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第十九話 結婚お許し願います!
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ううう…。緊張してきた。
今日はコルゼのご両親に結婚のお許し、挨拶をする日なのだ。
でも、問題は…、来るのがコルゼの父君、母君、正室のアルティア夫人。
コルゼは側室の生まれだから、正室のアルティア夫人が反発を起こさないことを祈るばかりだ。
で、今は父と母と4人を待っている。
「…リリー。緊張しているのですか?」
「そりゃ、そうですけど…。」
母に顔を覗きこまれる。
「いつもはあんなにどーんと構えているのにか」
父がニヤッと笑った。
「あれは、その場の勢いです。
私の反省すべきところなのは分かってる…。
人を蹴っ飛ばした時は、やっちゃった…って思うもの」
「ほお。じゃあ、スカーレットのこともその場の勢いか?」
「そんなわけないでしょう。次期女王として、
いい加減に務めているつもりはなくてよ。」
「その意気や良し。堂々としておれ」
「…はい」
「国王陛下。4人が到着なされました」
「通せ。」
「はい。」
ぎいと扉が開き、4人が入って来る。
「お待たせいたしました、国王陛下、第一王妃殿下、第一王女殿下」
「よく参った。アルティア公爵、アルティア第一夫人、第二夫人、アルティア公子。
さあ、席についてくれ」
4人が私達3人と向かい合うような形で席に着いた。
「アルティア公爵,公爵夫人、さっそくで申し訳ないのだが、
そなたの息子、コルゼ・アルティアと私の娘、スノーリリーとの婚約を
認めてほしい。」
け、結構単刀直入に言うのね。まあ、それが本題なのだけど…。
「お願い申し上げます。
どうかお許し下さいませ」
父に続いて、私もまっすぐな目で、3人を見た。
「コルゼ・アルティア様は、大変聡明であり、
娘のことを誰より大切に思ってくれております。
私としても王配になっても良い人であると考えます。」
母も言葉添えをしてくれた。
さあ、どういう反応をするのか…。
「私としては構いませんが…」
公爵が微笑んだ。
「私は反対でございます!
何故側室の子が選ばれるのですか!」
と、声を荒げたのは、まさかの第二公爵夫人、
メリーナ・オラルジェ様、コルゼの母だった。
「ちょっとメリーナ…!
自分の子が王家に入る程光栄なことはないのよ!
嬉しくないのですか?」
正室であるエリザベート様が、メリーナ様に焦るように
声を荒げる。
「申し訳ありません国王陛下、王妃殿下、王女殿下、
エリザベート様。
声を荒げた無礼、どうかお許しください。
…ですが、どうしてコルゼなのですか…?
エリザベート様のお子は、すばらしい方達ばかりです。
もしアルティアだからとお考えになられたのなら、どうか、
コルゼでなく、正室のお子をどうかお選びになって下さい…。」
まさかの、まさかだった。
反発を起こしたのは、正室のエリザベート夫人ではなく、
メリーナ夫人。
…王家に子供が入るのはどの国でも大変名誉なことだ。
なのに、なんでそんなに反対を…?
どうして、そんなに辛そうな顔を…。
「大変申し訳ないのですが、失礼いたします」
メリーナ夫人が立ち上がり、駆け出した。
「メリーナ夫人!」
「メリーナ!待ちなさい!」
公爵が席を立つ前に、私はメリーナ夫人を追いかけていた。
ちょっと待って…、どこにいったの?
メリーナ夫人足が速いな…。
この王宮はかなり広い。
隠れられたらたまらないな…。
でもあきらめない。今は、許してもらいたいより、どうしてあんなに辛そうな顔を
するのか、ただ知りたい。
「…あ」
探し始めて20分、メリーナ夫人を見つけた。
誰でも立ち入れる庭園のテラスだった。
「メリーナ夫人」
近寄り、声をかけた。
「スノーリリー様…。」
「急な話、でしたよね。なんの相談もなしに結婚の話を
持ちかけて、ごめんなさい」
一応書類はあるので、私とコルゼは婚約関係にあるが、
公爵が許しを出せば、婚約は成立する。
メリーナ夫人の意思を、聞いたことはなかった。
「スノーリリー様、知っていますか?
私と正室のエリザベート様は、血のつながった姉妹なんですの」
「…え」
初めて知った…。実の、姉妹なんだ…。
「このことを知る人は少ないですので、
知らなくて当然ですわ。」
「そうでしたのね…。」
「ええ。こんな話聞きたくないかもしれないですが、
私、公爵様と結婚できたのは、おまけ、
なのです」
「ど、どういうことですか」
「元は私達、オラルジェ伯爵家の令嬢ですの。
双子なのですけれど…、全然似ていないでしょう?
両親は、妹より、姉の私を可愛がっていましたわ。
ある日、アルティア公爵が妹に求婚したのです。ですが両親は、
妹が公爵家に入ることが気に入らなかったらしく、妹と結婚するのならば、
持参金はいっさい持たせないと言いました。
そのころアルティアが収める地で飢饉が起こり、
大量にお金がなくなっていたアルティア家にとって、その条件は大変厳しいものでした。
別に公爵様はお金目当てではなく、妹を愛しているから、婚約を申し込んだのですけれど。
両親は私も一緒に妻に迎えるというのならば、大量の持参金を用意する、と言いました。
別に貴族に何人か妻がいるのはおかしいことではありませんから、
公爵様は私も一緒に、迎え入れたのです。
…お金のために」
「!!!」
そんな、残酷な話、ある…?
それが、結婚を反対する理由につながってるの…?
「アルティア公爵が側室の子に厳しいのは有名でしょう?
側室は私だけなのですが、旦那様は私の子に厳しいんです。
きっとそれは、私がお金のためにしかたなく結婚した妻だから。
エリザベートの子供は四人。私の子供は二人であり、
私にはアルティアの姓を名乗らせてはくれないのが、何よりの証。
私との子供も、しかたなく作ったにすぎないでしょう。
…コルゼが王宮専属医になった時も、あの人は笑いもしなかった。
だから、これから王家へのアルティアからの援助はあまりいいものとは言えないでしょう。
コルゼも、父からの愛情を受けず育った子なのです。
…だから、これから側室の子だからと後ろ指を指されることもきっとある。
私は、旦那様が愛している妹との子ではなく、私の子だし…、
何より、息子が辛い思いをこれ以上するのが、嫌なのです。
…ごめんなさい」
そういうことなのか…。
なんて妹思いで、息子思いの女性なのだろう。
そりゃ、自分の息子には幸せになってほしいだろうし、複雑な気持ちで、
いっぱいなんだろう。
でも、あきらめたりしない。
「メリーナ夫人のおっしゃることは、わかりました。
ですが!!」
「は、はい」
「何卒、結婚をお許し願えないでしょうか!?
メリーナ夫人が結婚に反対なのは、先程の話でよくわかりました。
別に私はっ、アルティアだからコルゼと結婚したいのではありません!
あなた様の言う通り…、エリザベート様のお子も、いいお方達です。
私は一度、レオンハルト様の求婚をお断りしました。
それは、あの方が「家のためである」と、はっきり申したからでした。
私は、自分のために私に求婚してくれる方を探していたのです。」
「自分のため…ですか?」
「はい。
何かのため、誰かのためを原動力にすると、身を亡ぼすと、
知っています。だから、お断りしました。
コルゼは…、私に求婚してくれたのは、自分が私を愛するという、
自分のためであると、はっきり言ってくれたのです。
それ以前に、私は弱わさも強さも、何もかも受け入れてくれた、
あなたの息子様を愛しているのです。
…人に包み込むように優しい所は、きっとメリーナ夫人に似たのですね」
「スノーリリー様…」
「それに!もしコルゼに後ろ指を指す輩がいようものなら、
私が誰であれ、足蹴りしますわ!
絶対にコルゼに嫌な思いも、辛い思いも、悲しい思いもさせないと、
お約束いたしますわ。夫人」
真剣なまっすぐな瞳で、コルゼと同じ、
緑の瞳を見つめた。
「…大変失礼を申し上げました、スノーリリー様。
そこまでコルゼを思ってくれているなら、お願いいたします」
メリーナ夫人が、やっとほほ笑んでくれた。
「はい!ありがとうございます…。お、お義母様…」
「まあ!」
「私のこともどうぞ
スノーリリーとお呼びください。」
「では二人の時にはそのように。
スノーリリー、息子をお願いします」
「もちろんでございます!」
「あ、お姉様!」
「エリザベート!?」
走ってきたエリザベート夫人がメリーナ夫人に抱きついた。
「私のことなんてミジンコぐらい気にしなくていいから!
スノーリリー様なら、大丈夫だと思うわ…」
ミジンコ…。この世界にもミジンコいたんだ……。
「あのね、エリー…。スノーリリー様の前だから」
「はっ!ごめんなさい」
「いえいえ。…仲のいい姉妹でいいですね」
私は中身が野崎さんだったとはいえ、妹を処刑したからな…。
「では、戻りましょう」
戻ると、公爵もコルゼも、探しに走っていったようで、
入れ違いになってしまっていた。
公爵が戻ると、すぐにメリーナ夫人を抱きしめた。
別に大切に思っていない訳ではないのだなと思った。
一番驚いていたのはメリーナ夫人だが。
それから、今まですまなかったと、公爵は話した。
どうやらメリーナ夫人にどのように接すればいいか、分からず冷たくしてしまった
ようなのだ。
…よかった。
こうして、正式に婚約が成立したのだった。
今日はコルゼのご両親に結婚のお許し、挨拶をする日なのだ。
でも、問題は…、来るのがコルゼの父君、母君、正室のアルティア夫人。
コルゼは側室の生まれだから、正室のアルティア夫人が反発を起こさないことを祈るばかりだ。
で、今は父と母と4人を待っている。
「…リリー。緊張しているのですか?」
「そりゃ、そうですけど…。」
母に顔を覗きこまれる。
「いつもはあんなにどーんと構えているのにか」
父がニヤッと笑った。
「あれは、その場の勢いです。
私の反省すべきところなのは分かってる…。
人を蹴っ飛ばした時は、やっちゃった…って思うもの」
「ほお。じゃあ、スカーレットのこともその場の勢いか?」
「そんなわけないでしょう。次期女王として、
いい加減に務めているつもりはなくてよ。」
「その意気や良し。堂々としておれ」
「…はい」
「国王陛下。4人が到着なされました」
「通せ。」
「はい。」
ぎいと扉が開き、4人が入って来る。
「お待たせいたしました、国王陛下、第一王妃殿下、第一王女殿下」
「よく参った。アルティア公爵、アルティア第一夫人、第二夫人、アルティア公子。
さあ、席についてくれ」
4人が私達3人と向かい合うような形で席に着いた。
「アルティア公爵,公爵夫人、さっそくで申し訳ないのだが、
そなたの息子、コルゼ・アルティアと私の娘、スノーリリーとの婚約を
認めてほしい。」
け、結構単刀直入に言うのね。まあ、それが本題なのだけど…。
「お願い申し上げます。
どうかお許し下さいませ」
父に続いて、私もまっすぐな目で、3人を見た。
「コルゼ・アルティア様は、大変聡明であり、
娘のことを誰より大切に思ってくれております。
私としても王配になっても良い人であると考えます。」
母も言葉添えをしてくれた。
さあ、どういう反応をするのか…。
「私としては構いませんが…」
公爵が微笑んだ。
「私は反対でございます!
何故側室の子が選ばれるのですか!」
と、声を荒げたのは、まさかの第二公爵夫人、
メリーナ・オラルジェ様、コルゼの母だった。
「ちょっとメリーナ…!
自分の子が王家に入る程光栄なことはないのよ!
嬉しくないのですか?」
正室であるエリザベート様が、メリーナ様に焦るように
声を荒げる。
「申し訳ありません国王陛下、王妃殿下、王女殿下、
エリザベート様。
声を荒げた無礼、どうかお許しください。
…ですが、どうしてコルゼなのですか…?
エリザベート様のお子は、すばらしい方達ばかりです。
もしアルティアだからとお考えになられたのなら、どうか、
コルゼでなく、正室のお子をどうかお選びになって下さい…。」
まさかの、まさかだった。
反発を起こしたのは、正室のエリザベート夫人ではなく、
メリーナ夫人。
…王家に子供が入るのはどの国でも大変名誉なことだ。
なのに、なんでそんなに反対を…?
どうして、そんなに辛そうな顔を…。
「大変申し訳ないのですが、失礼いたします」
メリーナ夫人が立ち上がり、駆け出した。
「メリーナ夫人!」
「メリーナ!待ちなさい!」
公爵が席を立つ前に、私はメリーナ夫人を追いかけていた。
ちょっと待って…、どこにいったの?
メリーナ夫人足が速いな…。
この王宮はかなり広い。
隠れられたらたまらないな…。
でもあきらめない。今は、許してもらいたいより、どうしてあんなに辛そうな顔を
するのか、ただ知りたい。
「…あ」
探し始めて20分、メリーナ夫人を見つけた。
誰でも立ち入れる庭園のテラスだった。
「メリーナ夫人」
近寄り、声をかけた。
「スノーリリー様…。」
「急な話、でしたよね。なんの相談もなしに結婚の話を
持ちかけて、ごめんなさい」
一応書類はあるので、私とコルゼは婚約関係にあるが、
公爵が許しを出せば、婚約は成立する。
メリーナ夫人の意思を、聞いたことはなかった。
「スノーリリー様、知っていますか?
私と正室のエリザベート様は、血のつながった姉妹なんですの」
「…え」
初めて知った…。実の、姉妹なんだ…。
「このことを知る人は少ないですので、
知らなくて当然ですわ。」
「そうでしたのね…。」
「ええ。こんな話聞きたくないかもしれないですが、
私、公爵様と結婚できたのは、おまけ、
なのです」
「ど、どういうことですか」
「元は私達、オラルジェ伯爵家の令嬢ですの。
双子なのですけれど…、全然似ていないでしょう?
両親は、妹より、姉の私を可愛がっていましたわ。
ある日、アルティア公爵が妹に求婚したのです。ですが両親は、
妹が公爵家に入ることが気に入らなかったらしく、妹と結婚するのならば、
持参金はいっさい持たせないと言いました。
そのころアルティアが収める地で飢饉が起こり、
大量にお金がなくなっていたアルティア家にとって、その条件は大変厳しいものでした。
別に公爵様はお金目当てではなく、妹を愛しているから、婚約を申し込んだのですけれど。
両親は私も一緒に妻に迎えるというのならば、大量の持参金を用意する、と言いました。
別に貴族に何人か妻がいるのはおかしいことではありませんから、
公爵様は私も一緒に、迎え入れたのです。
…お金のために」
「!!!」
そんな、残酷な話、ある…?
それが、結婚を反対する理由につながってるの…?
「アルティア公爵が側室の子に厳しいのは有名でしょう?
側室は私だけなのですが、旦那様は私の子に厳しいんです。
きっとそれは、私がお金のためにしかたなく結婚した妻だから。
エリザベートの子供は四人。私の子供は二人であり、
私にはアルティアの姓を名乗らせてはくれないのが、何よりの証。
私との子供も、しかたなく作ったにすぎないでしょう。
…コルゼが王宮専属医になった時も、あの人は笑いもしなかった。
だから、これから王家へのアルティアからの援助はあまりいいものとは言えないでしょう。
コルゼも、父からの愛情を受けず育った子なのです。
…だから、これから側室の子だからと後ろ指を指されることもきっとある。
私は、旦那様が愛している妹との子ではなく、私の子だし…、
何より、息子が辛い思いをこれ以上するのが、嫌なのです。
…ごめんなさい」
そういうことなのか…。
なんて妹思いで、息子思いの女性なのだろう。
そりゃ、自分の息子には幸せになってほしいだろうし、複雑な気持ちで、
いっぱいなんだろう。
でも、あきらめたりしない。
「メリーナ夫人のおっしゃることは、わかりました。
ですが!!」
「は、はい」
「何卒、結婚をお許し願えないでしょうか!?
メリーナ夫人が結婚に反対なのは、先程の話でよくわかりました。
別に私はっ、アルティアだからコルゼと結婚したいのではありません!
あなた様の言う通り…、エリザベート様のお子も、いいお方達です。
私は一度、レオンハルト様の求婚をお断りしました。
それは、あの方が「家のためである」と、はっきり申したからでした。
私は、自分のために私に求婚してくれる方を探していたのです。」
「自分のため…ですか?」
「はい。
何かのため、誰かのためを原動力にすると、身を亡ぼすと、
知っています。だから、お断りしました。
コルゼは…、私に求婚してくれたのは、自分が私を愛するという、
自分のためであると、はっきり言ってくれたのです。
それ以前に、私は弱わさも強さも、何もかも受け入れてくれた、
あなたの息子様を愛しているのです。
…人に包み込むように優しい所は、きっとメリーナ夫人に似たのですね」
「スノーリリー様…」
「それに!もしコルゼに後ろ指を指す輩がいようものなら、
私が誰であれ、足蹴りしますわ!
絶対にコルゼに嫌な思いも、辛い思いも、悲しい思いもさせないと、
お約束いたしますわ。夫人」
真剣なまっすぐな瞳で、コルゼと同じ、
緑の瞳を見つめた。
「…大変失礼を申し上げました、スノーリリー様。
そこまでコルゼを思ってくれているなら、お願いいたします」
メリーナ夫人が、やっとほほ笑んでくれた。
「はい!ありがとうございます…。お、お義母様…」
「まあ!」
「私のこともどうぞ
スノーリリーとお呼びください。」
「では二人の時にはそのように。
スノーリリー、息子をお願いします」
「もちろんでございます!」
「あ、お姉様!」
「エリザベート!?」
走ってきたエリザベート夫人がメリーナ夫人に抱きついた。
「私のことなんてミジンコぐらい気にしなくていいから!
スノーリリー様なら、大丈夫だと思うわ…」
ミジンコ…。この世界にもミジンコいたんだ……。
「あのね、エリー…。スノーリリー様の前だから」
「はっ!ごめんなさい」
「いえいえ。…仲のいい姉妹でいいですね」
私は中身が野崎さんだったとはいえ、妹を処刑したからな…。
「では、戻りましょう」
戻ると、公爵もコルゼも、探しに走っていったようで、
入れ違いになってしまっていた。
公爵が戻ると、すぐにメリーナ夫人を抱きしめた。
別に大切に思っていない訳ではないのだなと思った。
一番驚いていたのはメリーナ夫人だが。
それから、今まですまなかったと、公爵は話した。
どうやらメリーナ夫人にどのように接すればいいか、分からず冷たくしてしまった
ようなのだ。
…よかった。
こうして、正式に婚約が成立したのだった。
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