【R18】「真実の愛を引き裂く悪役令嬢」と呼ばれているのに、一途な王太子殿下から執着溺愛されています!?

瀬月 ゆな

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前兆

淫らな熱  ☆

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「そこ……、何か……」
「痛い?」
「痛くはない、です……。でも、お腹が……とても切なくなって」

 尋ねられて身体に広がる感覚を正直に伝える。
 アレクシスは何故か嬉しそうな表情を浮かべた。人差し指も添えて乳首を摘み、二本の指を撚り合わせるように小刻みに動かす。

「そんな可愛いことを言われたら、ティアナをもっと切なくさせたくなる」
「ぁ……。ゃ……っ、アレク、様……っ」

 セレスティアナは手を伸ばしてアレクシスの腕を掴んだ。とは言え指に上手く力が入らなくて、弱々しく縋ると言った方が正しいかもしれない。

「あ、ぁっ、あぁぅ……っ」
「可愛いね」

 指先でいたずらに乳首を転がしたり弾いたりしながら、アレクシスは唇を重ねる。
 セレスティアナは自然と舌を差し出した。舌が触れ合えば、つがいを見つけて求愛のダンスを踊る鳥のように激しい愛おしさで絡みつく。

「ふぁ……っ。っ、ふ……ん……」

 声を出せずに燻る熱が身体の中で行き場を失くした。さらに手を伸ばしてアレクシスの頭を抱き寄せる。髪に指先を絡めて縋っても、どうにもならなかった。

「ゃ……。だめ……っ」

 とうとう耐えきれなくなってかぶりを振る。

「わたくし、おかしくなっちゃ……」
「いいよ」

 アレクシスは身を屈めた。前髪で首筋をくすぐられてセレスティアナは身を捩る。

「おかしくなってもいい」

 耳元で囁かれ、思わず息を呑んだ。
 そのままアレクシスは薄い唇でセレスティアナの耳たぶや首筋を啄みながら口づけを落として行く。手袋越しに手の甲に口づけられたことはあっても、素肌に唇が触れたことはない。次はどこにアレクシスの唇が触れるのか、セレスティアナは期待と不安で胸を高鳴らせた。
 意識が完全に別のことへ向けられたふいを突き、左の乳首を軽く引っ掻かれてセレスティアナは背中をのけぞらせた。

「ぁっ、や……っ」
「ティアナの身体はすごく敏感だね」
「アレク様が、急になさる……から……」
「本当に、ティアナの反応全てが可愛くて愛おしいよ」

 心の底から思っているような優しい声音で言われたらもう何も言えなくなる。口を噤むセレスティアナに微笑み、アレクシスの口づけはふくらみへと辿り着いた。

「そこ、は……、ん……!」

 乳首を指で転がされ、制止の言葉は途中までしか言えなかった。

「ぁ、あっ、ぁ……っ」

 右側の乳首が温かな粘膜に触れる感覚に目を見開く。
 アレクシスは咥内に迎え入れた乳首に赤子のように吸いつき、丁寧に舐め転がす。反対側の乳首へ指での愛撫は続けられたままで、異なる強い刺激にセレスティアナはひたすら翻弄された。

「ぁ――!」

 かぷりと乳首を甘噛みし、すぐさま優しく舐る。セレスティアナの腰がひくんと跳ねた。
 熱く濡れた舌が肌に触れると、こんな感覚をもたらすなんて知らなかった。

 セレスティアナも十九歳になり、いずれ王太子妃となる身として最低限の閨教育は受けている。けれどそれは、あくまでも知識を学んでいるのみだ。同性の家庭教師に真面目に教えられたのは〝アレクシスと子を生す為に何をするか〟ということであって、〝アレクシスに触れられたらどうなるか〟ということではなかった。
 身体が蕩けそうで、甘く濡れた声を抑えられなくなるなんて教えられてない。

「あっ、ん……ひぁっ!」

 もじもじと動く足がシーツを蹴る。乳首を強めに吸われ、悲鳴にも似た啼き声があがった。

「ティアナ。ティアナの全てが見たい。僕にだけ見せて」
「全て……?」
「そう」

 ふくらみを包み込むアレクシスの手がセレスティアナの脇腹をなぞり、腰で結ばれたショーツの紐を引っかけた。

「あ……そこ、は」

 いずれ、アレクシスの子供を身籠る大切な場所だと教えられている。そしてセレスティアナにとって、最も秘められた場所だ。

「恥ずかし、から……だめ、です……」

 セレスティアナは何度もかぶりを振った。
 大切に秘められた場所という理由だけではなく、ショーツがはしたなく濡れているからだ。

「だめなの? ティアナの可愛いここも、見たいな」

 アレクシスはリボン結びの輪を軽く引っ張って弄ぶ。そうして結び目を少しずつ緩め、他の指をショーツの隙間に忍ばせて素肌をなぞった。

「ぁ……」
「ティアナ」

 許しを得ようとしているのはアレクシスの方なのにセレスティアナが追い詰められている気分だ。浅く短い呼吸を何度も繰り返した。不埒な指はお尻の丸みを伝い、中心の割れ目へと辿る。ぬるりとした感触に弾かれたように顔を上げた。アレクシスにも、気がつかれてしまった。

「甘い匂いはさっきからずっとしてるから、もう分かってるよ」

 平行線を辿る一方のやりとりはもうおしまいとばかりにアレクシスは紐を解く。
 抜き取られたショーツと足のつけ根の間に細く糸が引くのが分かり、自らの欲情を目に見える形で示されたようで頬が羞恥に染まる。火照った身体に、粘り気のある冷たい蜜が一筋伝った。

「ティアナは可愛いだけじゃなくて、いやらしいね」
「アレク様の、いじわる……。だから……見たら、だめって」

 羞恥に涙を滲ませながら咎めるとアレクシスは柔らかな笑みを浮かべる。
 そんな表情をしたって絶対に騙されない。自分に強く言い聞かせるも、宥めるように乳首を啄まれて喉を喘がせた。すでに身体が快楽の味を覚えはじめている。

「いやらしいティアナも、たまらなく可愛いよ。僕も脱ぐからそれでいい?」
「ぁ、の……」

 二人で肌を曝せばそれでいいという問題でもない。むしろアレクシスも脱げば後戻りできなくなる。でも、このままでも元には戻れない。

 アレクシスは身を起こし、ネクタイを外してシャツを脱いだ。露わになった身体は引き締まっていて逞しく、異性の魅力に溢れている。
 目を逸らせないセレスティアナの前で同じように衣服を全て脱いだアレクシスの中心には、精霊の王子様らしからぬ異物と言っても良いものがそそり立っていた。丸みを帯びた先端は張り出しており、いくつもの筋が集まった部分がある。今にも腹筋につきそうなほど全体は大きく太く、でこぼこしているのは血管が浮き出しているからだろうか。凶悪な形なのに、今にもはち切れてしまいそうでどこか痛ましくもあった。

「アレク様の、お身体の……」
「うん?」
「本で見たのと、全然……大きさも、形も……違うみたい、です……」

 知識にある細長い棒状のものと比較した感想を思わずこぼすと、アレクシスは苦笑いを浮かべた。

「ティアナは僕だけを知っていて」

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