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一章 純愛…ルート
僕の知らない僕
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今日もギノフォード先生と秘密の訓練をする予定だけど、ライアン様に報告してからにしよう。
心配してくれるのは嬉しいけど、不安な思いはして欲しくないもん。
放課後ライアン様のクラスに急いで向かい、今日もギノフォード先生と魔法の訓練をすることを告げた。
「俺も一緒に行く。」
「ん?僕の魔法は初歩の初歩だからライアン様には面白くないよ?」
「シャルが真面目にやってる姿を見たい。」
「僕?ふふ、うん。」
ライアン様の胸のうちにまだ少し疑念があるとは全くもって考えてなくて、単純に一緒にいられることに浮かれていた。
手を繋いで鍛錬場に向かう間もスレ違う人達には振り向かれたり「ぇっ?」という声を聞いた。
なんだか最近ライアン様に触れてないと不安な気持ちになる。
僕ってライアン様の事大好きなんだなぁ。
「ライアン様は何属性ですか?」
「俺は火と雷、風と土だ」
「すごいっ四つも?」
「あぁ。」
「わぁ、ライアン様の魔法見てみたい。」
四つもなんて、何が出来るのか僕には未知の世界だ。
「あぁ。」
「いいの?」
「あぁ。」
嬉しい。
Fクラスなので授業でもすごい魔法を見る機会は全く無く、先生達も気を使ってなのかあまり魔法を使うことがなかった。
僕が今まで見てきたのは自分で作った小さな水溜まりと心地よい風くらいと、試験の時に隣の子が作った火くらいだった。
他は見たこと無いなぁ。
魔法の世界なのに。
そんなことを考えたいれば鍛錬場についた。
ライアン様と一緒だと時間が早く過ぎてしまう。
鍛練場には既にギノフォード先生がいた。
「おやっ、今日はサンチェスターも一緒ですか?」
「はぃっ…フフフ。」
嬉しくて笑顔が押さえられない。
「俺は見学しても良いですか?」
「構いませんよ、フィンコックは嬉しそうですね。」
「はいっ」
「それでは昨日と同じことをしてみましょう…今日は体調どうですか?」
「バッチリです。」
僕はライアン様が側にいるという浮かれた気持ちを沈め集中する。
ライアン様にも見られているからちゃんとしないと。
まず全身の魔力を想像する。
本や先生には「魔力の流れを感じること」と聞いたが、その流れを感じることさえ出来ない僕は自分で想像することしかなかったが、きっと魔力は血液のように流れているに違いないと考えた。
その魔力を掌に集めて片方を水に、もう片方を風と更に想像する。
魔法は想像力が大事だと思う。
「妄想大好きの僕ならきっと出来る」と自分に言い聞かせ自信をつけた。
離れた位置にライアン様とギノフォード先生が僕を見守りながら会話をしていた。
風魔法を使い、僕に二人の会話が届かないようにしていた。
僕には技術もないがどんな魔法があるのかも知らない事が多い。
「シャルはいつもあんな顔で訓練してるんですか?」
魔力に集中するあまり自分の姿まで気が回らずにいた。
目を瞑って邪念を捨て必死に体内から魔力を具現化することに夢中で、呼吸もままならず口を開け額に汗を浮かべ微かに吐息まで聞こえていた。
「えぇ、そうですね。」
「……。」
「フィンコックは真面目に一生懸命ですから、そのようなことを言ってしまえば集中出来なくなる恐れがありますので我慢してくださいね。」
「……はぃ…」
「昨日フィンコックと訓練をしました。その後彼は平気でしたか?」
「…はい。」
「彼の様子はどうでしたか?」
「…様子ですか?」
「フィンコックには伝えませんでしたが、彼の魔力量はFクラスの平均よりかなり低いです。一人で訓練させるのは危険な程、魔法を行う際は必ず周囲に誰かいることを確認してから行うように伝えた方がいいでしょう。」
「アイツそんなに無いんですか?」
「サンチェスターが考えているより遥かに少ないです…君からすると無いに等しいでしょうね。」
「………。」
「フィンコックは本当は魔法が好きだと話してくれました。話を聞いていると、こっそり訓練していたかもしれませんね。ですかそれは危険です。昨日は途中で止めさせましたが部屋で倒れたりはしませんでしたか?」
「倒れ…はしませんでした…部屋に入る際、足が縺れたりはしてましたが…。」
「…そうですか。」
「魔力は使えば多少増えるんですがフィンコックの場合魔力量は変わらない、下手をすると減少しているようにも感じます。身体に何らかの原因がある可能性も考えられます。なので今後フィンコックは放課後定期的にここで魔法の訓練を行いつつ原因を探っていきますので、あまり恐い顔で私を睨まないでくださいね。」
「……はい。」
二人の会話に気付くことなく僕は二種類の魔法を同時に発動をさせるという魔法に集中していた。
心配してくれるのは嬉しいけど、不安な思いはして欲しくないもん。
放課後ライアン様のクラスに急いで向かい、今日もギノフォード先生と魔法の訓練をすることを告げた。
「俺も一緒に行く。」
「ん?僕の魔法は初歩の初歩だからライアン様には面白くないよ?」
「シャルが真面目にやってる姿を見たい。」
「僕?ふふ、うん。」
ライアン様の胸のうちにまだ少し疑念があるとは全くもって考えてなくて、単純に一緒にいられることに浮かれていた。
手を繋いで鍛錬場に向かう間もスレ違う人達には振り向かれたり「ぇっ?」という声を聞いた。
なんだか最近ライアン様に触れてないと不安な気持ちになる。
僕ってライアン様の事大好きなんだなぁ。
「ライアン様は何属性ですか?」
「俺は火と雷、風と土だ」
「すごいっ四つも?」
「あぁ。」
「わぁ、ライアン様の魔法見てみたい。」
四つもなんて、何が出来るのか僕には未知の世界だ。
「あぁ。」
「いいの?」
「あぁ。」
嬉しい。
Fクラスなので授業でもすごい魔法を見る機会は全く無く、先生達も気を使ってなのかあまり魔法を使うことがなかった。
僕が今まで見てきたのは自分で作った小さな水溜まりと心地よい風くらいと、試験の時に隣の子が作った火くらいだった。
他は見たこと無いなぁ。
魔法の世界なのに。
そんなことを考えたいれば鍛錬場についた。
ライアン様と一緒だと時間が早く過ぎてしまう。
鍛練場には既にギノフォード先生がいた。
「おやっ、今日はサンチェスターも一緒ですか?」
「はぃっ…フフフ。」
嬉しくて笑顔が押さえられない。
「俺は見学しても良いですか?」
「構いませんよ、フィンコックは嬉しそうですね。」
「はいっ」
「それでは昨日と同じことをしてみましょう…今日は体調どうですか?」
「バッチリです。」
僕はライアン様が側にいるという浮かれた気持ちを沈め集中する。
ライアン様にも見られているからちゃんとしないと。
まず全身の魔力を想像する。
本や先生には「魔力の流れを感じること」と聞いたが、その流れを感じることさえ出来ない僕は自分で想像することしかなかったが、きっと魔力は血液のように流れているに違いないと考えた。
その魔力を掌に集めて片方を水に、もう片方を風と更に想像する。
魔法は想像力が大事だと思う。
「妄想大好きの僕ならきっと出来る」と自分に言い聞かせ自信をつけた。
離れた位置にライアン様とギノフォード先生が僕を見守りながら会話をしていた。
風魔法を使い、僕に二人の会話が届かないようにしていた。
僕には技術もないがどんな魔法があるのかも知らない事が多い。
「シャルはいつもあんな顔で訓練してるんですか?」
魔力に集中するあまり自分の姿まで気が回らずにいた。
目を瞑って邪念を捨て必死に体内から魔力を具現化することに夢中で、呼吸もままならず口を開け額に汗を浮かべ微かに吐息まで聞こえていた。
「えぇ、そうですね。」
「……。」
「フィンコックは真面目に一生懸命ですから、そのようなことを言ってしまえば集中出来なくなる恐れがありますので我慢してくださいね。」
「……はぃ…」
「昨日フィンコックと訓練をしました。その後彼は平気でしたか?」
「…はい。」
「彼の様子はどうでしたか?」
「…様子ですか?」
「フィンコックには伝えませんでしたが、彼の魔力量はFクラスの平均よりかなり低いです。一人で訓練させるのは危険な程、魔法を行う際は必ず周囲に誰かいることを確認してから行うように伝えた方がいいでしょう。」
「アイツそんなに無いんですか?」
「サンチェスターが考えているより遥かに少ないです…君からすると無いに等しいでしょうね。」
「………。」
「フィンコックは本当は魔法が好きだと話してくれました。話を聞いていると、こっそり訓練していたかもしれませんね。ですかそれは危険です。昨日は途中で止めさせましたが部屋で倒れたりはしませんでしたか?」
「倒れ…はしませんでした…部屋に入る際、足が縺れたりはしてましたが…。」
「…そうですか。」
「魔力は使えば多少増えるんですがフィンコックの場合魔力量は変わらない、下手をすると減少しているようにも感じます。身体に何らかの原因がある可能性も考えられます。なので今後フィンコックは放課後定期的にここで魔法の訓練を行いつつ原因を探っていきますので、あまり恐い顔で私を睨まないでくださいね。」
「……はい。」
二人の会話に気付くことなく僕は二種類の魔法を同時に発動をさせるという魔法に集中していた。
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