勧めって、嘘なの?」
「んー、俺の妹とは言ってないから、嘘ではないかも?」
「…ー前から思ってたけど、貴方嘘が多いわね。本当のことを私に言ったことある?
そんなんじゃこれから大人になったときー……」
私は、言葉の続きを遮られた。
唇に当たった柔らかい感触に驚いて、何度か目を瞬かせて固まっている私に、高校生の男の子は何事も無かったように、にこりと笑った。
「ねぇ、たまにはその辺にいる女の子みたいにさ、普通に恋をしてみたら?
ーー例えば、そうだね。
俺とか どう?」
この時、それが私の人生最悪の出会いになるとは、思ってもいなかった。
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