いつか死ぬのだから

ひゅん

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時間

時間の経過

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  時間が経過する。それは硬い鉄に熱を加えて、だんだん溶解していくと人の手で叩いて少しずつ鉄が変化していくように、時間の経過で物事も変化していく。すべての時間は過ぎ去らなければならない。
 時間に実態はないけれど、時間の経過は、確かに物事を変えていっている。陽子と四月に付き合い始めて、五月になり、六月と七月を経過して、暑い八月を迎えた。短い時間を振り返ってみると、いろいろなことが変わっている。
  その一つ一つを検証していく必要がある。
  まず、陽子との関係だ。彼女と私はセックスをしない。最後にセックスをしたのが五月の終わりで、それ以降は何もない。もう限界だ。
 というのも陽子との関係が、ここへきて停滞しているような気がするからだ。セックスのない生活により、我々は互いの存在意義に関して疑問を持つようになっていた。少なくとも私はそうだ。関係は悪くない。ちょっとした倦怠期というのなら致し方ないが、最近、話しをしていても途切れ途切れになるこのが多く、一緒にいてもしっくりこない。
  二日前に陽子は私にこう言った「わたし、お芝居やるこのに決めたの」と。
 陽子は神妙な面持ちだった。
 
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