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第2章 精霊と学校へ通う元聖女
第30話 お腹に優しいミルクリゾット
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学校が終わり、今日は王宮へ寄らずにそのまま帰宅する。
相変わらずユフィさんは二階で過ごしているみたいだけど、大丈夫かな?
『大丈夫じゃない? どうせ、寝てるだけだよ。それより、アクセサリー作りを頑張るんでしょ?』
(そうだけど……うーん。まぁユフィさんは私が元聖女だって知っているし、何かあれば助けを求めに来るハズだから、来ないって事は大丈夫って事かな?)
『そうそう。トイレから出られないのは酷だけど……げふんげふん。さぁ、リディア。頑張ろうー!」
エミリーが言いかけた言葉が少し気になったけど、まだまだ作業が残っているのは事実なので、アクセサリー作りに取り掛かる事にした。
それから黙々と作業を進め、気付いたら真夜中となり、翌日も帰ってきてから真夜中まで作業をして……という生活を繰り返し、
「出来たーっ!」
『お疲れ様ー! 流石だね。あれだけの量をこんなに早く……ウチはもう少し時間が掛かると思っていたんだけどね』
「頑張ったからねー。えっと、今は日が落ちた直後くらいかな? 今からだと王宮へ持って行くには遅いから、明日持って行こうかな」
ようやく騎士さん向けのアクセサリーが完成した。
早速エミリーの闇の精霊イドちゃんを呼んでもらい、空間収納――何でも収納箱に完成品を居れてもらう。
ついでに作業台を片付けて、部屋の掃除まで済ませた所で、
――くぅぅぅ
私のお腹が思いっきり鳴ってしまった。
既に集中力が完全に切れているし、ここ数日は夕食を食べずに作業をしていたので、久しぶりにちゃんとした物を食べようと思って部屋を出ると、
「ユフィさん? ……何だか、ちょっとやつれてませんか?」
「……き、気のせいよ」
かなりゲッソリしたユフィさんが扉の前に立って居た。
一体、どうしたんだろう? ユフィさんって呼んだのに、それを訂正する事すらしないし、普通に返事しちゃっているし。
やっぱり体調が悪いのかな?
「えっと、ユフィさん。今からご飯を作るんですけど、一緒に食べます?」
「……あ、あなたの施しなんて――ぐりゅりゅりゅぅ――い、要らな……要らないんだからっ!」
いや、今めちゃくちゃお腹鳴ってたよ? 私よりも遥かに大きな音がしていたんだけど。
一先ずキッチンへ向かい、手早くミルクリゾットを二人分作り、リビングへ。
「ユフィさん。ミルクリゾットを作ったんですけど、ちょっと間違えて多く作り過ぎちゃったんです。捨てるのも勿体無いので、良ければ食べていただけませんか?」
何故か私の部屋で茫然としているユフィさんに声を掛けると、
「……しょ、食料を粗末にするのは良くないわよね。す、少しだけなら食べてあげても良いわ」
凄い勢いでユフィさんが近づいてきて、涙を流しながらスプーンを口へ運ぶ。
そんなのお腹が空いていたのかな?
食料はあるから、好きに食べて良かったのに。
『まぁ、今回のは良い薬になったんじゃないかな? ただ、これで自分の言動を改めるとは思えないけど』
(何の事?)
『リディアは気にしなくて良いよー。ずっと寝ていて、既に治っているからねー』
エミリーが何の事を言っているのかは分からなかったけど、
「ご、ご馳走様。わ、悪くは無かったわ。じゃ、じゃあ、おやすみ!」
ユフィさんがリゾットを完食し、逃げるようにして二階へと上がって行った。
そして、翌日……学校が終わって迎えに来てくれたクロードさんにアクセサリーが完成した事を伝え、王宮へ連れて行ってもらった。
相変わらずユフィさんは二階で過ごしているみたいだけど、大丈夫かな?
『大丈夫じゃない? どうせ、寝てるだけだよ。それより、アクセサリー作りを頑張るんでしょ?』
(そうだけど……うーん。まぁユフィさんは私が元聖女だって知っているし、何かあれば助けを求めに来るハズだから、来ないって事は大丈夫って事かな?)
『そうそう。トイレから出られないのは酷だけど……げふんげふん。さぁ、リディア。頑張ろうー!」
エミリーが言いかけた言葉が少し気になったけど、まだまだ作業が残っているのは事実なので、アクセサリー作りに取り掛かる事にした。
それから黙々と作業を進め、気付いたら真夜中となり、翌日も帰ってきてから真夜中まで作業をして……という生活を繰り返し、
「出来たーっ!」
『お疲れ様ー! 流石だね。あれだけの量をこんなに早く……ウチはもう少し時間が掛かると思っていたんだけどね』
「頑張ったからねー。えっと、今は日が落ちた直後くらいかな? 今からだと王宮へ持って行くには遅いから、明日持って行こうかな」
ようやく騎士さん向けのアクセサリーが完成した。
早速エミリーの闇の精霊イドちゃんを呼んでもらい、空間収納――何でも収納箱に完成品を居れてもらう。
ついでに作業台を片付けて、部屋の掃除まで済ませた所で、
――くぅぅぅ
私のお腹が思いっきり鳴ってしまった。
既に集中力が完全に切れているし、ここ数日は夕食を食べずに作業をしていたので、久しぶりにちゃんとした物を食べようと思って部屋を出ると、
「ユフィさん? ……何だか、ちょっとやつれてませんか?」
「……き、気のせいよ」
かなりゲッソリしたユフィさんが扉の前に立って居た。
一体、どうしたんだろう? ユフィさんって呼んだのに、それを訂正する事すらしないし、普通に返事しちゃっているし。
やっぱり体調が悪いのかな?
「えっと、ユフィさん。今からご飯を作るんですけど、一緒に食べます?」
「……あ、あなたの施しなんて――ぐりゅりゅりゅぅ――い、要らな……要らないんだからっ!」
いや、今めちゃくちゃお腹鳴ってたよ? 私よりも遥かに大きな音がしていたんだけど。
一先ずキッチンへ向かい、手早くミルクリゾットを二人分作り、リビングへ。
「ユフィさん。ミルクリゾットを作ったんですけど、ちょっと間違えて多く作り過ぎちゃったんです。捨てるのも勿体無いので、良ければ食べていただけませんか?」
何故か私の部屋で茫然としているユフィさんに声を掛けると、
「……しょ、食料を粗末にするのは良くないわよね。す、少しだけなら食べてあげても良いわ」
凄い勢いでユフィさんが近づいてきて、涙を流しながらスプーンを口へ運ぶ。
そんなのお腹が空いていたのかな?
食料はあるから、好きに食べて良かったのに。
『まぁ、今回のは良い薬になったんじゃないかな? ただ、これで自分の言動を改めるとは思えないけど』
(何の事?)
『リディアは気にしなくて良いよー。ずっと寝ていて、既に治っているからねー』
エミリーが何の事を言っているのかは分からなかったけど、
「ご、ご馳走様。わ、悪くは無かったわ。じゃ、じゃあ、おやすみ!」
ユフィさんがリゾットを完食し、逃げるようにして二階へと上がって行った。
そして、翌日……学校が終わって迎えに来てくれたクロードさんにアクセサリーが完成した事を伝え、王宮へ連れて行ってもらった。
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