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第十八話 お休み
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…今日はお父様に休めと言われてしまった。
えーー、何しよう。
ずっと仕事三昧だと休みの日なにしたらいいかわかんないよね。
とりあえず私は、さっきカヌレに「コルゼも今日はお休みなのですよ」
という耳打ちを頼りに、王宮内にあるコルゼの自室を訪ねることにした。
で、今自室の前で固まってるわけなのですが…。
え、どうしよう、何て言って入ろう…?
と、とりあえずノック!!
コンコンコン、と、三回ノックを取り合えずしたが、
何て言えば言いの…?
「はーい」
声がするってことは、いるってことだよね?
「え、えっと…」
ダメだ固まってしまった…。
「リリーですか!?」
「えっ!?」
何で顔も見てなし、えっとしか言わなかったのに分かるの!?
「はい」と答える前に、ドアが開いた。
あわわと慌てていると、部屋の中に引きずりこまれる。
「わっ」
引きずり込まれた瞬間、抱きしめられた。
「強引でごめんなさい…。でも会いたかったんです」
そうなのだ。最近全くまともに会えておらず、
お互い忙しかった。
まだご両親への挨拶もできてないし…。
コルゼの匂いがふわりと香った。
…好き。
「とりあえず、座って下さい。」
ソファーに案内された。
「紅茶でいいですか?」
「あ、ありがとう…。」
久しぶりに話すから変な感じ…。
にしても、かなり広い。
王宮専属医だもん、そりゃそうか。
コルゼが紅茶を入れてくれた。
「いただきます」
紅茶を口に運び、「おいしい」と頬を緩ませた。
それをコルゼがじーっと、コーヒーを飲みながら眺めていた。
「どうしました?」
「…その、今日はどうかしたんですか?」
「えっと、その…コルゼが今日お休みだと聞いたので会いに…。
ご迷惑でしたか?」
不安そうに、コルゼを見つめると、向かいのソファーに座っていたコルゼは、
私に襲い掛かって来ていた。
「きゃ、コルゼ…!?」
「リリーっ…」
ソファに体を押し付けられ、太ももと太ももの間にコルゼの足がぐっと入り、
体がビクンとはねた。
そのまま強引に唇を重ねられ、吸い付くようなキスをされてから、
すぐに舌が入ってきた。
「ん、んっ…ふあっ」
口の中に、苦いコーヒーの味が広がる。
息ができなくなってきて、目に涙がにじんだ。
ダメだ、キスすると、どうしてもふわふわした気持ちに襲われる。
クラクラして…恥ずかしいけど、気持ちいい。
「ぷはっ…」
口と口が離れると、唾液が糸を引いていた。
「…苦いです…」
「さっきまでコーヒーを飲んでいましたからね」
「どうしていきなり…。まあコルゼからのキスはいつも強引ですけど」
「ごめんなさい。リリー不足だったんです、どうか許して」
申し訳なさそうにほほ笑むと、コルゼは私の額に口づけた。
「それより、何よりリリーが会いに来てくれたのが嬉しくて…。
姉からリリーがお休みなのだと聞いてはいましたが、
まさか俺に会いに来てくれるなんて…。すごく嬉しい」
はああああ、やめて!!
もっと好きになって、止まらなくなりそうで、怖い。
いつかこの愛が暴走してしまったら、止まれる自信、ないよぉ…。
ていうか、そんなこと言ったら…
「私だってコルゼ不足だったのに…」
心の声が、口から漏れた。
「へっ?」
コルゼが顔を真っ赤にして驚いた。
…しまった。
もういい!勢いで行ったれ!
「ぎゅー、させて下さい」
と、両手を広げた。
「えっと…」
あわあわとコルゼが慌てた。
自分はいつもほぼ強引になのに、してもらうときは、
かなり慌てるのだな、と思った。
かわいい…。
慌てるコルゼを、胸にうずめる様に抱きしめた。
「!?」
「コルゼ不足だったのだから、これくらい許して下さいまし」
と、さらさらの銀髪を撫でた。
「あの…、子供扱いしてます?」
「していませんよ。ただ、あなたが愛おしいの。」
「あの、この体制は勘弁してください…。
まだ結婚できないから、生殺しじゃないですか…」
胸にうずめるのは、さすがに恥ずかしかったようで、
それにクスリと笑った。
「だめですよ?
いつも強引なコルゼへのやり返しなんですから」
「息、できな…」
コルゼの吐息が胸にかかり、
「んっ」
っという声がでてしまった。
「…お願いだから、あまり煽らないで」
チュッと、胸にキスが落とされた。
「ちょ、コルゼ…んっ、あっ…」
「文句はなしですよ。」
今度は、向かい合わせになる感じで、
コルゼに腰を抱かれた。
「だ、だめ…!」
「リリーが煽るからですよ。」
胸に何か所もキスされる。
胸と言っても、ドレスから見える部分だけだけど、
何回かチクリと痛みが走ったから、キスマーク、つけられてる。
恥ずかしさのあまり、コルゼに真っ赤になった顔を見せたくなくて、
コルゼの首に腕を回した。
「しょうがないので、我慢します」
次は、耳にかぶりつかれた。
「はうっ…!」
ちゅっちゅと、何回も耳元でするリップ音にゾクゾクした。
甘噛みのようにがじがじとかみつかれたと思えば、耳の形をなぞるように、
しゃぶりつかれる。
「んっ、はあんっ…、ダメ、もう許してぇ…」
「そういう声出されると、もっといじめたくなるし、
やめたく…なくなるっ」
「もう無理…っ、
ゾクゾクして、おかしく、なるっ…んあっ」
やっと耳から
口を離してくれたかと思えば、
また長い口づけへと、変わっていく。
「好き…、愛しています、リリーっ…」
キスする間に、何回もそう言われて、何回も私達は「好き」と「愛している」を、
何度も、何度も繰り返し囁いた。
まだ結婚も出来ていないから、キス以上のことはできない。
確かにこれは生殺しだな…。
そう思いながら、私は意識を失ってしまったのだ。
「入るぞ、コルゼ」
「入んないで」
「入るぞ」
「いや聞けよ!!」
そういう前に
扉が開いてしまった。
「む、スノーリリー様…?寝ているのか?」
レオンハルトがスノーリリーの顔を覗くと、首筋や胸にいくつかの
キスマークが目に入った。
「…見せつけてくれる」
「勝手に兄さんが入ったんだろう?
ていうか、スノーリリー様の寝顔見ないで。」
「嫉妬深い男は嫌われるぞ」
「負け惜しみにしか聞こえないね。」
そんな会話がされていることは知らずに、
私は後でキスで失神した恥ずかしさに死にそうになったのであった。
えーー、何しよう。
ずっと仕事三昧だと休みの日なにしたらいいかわかんないよね。
とりあえず私は、さっきカヌレに「コルゼも今日はお休みなのですよ」
という耳打ちを頼りに、王宮内にあるコルゼの自室を訪ねることにした。
で、今自室の前で固まってるわけなのですが…。
え、どうしよう、何て言って入ろう…?
と、とりあえずノック!!
コンコンコン、と、三回ノックを取り合えずしたが、
何て言えば言いの…?
「はーい」
声がするってことは、いるってことだよね?
「え、えっと…」
ダメだ固まってしまった…。
「リリーですか!?」
「えっ!?」
何で顔も見てなし、えっとしか言わなかったのに分かるの!?
「はい」と答える前に、ドアが開いた。
あわわと慌てていると、部屋の中に引きずりこまれる。
「わっ」
引きずり込まれた瞬間、抱きしめられた。
「強引でごめんなさい…。でも会いたかったんです」
そうなのだ。最近全くまともに会えておらず、
お互い忙しかった。
まだご両親への挨拶もできてないし…。
コルゼの匂いがふわりと香った。
…好き。
「とりあえず、座って下さい。」
ソファーに案内された。
「紅茶でいいですか?」
「あ、ありがとう…。」
久しぶりに話すから変な感じ…。
にしても、かなり広い。
王宮専属医だもん、そりゃそうか。
コルゼが紅茶を入れてくれた。
「いただきます」
紅茶を口に運び、「おいしい」と頬を緩ませた。
それをコルゼがじーっと、コーヒーを飲みながら眺めていた。
「どうしました?」
「…その、今日はどうかしたんですか?」
「えっと、その…コルゼが今日お休みだと聞いたので会いに…。
ご迷惑でしたか?」
不安そうに、コルゼを見つめると、向かいのソファーに座っていたコルゼは、
私に襲い掛かって来ていた。
「きゃ、コルゼ…!?」
「リリーっ…」
ソファに体を押し付けられ、太ももと太ももの間にコルゼの足がぐっと入り、
体がビクンとはねた。
そのまま強引に唇を重ねられ、吸い付くようなキスをされてから、
すぐに舌が入ってきた。
「ん、んっ…ふあっ」
口の中に、苦いコーヒーの味が広がる。
息ができなくなってきて、目に涙がにじんだ。
ダメだ、キスすると、どうしてもふわふわした気持ちに襲われる。
クラクラして…恥ずかしいけど、気持ちいい。
「ぷはっ…」
口と口が離れると、唾液が糸を引いていた。
「…苦いです…」
「さっきまでコーヒーを飲んでいましたからね」
「どうしていきなり…。まあコルゼからのキスはいつも強引ですけど」
「ごめんなさい。リリー不足だったんです、どうか許して」
申し訳なさそうにほほ笑むと、コルゼは私の額に口づけた。
「それより、何よりリリーが会いに来てくれたのが嬉しくて…。
姉からリリーがお休みなのだと聞いてはいましたが、
まさか俺に会いに来てくれるなんて…。すごく嬉しい」
はああああ、やめて!!
もっと好きになって、止まらなくなりそうで、怖い。
いつかこの愛が暴走してしまったら、止まれる自信、ないよぉ…。
ていうか、そんなこと言ったら…
「私だってコルゼ不足だったのに…」
心の声が、口から漏れた。
「へっ?」
コルゼが顔を真っ赤にして驚いた。
…しまった。
もういい!勢いで行ったれ!
「ぎゅー、させて下さい」
と、両手を広げた。
「えっと…」
あわあわとコルゼが慌てた。
自分はいつもほぼ強引になのに、してもらうときは、
かなり慌てるのだな、と思った。
かわいい…。
慌てるコルゼを、胸にうずめる様に抱きしめた。
「!?」
「コルゼ不足だったのだから、これくらい許して下さいまし」
と、さらさらの銀髪を撫でた。
「あの…、子供扱いしてます?」
「していませんよ。ただ、あなたが愛おしいの。」
「あの、この体制は勘弁してください…。
まだ結婚できないから、生殺しじゃないですか…」
胸にうずめるのは、さすがに恥ずかしかったようで、
それにクスリと笑った。
「だめですよ?
いつも強引なコルゼへのやり返しなんですから」
「息、できな…」
コルゼの吐息が胸にかかり、
「んっ」
っという声がでてしまった。
「…お願いだから、あまり煽らないで」
チュッと、胸にキスが落とされた。
「ちょ、コルゼ…んっ、あっ…」
「文句はなしですよ。」
今度は、向かい合わせになる感じで、
コルゼに腰を抱かれた。
「だ、だめ…!」
「リリーが煽るからですよ。」
胸に何か所もキスされる。
胸と言っても、ドレスから見える部分だけだけど、
何回かチクリと痛みが走ったから、キスマーク、つけられてる。
恥ずかしさのあまり、コルゼに真っ赤になった顔を見せたくなくて、
コルゼの首に腕を回した。
「しょうがないので、我慢します」
次は、耳にかぶりつかれた。
「はうっ…!」
ちゅっちゅと、何回も耳元でするリップ音にゾクゾクした。
甘噛みのようにがじがじとかみつかれたと思えば、耳の形をなぞるように、
しゃぶりつかれる。
「んっ、はあんっ…、ダメ、もう許してぇ…」
「そういう声出されると、もっといじめたくなるし、
やめたく…なくなるっ」
「もう無理…っ、
ゾクゾクして、おかしく、なるっ…んあっ」
やっと耳から
口を離してくれたかと思えば、
また長い口づけへと、変わっていく。
「好き…、愛しています、リリーっ…」
キスする間に、何回もそう言われて、何回も私達は「好き」と「愛している」を、
何度も、何度も繰り返し囁いた。
まだ結婚も出来ていないから、キス以上のことはできない。
確かにこれは生殺しだな…。
そう思いながら、私は意識を失ってしまったのだ。
「入るぞ、コルゼ」
「入んないで」
「入るぞ」
「いや聞けよ!!」
そういう前に
扉が開いてしまった。
「む、スノーリリー様…?寝ているのか?」
レオンハルトがスノーリリーの顔を覗くと、首筋や胸にいくつかの
キスマークが目に入った。
「…見せつけてくれる」
「勝手に兄さんが入ったんだろう?
ていうか、スノーリリー様の寝顔見ないで。」
「嫉妬深い男は嫌われるぞ」
「負け惜しみにしか聞こえないね。」
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私は後でキスで失神した恥ずかしさに死にそうになったのであった。
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