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六章 オネエの騎士に溺愛されています
105.マコとマコトとそれからマーコ-2
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カイラは目の端を赤くして、少し気まずそうにもごもごと答えた。
「んん、まだ公に発表されてないからここだけの話にして欲しいのだけれど……シルヴィに子どもができて」
「……えぇ!! お、おめでとうございます」
「カイラ……おめでとう……」
真子とアレクサンドラが驚きを顔に浮かべてカイラを見つめる。
「シルヴィア様も抜けて人手不足だから、近々魔術士団から何人か魔術騎士を募ることになりそうよ~」
楽しそうなジェーンの説明に真子が首を傾げる。
「シルヴィア様、なの?」
「そうね。本来なら様付けしなきゃいけなかったんだけど、団員同士のうちは敬語はいらないって話だったの。でもシルヴィア様は魔術士騎士団もお辞めになって、今後は子育てとミラーシアの王子としての公務に集中なさるから、これからの呼び名はシルヴィア様ね」
「うぅ、名前のルール難しい」
「マコは好きに呼んで良いわよ。シルヴィはマコからの様付けなんて望んでないから」
カイラはそう言うと、アレクサンドラと魔術騎士団の引き継ぎについてあれこれ話し始めた。
真子はジェーンとマリーベルに色々と聞いてみた。
「カイラさん、さっきシルヴィアさんのこと特別な名前で呼んでたね」
「今までは一応許されない関係だったからね。二人きりの時以外は呼ばないようにしていたのよ。まぁ、私たちの前じゃたまに呼んじゃっていたけど」
「なんで急にこんな話になったの? ……やっぱりシルヴィアさんが押し倒したの?」
真子はかつてのシルヴィアの様子を思い出して、小声で尋ねる。
「くくっ。まぁそんな感じなんだけどね」
笑って答えられないジェーンに代わってマリーベルが説明する。
「マコちゃんを探している時に、王様や大臣の方々が祈りの部屋に視察に来る時があって、ちょうどその時魔力を使いすぎてふらついたカイラ団長がシルヴィア様を押し倒しちゃって、それを見られて責任取る取らないの話になったみたい」
「それ、絶対シルヴィア様がわざとやったのよ」
ジェーンの突っ込みに、真子もそんな気がして思わずうなずく。
それにしても……と真子が疑問を口にする。
「でもさ、シルヴィアさんとカイラさんって同じ部屋に泊まっていたよね?」
今更ちょっと押し倒したくらいで問題になるの? と真子は不思議に思った。
「あれは公にはシルヴィア様が一人部屋に泊まっていることになっていたから」
マリーベルが笑いながら人差し指を口に当て、シーッと内緒のジェスチャーをする。
「へぇ~」
「まぁ、そんなこんなで、シルヴィア様のカイラ団長への想いも有名だったし、王家がようやく折れて二人の仲を認めたんだよね」
「認められたと思ったらすぐコレでしょ。さすが長年拗らせていただけあってカイラ団長はやることが早いわね~」
ジェーンがケラケラと目に涙を溜めながら笑うと、真子に向かって忠告した。
「まぁどっかの護衛騎士様も色々拗らせているから、マコも気をつけてね」
「ジェーン……。アタシの訓練は魔術騎士団と一緒にやるって知っているかしら?」
アレクサンドラがジェーンの背後から肩を掴んでにらみつけた。
ジェーンはわざとらしくアレクサンドラから目を逸らした。
「んん、まだ公に発表されてないからここだけの話にして欲しいのだけれど……シルヴィに子どもができて」
「……えぇ!! お、おめでとうございます」
「カイラ……おめでとう……」
真子とアレクサンドラが驚きを顔に浮かべてカイラを見つめる。
「シルヴィア様も抜けて人手不足だから、近々魔術士団から何人か魔術騎士を募ることになりそうよ~」
楽しそうなジェーンの説明に真子が首を傾げる。
「シルヴィア様、なの?」
「そうね。本来なら様付けしなきゃいけなかったんだけど、団員同士のうちは敬語はいらないって話だったの。でもシルヴィア様は魔術士騎士団もお辞めになって、今後は子育てとミラーシアの王子としての公務に集中なさるから、これからの呼び名はシルヴィア様ね」
「うぅ、名前のルール難しい」
「マコは好きに呼んで良いわよ。シルヴィはマコからの様付けなんて望んでないから」
カイラはそう言うと、アレクサンドラと魔術騎士団の引き継ぎについてあれこれ話し始めた。
真子はジェーンとマリーベルに色々と聞いてみた。
「カイラさん、さっきシルヴィアさんのこと特別な名前で呼んでたね」
「今までは一応許されない関係だったからね。二人きりの時以外は呼ばないようにしていたのよ。まぁ、私たちの前じゃたまに呼んじゃっていたけど」
「なんで急にこんな話になったの? ……やっぱりシルヴィアさんが押し倒したの?」
真子はかつてのシルヴィアの様子を思い出して、小声で尋ねる。
「くくっ。まぁそんな感じなんだけどね」
笑って答えられないジェーンに代わってマリーベルが説明する。
「マコちゃんを探している時に、王様や大臣の方々が祈りの部屋に視察に来る時があって、ちょうどその時魔力を使いすぎてふらついたカイラ団長がシルヴィア様を押し倒しちゃって、それを見られて責任取る取らないの話になったみたい」
「それ、絶対シルヴィア様がわざとやったのよ」
ジェーンの突っ込みに、真子もそんな気がして思わずうなずく。
それにしても……と真子が疑問を口にする。
「でもさ、シルヴィアさんとカイラさんって同じ部屋に泊まっていたよね?」
今更ちょっと押し倒したくらいで問題になるの? と真子は不思議に思った。
「あれは公にはシルヴィア様が一人部屋に泊まっていることになっていたから」
マリーベルが笑いながら人差し指を口に当て、シーッと内緒のジェスチャーをする。
「へぇ~」
「まぁ、そんなこんなで、シルヴィア様のカイラ団長への想いも有名だったし、王家がようやく折れて二人の仲を認めたんだよね」
「認められたと思ったらすぐコレでしょ。さすが長年拗らせていただけあってカイラ団長はやることが早いわね~」
ジェーンがケラケラと目に涙を溜めながら笑うと、真子に向かって忠告した。
「まぁどっかの護衛騎士様も色々拗らせているから、マコも気をつけてね」
「ジェーン……。アタシの訓練は魔術騎士団と一緒にやるって知っているかしら?」
アレクサンドラがジェーンの背後から肩を掴んでにらみつけた。
ジェーンはわざとらしくアレクサンドラから目を逸らした。
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