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二章 ハーレムルート

アレックスとの結婚

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ライと過ごした一ヶ月が終わり僕はフィンコック家の領地へと向かっている。

アレックスは侯爵家の次男で爵位も領地も全てお義兄様が継いでいたのでフィンコック家の領地で行う。
王都でも良かったんだけど、そうなると沢山のお客様を呼ぶ必要があると言われ逃げるように僕は領地を選んだ。

サンチェスター伯爵家を出る前にライの服をこっそり持っていこうとしたら見つかり、取り上げられてしまった。
馬車での時間を一人で過ごすのは辛いと思い直前までライが着ていたのをバレずに隠していたのに…。

「これはダメだっ。」

「ふにゃ…」

「馬車の中からシャルはギノフォード先生の嫁として行くんだ。」

「……はぃ。」

…確かにそうだ。

もし、迎えてくれたアレックスに僕がライの服を嗅いでいる所を観たらいい気分はしないだろう。
納得しながらライに服を返すも淋しくて分かれる間際ライと何時までもキスをしていた。

名残惜しくもライから背中を押され馬車に乗り込み窓に手を着き別れを惜しんだ。

独りぼっちの移動中はやはり悲しい。

一人は慣れずアレックスの嫁となるべく気持ちを切り替える。
アレックスとの事を考えるもたどり着くのはエッチな事だった。
そう言えば、アレックスからも一人エッチを習った事を思い出した。
目を瞑ってアレックスを思い出しながらズボンの中に手を入れてしまった。
純潔を証明するためのなのに馬車の中で僕の身体は淫乱に目覚めていき、少しの刺激では満足せず胸に手を伸ばした。

アレックスの手を思い出しながら触るもなんか違う。

もっと…もっと…。

指を口の中で舐めて舌を刺激するもキスとは違う刺激に妄想から現実に引き戻され必死に妄想の中へ飛び込むも全然ダメで、僕は一人エッチの才能がないことを実感する。

もっと…強いのが欲しい…。

いけないことなのに、揺れる馬車の中で僕はもっと刺激が欲しくて奥に手を回した。
プチュっ入って動かすもあの気持ち良さには届かない。
指を増やしても変わることがなく焦れったくなり自身の胸を抓っていた。
公爵家の領地に着くまでの何時間、僕は自分自身で焦らして地獄を味わってしまった。
今扉を開かれたらアレックスじゃなくても受け入れてしまいそうだった。
誰にも開けて欲しくないのに誰か来て欲しいと願っていた。

エッチしたい…。

こんこんこん

「…んにゃ?」

僕はいつの間にか眠って?気絶してしまったのかもしれない。
馬車は止まっていて公爵領に着いていて、施錠を解きアレックスを待った。

やっとエッチ出来る…。

ガチャ

「ルゥ…」

「アレックス」

手を伸ばしてキスを求め漸く人の温もりを感じることが嬉しく、首に腕を回し誘うように倒れた。

「ルゥ?ここでするつもりですか?」

「我慢できないよっ」

「…まさか一人エッチしながら来たんですか?」

バレてしまった…でも…何故?

「………。」

「良いですか?これから新婦に触れることが出来るのは婚約者だけで、結婚式三日前から禁欲するのが習わしです。」

「…ふにゃ、我慢したくない…我慢嫌いっ。」

「禁欲が始まるのは四日後ですから部屋に行ったらたっぷりしましょう。」

そっか、まだ禁欲期間じゃないんだ良かった。

「うん、今すぐしてっ」

「…したいですか、公爵夫妻とドミニク様が外で待ってますよ。」

「…ふぇっお父様達がっ」

「当たり前です。ここはフィンコック家の領地で七日後にルゥの結婚式なんですから。」

「………。」

「身なりを整えてください。」

アレックスは僕に洗浄魔法を掛けて一人エッチの痕跡を消してくれ、僕は服の乱れを直しアレックスの腕に抱っこされ馬車を降りた。

「シャル」

「お帰り。」

「シャル身体は大丈夫か?」

お父様、お母様、お兄様が出迎えてくれていた。

「ただいまです。お父様、お母様、お兄様、僕は大丈夫です。」

公爵領は僕にとって初めての場所で見慣れない。

使用人の案内で僕とアレックスは近い部屋が用意されている。
僕はお父様の「疲れているようだから休みなさい」と言われアレックスと僕の部屋で寛いだ。
沢山沢山身体を解してもらって夕食にはちゃんと遅れることなく出席したが、その後は勿論アレックスと仲良くした。
三日分しておかなければと僕はアレックスを離すことをしなかった。

それでも結婚式三日前は拷問のようだった。

気付けば三日してなかったのなら平気だが、これから三日間は出来ませんと宣言されると身体は疼くしその事に囚われてしまう。

三日間しちゃダメって言うのは人間の結婚式の仕来たりであって、獣人の僕にはしちゃダメって言うのは辛すぎる。

皆知らないから我慢しなさいって簡単に言うけど、獣人にとっては四日間で限界来るのを三日我慢しなさいは油断したらフェロモン出ちゃうのに…。

何とか結婚式までフェロモンを出すことはなかった。

皆に見守られながらの結婚式は幸せで、式が終われば僕達は夫婦の寝室に入り幸せな時間を過ごした。
今日がアレックスとの初夜なんだと思うと、それだけで神聖なものに感じる。
新婚の時間を邪魔するものはなく、アレックスを受け入れ続けた。

そして、僕の身体に変化が起きた。

赤ちゃんを授かった。

身体の奥が魔力を欲しているのが分かる。
アレックスは魔法省が欲するほどの人材、技術も魔力量もトップクラス。
そんな人の赤ちゃんもまたかなりの魔力を欲していた。
アレックスが僕に魔力を与えてくれるのだが貰った途端に消えていく。

魔力の流れが早くて呼吸が荒くなり座っているだけなのに眩暈を感じる。

身体が落ち着いた頃にはかなりの汗をかき、普段ならアレックスが洗浄魔法を掛けてくれていたが今は魔力を赤ちゃんに送ることを優先していたため互いに汗ばんでいた。
アレックスの首筋を流れる汗に色気を感じて怠い身体なのに本能には逆らえず流れる汗を舐めとっていた。

「擽ったいですね。」

「ふっんふっぅんん」

からかわれても舐めるのをやめられない。

「激しい運動は出来ませんよ?」

「ふにゃぁ」

不満な声を出してもしてくれずキスまでだった。

「ここに私の子が宿っているんですね。」

下腹部を撫でられると赤ちゃんにも伝わりそう…けど、僕にも…。

「エッチしたい…。」

「…ふふっ。私も我慢してます。赤ちゃんが無事に生まれたらしましょうね。」

「あっんんっんあんんやっ…アレックス」

出産が近いからか僕の胸から母乳が溢れアレックスに飲まれていく。

「…意地悪ぅ…はぁあん…エッチしたいよっ」

気持ち良いマッサージをされながら飲まれればエッチな気分になっちゃうのに、分かってないよ。
数日も生殺し状態を味わいフェロモンを暴走させないよう必死だったのにお風呂でも全身を隈無く洗われれば、焦らされているとしか思えなかった。
唇へのキスだけが救いだったが、僕は快感だけをもらっていたつもりでも知らないうちに魔力も沢山もらっていたみたいでアレックスも大変だったのを後から知った。

キスから沢山の魔力が渡るならエッチならもっともらえるんじゃないかな?それは僕の願望?

二回目の出産だが僕は緊張していた。
今回はお父様も立ち会い、お母様お兄様三人に見守られアレックスの子を生んだ。
赤ちゃんは無事に生まれるも魔力の往き来が激し過ぎたのか僕は気絶してしまった。
皆に心配を掛けてしまったのは申し訳なかったが、目覚めて初めてアレックスとの赤ちゃんに会った時は感動した。
アレックスとの子はアレックスの髪と瞳の色を受け継いる。
早馬で知らされたアレックスの家族も到着しお祝いの言葉をいただいた。
アデルバード様は僕がアレックスに支えられないと起き上がれないと知ると、手を繋いで励ましてくれた。

「アデルバード様、僕の赤ちゃんと仲良くしてくれますか?」

「勿論です。フィンコック様の赤ちゃんは僕が守ります。」

「ありがとうございます。」

その後はずっとアデルバード様から「早く良くなれ良くなれ」と手から念を送られ、そんな姿が愛おしかった。
嬉しくてアデルバード様を抱きしめたいのに身体が動いてくれない。

お医者様に僕の身体はおかしいのか尋ねたら「運動不足です。」と冷酷に言われた。

「…運動…」

「運動不足。」

二回言われた。

確かに運動と言う運動は最近全くしていなかった。
魔力が無いとか、赤ちゃんを生みにくい身体だった、等ではなく純粋に僕の体力の無さから来るものだったらしい。

その事実に皆に、心配を掛けてしまいごめんなさい…と心の中で謝罪した。

体力が戻ってからは赤ちゃんを抱っこしながら散歩を心掛け動くようにした。
赤ちゃんが生まれたことを聞いた皆がお祝いに来てくれ、それから一ヶ月半は赤ちゃんのお母さんをする事ができた。
周囲の協力がありお母さんをしながらアレックスとも過ごすことが出来、充実していた。
アレックスとの子供の名前も決まり手形と足形も取ることに成功した…。

子供の名前はアリエル、かわいい名前。

そして、アレックスと過ごした時間がもうすぐ二ヶ月になろうとしている。
僕は公爵家に赤ちゃんとアレックスを残しエドの領地へと向かう事に…。
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