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第二十三話 同盟国会議
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「え、延期?」
「はい。どうやら同盟国の一つ、エデール公国で伝染病が発生したらしく、
対応は済んでいるそうですが、様子見で三か月かかると…。
残りの国は延期に賛成したので、三か月延期になるそうです。」
「…わかりました」
三か月か…。かなりあるな。
まあ飢饉やら伝染病やらは仕方ないし、顔合わせができないのも困るしね、お互い。
「延期か…」
「うん、そうみたい。」
私とコルゼは今日一日、のんびりしていた。
まあ新婚旅行に行けない代わりみたいなものだ。
「同盟国の王様王妃様と会うのって…結構緊張する」
「そうね…。即位式もエーデル公国はこれなかったみたいだし…。」
「そうだったのか。知らなかった…」
「ええ。緊張して同盟国の王たちの席を見ることはできなかったし」
「あー…。
良い方達だといいですね。」
「ええ。新王として、頑張らないと…。
あ、それと一つ、話しておきたいことが、あるんだけど」
「ん?」
フォイリス帝国の皇帝が、本気かはわからないけれど…、私を見初めたって話、
しておかないとね…、一応。夫婦間で隠し事はしたくないしね…?
「あの、さ…。その、本気かは分からないんだけど」
「本気?」
「フォイリス帝国の皇帝が…、私を見初めたらしくて…」
「は?」
ひいいいいっ、コルゼの顔は笑ってるのに、声がマジで怒ってる…!!
「何ですかそれ、いつの話です?
何俺のかわいい奥さんをいやらしい目で見てるんですかね?ん?
まさか即位式の時じゃないですよね?」
「い、いや…多分最近ではあるけど、即位式の時ではない…よ?」
「…で、フォイリスの皇帝は見初めただけなんですか?」
「ううん…、お父様には、妻にしたいって…言ったらしい」
「へえ…。リリーはその時次期女王で、現女王の人に随分勝手なことを言いますね…。
まさか、王子に王位を継がせる気か…、それともフィオンシーナを取り込む気なのか…。
でもまあ、婚儀も即位式も終わったから…それはできないと思うけど…。
惚れた女のために戦を起こす馬鹿ではないと思いますし…」
「ええ。そうだと願ってる」
「…リリーは、俺以外に夫を迎える気はありますか?」
「ない。」
これは即答できる。コルゼ以外なんて考えられないし、考えたくない。
「…女王としては我がままを言っているかもしれない。
だけど、私達は二人で生きて、この国を導いていくの。だから、心配しないで。」
「でも、やむを得なくなることだって…」
「あら、朝まで自分だけのものだってこんなにキスマークつけたくせに、
今更怯えるの?大丈夫よ。私はあなただけのもの、もちろんコルゼも私以外禁止よ」
「誰に聞いてるんです、それ?
リリー以外なんて考えてませんから」
「それは…よかった。」
なんだか何回も言われたことなのに、嬉しいと思う。
大丈夫、私達は…、二人で支えあっていける。
ー三か月後ー
「…ついに来たわね。」
「緊張している?」
「まあまあ…。でも一人じゃないもの。大丈夫よ」
扉が開かれる。
「フィオンシーナ王国夫妻のおなーり!!」
二人で前に進む。
部屋に入ると、四国の王と王妃、王配が座っていた。
フィオンシーナ王国と同盟を組む四国、
シルニキ皇国、フォイリス帝国、シュゼット王国、エーデル公国。
四国の王と王妃の視線が刺さる。
あ、あいさつ…。
「本日はお忙しい中、私達のためにお集まりいただき、ありがとう存じます。
先王エルイス王の娘、女王に即位いたしました、スノーリリー・ベル・フィオンシーナでございます」
「女王の夫、王配となりました、コルゼ・シェイド・フィオンシーナと申します。」
コルゼの姓が、「アルティア」ではなくなったのだ。
まだ婚姻の儀を行った時点ではアルティアだったけれど、私の夫となった時点で、
王配の姓、「シェイド」を授かる。
…今更実感。
「お初目にかかる、若き女王と王配よ。
私はシルニキ皇国の王、ガルム。そして正妃のアリスだ。」
にこやかに挨拶してくれたのは、シルニキの王だった。
「初めまして、新女王。
私はシュゼット帝国の女王、アンジェル。こちらは王配で夫のソジア。
同じ女王同士仲良くしましょうね。」
わあああ、女王様もう一人いるんだ…。安心する…。
「この度はご迷惑をおかけし、即位、婚姻の儀に出席できず申し訳なかった。
お祝い申し上げる、新女王、王配殿。
エーデル公国の王、シオンだ。こちらは王妃のケイト。」
参加国の王の挨拶が終わる。
…残りの挨拶は…、フォイリス帝国の皇帝…。
「お祝い申し上げる、女王、王配よ。
私はフォイリス帝国皇帝、アグリ。こちらは皇后のユーリだ」
ううわ、いかつい…。いや、文句とかじゃないけどさ。
本当に、いや、本気で私を妻にしたいと言ったんだろうか…。
「皆様ありがとうございます。
シオン国王、迷惑だなんてとんでもございませんわ。
まだ未熟故、ご迷惑をおかけするかもしれませぬが、先王にかわり、
精進いたしますので、何卒よろしくお願いいたします。」
と席につく。
会議…っていっても、何を話すのだろう。
同盟国間で何か問題は起きていないし、会議っていっても顔合わせだもんね。
「え~と…何のお話をしましょうか…。
何か同盟国間で問題ってないですよねぇ」
とアンジェル女王が苦笑いする。
それに皆がこくん…とうなづいた。
「あ、そうだ!
お二人の馴れ初めをお聞かせください!」
と、アンジェル女王の夫、ソジア様が微笑む。
「いいわね、それよっ!」
しかもそれにアンジェル女王も乗ったーーー!!!
えええええ!?これじゃ会議じゃない…。
「いや、しかしだな…。それでは会議にならぬのでは…」
とシオン王が若干戸惑いを見せるが、
「いいではないか。会議といっても、顔合わせなのだから。
何も問題がないのは良いことであるではないか。がはっはっはっ!!」
と、ガルム国王が大きな声で笑う。
「というわけで、お二人の馴れ初めは?」
ユーリ皇后が笑った時点で、もう諦めた。
はい、もう話さなきゃいけないことになってるのね。
「ええと…では私の方から…」
コルゼもあきらめたようで、コルゼが話し始める。
「ほほう、ではコルゼ殿は元王宮専属医なのだな。
そして公爵家の男子であると…」
「はい。」
「え~なんだかロマンティックねぇ…。
出会いは?」
「えーと…、香りの強い毒花に触れようとしてしまった所を、
コルゼが止めてくれた…のが出会いでしたね。」
「きゃ~!」
…きゃー、なのか?
そんなにキュンキュンな出会いではないかと思うけどね…?
「それでどうしたのだ?」
止めていたシオン国王までも乗り気になって聞いてくる。
「えーと…度々倒れてしまいまして…、
コルゼはそのたびに励ましてくれて。…そのうちに、好きになってしまいまして。」
「私も…彼女の頑張る姿に惹かれて…。」
「なに、恋愛結婚なのね!?
いいなぁ~~…。私なんてシオン様に一方的に好きだ好きだーって言われて、
もうはめられるみたいな感じて結婚させられたのよぉ?」
「ちょ、それを言うんじゃないケイト!」
大人しそうに見えて、やるわねシオン国王…。
「まあでも、結婚してよかったな…とは思ってるわ。今は愛しているしね」
おおお…!今は…なんだ。
そんな感じで、話をしていたら、すっかりパーティーの時間になってしまった。
何だろう…、ちょっと気持ち悪いかも…?まあ大丈夫か…。
同盟国の王と妃が参加するパーティーには、フィオンシーナの貴族も参加する。
おおう…、やっぱりすごい人…。
各貴族が挨拶に来て、もう「私の息子はどうですか」と勧められた。
「ないですね」とばっさり断ったが。
もうすぐパーティーが終わるな…。
「スノーリリー女王」
「あ、あら…、フォイリス皇帝…」
き、気まずい…。
コルゼと私もなんだか身構えるみたいな表情をしてしまった。
「あーと…謝罪申し上げる。
そなたを好きと言ったのは、息子の皇子のことなのだ。
先程先王にお会いしたが、情報が何やら違えていたようだ…。」
え!?そうなの!?…よかった…。
ん?全然良くない…?
この人も、「私の息子を新しい夫にどうか」…って言っているのか。
「息子は剣技の才能がずば抜けていてな。
フィオンシーナも戦をすることもあるかもしれんし…、
夫にしておいても損はないかと思うぞ?どうかね」
断ろうとした、その時だった。
「うっ…!」
「リリー!?」
急にきた吐き気。
何これ…すっごく気持ち悪い…!!
ふらふらする…。
「まさか…ご懐妊?」
誰かが言ったことで、わっと会場がざわつく。
「女王陛下のご懐妊だ!!」
「おおお、おめでたい!!」
「おめでとうございます!」
いや、まだわかんないけどね…。
でも、三か月月経は、なかった…。もしかして…、
本当に?
「はい。どうやら同盟国の一つ、エデール公国で伝染病が発生したらしく、
対応は済んでいるそうですが、様子見で三か月かかると…。
残りの国は延期に賛成したので、三か月延期になるそうです。」
「…わかりました」
三か月か…。かなりあるな。
まあ飢饉やら伝染病やらは仕方ないし、顔合わせができないのも困るしね、お互い。
「延期か…」
「うん、そうみたい。」
私とコルゼは今日一日、のんびりしていた。
まあ新婚旅行に行けない代わりみたいなものだ。
「同盟国の王様王妃様と会うのって…結構緊張する」
「そうね…。即位式もエーデル公国はこれなかったみたいだし…。」
「そうだったのか。知らなかった…」
「ええ。緊張して同盟国の王たちの席を見ることはできなかったし」
「あー…。
良い方達だといいですね。」
「ええ。新王として、頑張らないと…。
あ、それと一つ、話しておきたいことが、あるんだけど」
「ん?」
フォイリス帝国の皇帝が、本気かはわからないけれど…、私を見初めたって話、
しておかないとね…、一応。夫婦間で隠し事はしたくないしね…?
「あの、さ…。その、本気かは分からないんだけど」
「本気?」
「フォイリス帝国の皇帝が…、私を見初めたらしくて…」
「は?」
ひいいいいっ、コルゼの顔は笑ってるのに、声がマジで怒ってる…!!
「何ですかそれ、いつの話です?
何俺のかわいい奥さんをいやらしい目で見てるんですかね?ん?
まさか即位式の時じゃないですよね?」
「い、いや…多分最近ではあるけど、即位式の時ではない…よ?」
「…で、フォイリスの皇帝は見初めただけなんですか?」
「ううん…、お父様には、妻にしたいって…言ったらしい」
「へえ…。リリーはその時次期女王で、現女王の人に随分勝手なことを言いますね…。
まさか、王子に王位を継がせる気か…、それともフィオンシーナを取り込む気なのか…。
でもまあ、婚儀も即位式も終わったから…それはできないと思うけど…。
惚れた女のために戦を起こす馬鹿ではないと思いますし…」
「ええ。そうだと願ってる」
「…リリーは、俺以外に夫を迎える気はありますか?」
「ない。」
これは即答できる。コルゼ以外なんて考えられないし、考えたくない。
「…女王としては我がままを言っているかもしれない。
だけど、私達は二人で生きて、この国を導いていくの。だから、心配しないで。」
「でも、やむを得なくなることだって…」
「あら、朝まで自分だけのものだってこんなにキスマークつけたくせに、
今更怯えるの?大丈夫よ。私はあなただけのもの、もちろんコルゼも私以外禁止よ」
「誰に聞いてるんです、それ?
リリー以外なんて考えてませんから」
「それは…よかった。」
なんだか何回も言われたことなのに、嬉しいと思う。
大丈夫、私達は…、二人で支えあっていける。
ー三か月後ー
「…ついに来たわね。」
「緊張している?」
「まあまあ…。でも一人じゃないもの。大丈夫よ」
扉が開かれる。
「フィオンシーナ王国夫妻のおなーり!!」
二人で前に進む。
部屋に入ると、四国の王と王妃、王配が座っていた。
フィオンシーナ王国と同盟を組む四国、
シルニキ皇国、フォイリス帝国、シュゼット王国、エーデル公国。
四国の王と王妃の視線が刺さる。
あ、あいさつ…。
「本日はお忙しい中、私達のためにお集まりいただき、ありがとう存じます。
先王エルイス王の娘、女王に即位いたしました、スノーリリー・ベル・フィオンシーナでございます」
「女王の夫、王配となりました、コルゼ・シェイド・フィオンシーナと申します。」
コルゼの姓が、「アルティア」ではなくなったのだ。
まだ婚姻の儀を行った時点ではアルティアだったけれど、私の夫となった時点で、
王配の姓、「シェイド」を授かる。
…今更実感。
「お初目にかかる、若き女王と王配よ。
私はシルニキ皇国の王、ガルム。そして正妃のアリスだ。」
にこやかに挨拶してくれたのは、シルニキの王だった。
「初めまして、新女王。
私はシュゼット帝国の女王、アンジェル。こちらは王配で夫のソジア。
同じ女王同士仲良くしましょうね。」
わあああ、女王様もう一人いるんだ…。安心する…。
「この度はご迷惑をおかけし、即位、婚姻の儀に出席できず申し訳なかった。
お祝い申し上げる、新女王、王配殿。
エーデル公国の王、シオンだ。こちらは王妃のケイト。」
参加国の王の挨拶が終わる。
…残りの挨拶は…、フォイリス帝国の皇帝…。
「お祝い申し上げる、女王、王配よ。
私はフォイリス帝国皇帝、アグリ。こちらは皇后のユーリだ」
ううわ、いかつい…。いや、文句とかじゃないけどさ。
本当に、いや、本気で私を妻にしたいと言ったんだろうか…。
「皆様ありがとうございます。
シオン国王、迷惑だなんてとんでもございませんわ。
まだ未熟故、ご迷惑をおかけするかもしれませぬが、先王にかわり、
精進いたしますので、何卒よろしくお願いいたします。」
と席につく。
会議…っていっても、何を話すのだろう。
同盟国間で何か問題は起きていないし、会議っていっても顔合わせだもんね。
「え~と…何のお話をしましょうか…。
何か同盟国間で問題ってないですよねぇ」
とアンジェル女王が苦笑いする。
それに皆がこくん…とうなづいた。
「あ、そうだ!
お二人の馴れ初めをお聞かせください!」
と、アンジェル女王の夫、ソジア様が微笑む。
「いいわね、それよっ!」
しかもそれにアンジェル女王も乗ったーーー!!!
えええええ!?これじゃ会議じゃない…。
「いや、しかしだな…。それでは会議にならぬのでは…」
とシオン王が若干戸惑いを見せるが、
「いいではないか。会議といっても、顔合わせなのだから。
何も問題がないのは良いことであるではないか。がはっはっはっ!!」
と、ガルム国王が大きな声で笑う。
「というわけで、お二人の馴れ初めは?」
ユーリ皇后が笑った時点で、もう諦めた。
はい、もう話さなきゃいけないことになってるのね。
「ええと…では私の方から…」
コルゼもあきらめたようで、コルゼが話し始める。
「ほほう、ではコルゼ殿は元王宮専属医なのだな。
そして公爵家の男子であると…」
「はい。」
「え~なんだかロマンティックねぇ…。
出会いは?」
「えーと…、香りの強い毒花に触れようとしてしまった所を、
コルゼが止めてくれた…のが出会いでしたね。」
「きゃ~!」
…きゃー、なのか?
そんなにキュンキュンな出会いではないかと思うけどね…?
「それでどうしたのだ?」
止めていたシオン国王までも乗り気になって聞いてくる。
「えーと…度々倒れてしまいまして…、
コルゼはそのたびに励ましてくれて。…そのうちに、好きになってしまいまして。」
「私も…彼女の頑張る姿に惹かれて…。」
「なに、恋愛結婚なのね!?
いいなぁ~~…。私なんてシオン様に一方的に好きだ好きだーって言われて、
もうはめられるみたいな感じて結婚させられたのよぉ?」
「ちょ、それを言うんじゃないケイト!」
大人しそうに見えて、やるわねシオン国王…。
「まあでも、結婚してよかったな…とは思ってるわ。今は愛しているしね」
おおお…!今は…なんだ。
そんな感じで、話をしていたら、すっかりパーティーの時間になってしまった。
何だろう…、ちょっと気持ち悪いかも…?まあ大丈夫か…。
同盟国の王と妃が参加するパーティーには、フィオンシーナの貴族も参加する。
おおう…、やっぱりすごい人…。
各貴族が挨拶に来て、もう「私の息子はどうですか」と勧められた。
「ないですね」とばっさり断ったが。
もうすぐパーティーが終わるな…。
「スノーリリー女王」
「あ、あら…、フォイリス皇帝…」
き、気まずい…。
コルゼと私もなんだか身構えるみたいな表情をしてしまった。
「あーと…謝罪申し上げる。
そなたを好きと言ったのは、息子の皇子のことなのだ。
先程先王にお会いしたが、情報が何やら違えていたようだ…。」
え!?そうなの!?…よかった…。
ん?全然良くない…?
この人も、「私の息子を新しい夫にどうか」…って言っているのか。
「息子は剣技の才能がずば抜けていてな。
フィオンシーナも戦をすることもあるかもしれんし…、
夫にしておいても損はないかと思うぞ?どうかね」
断ろうとした、その時だった。
「うっ…!」
「リリー!?」
急にきた吐き気。
何これ…すっごく気持ち悪い…!!
ふらふらする…。
「まさか…ご懐妊?」
誰かが言ったことで、わっと会場がざわつく。
「女王陛下のご懐妊だ!!」
「おおお、おめでたい!!」
「おめでとうございます!」
いや、まだわかんないけどね…。
でも、三か月月経は、なかった…。もしかして…、
本当に?
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