愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました

Karamimi

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第16話:アモーレ王国に無事着きました

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無事出港を見届けた後、真っ暗な海を見つめる。そう言えば、リアム様と一緒に海を見に行った事もあったわ。その時の海は、もっと真っ青で奇麗だった。でも、夜の海はこんなにも真っ暗で不気味なのね…て、リアム様の事を考えてしまった。

もう部屋に戻って、休む事にしよう。部屋に戻り、小さなベッドに横になる。ふと窓の外を見ると、美しい星空が広がって来た。

なんて奇麗なのかしら…こんなにも奇麗な星空は初めて見たわ。きっとリアム様に見せたら、喜ぶのでしょうねって、私ったらまたリアム様の事を考えてしまったわ。でも、9年もの歳月を一緒に過ごしたのだ。すぐに忘れられるものではない。

とにかく、明日にはアモーレ王国に着く予定だ。今日はしっかり休まないと。

翌日
船の中で朝食を食べ、昼前にはアモーレ王国に到着した。港は物凄く賑わっており、人でごった返している。とにかくまずは、この国への入国許可証を発行してもらう為、役所へと向かう。やはり色々な国から人が集まって来る様で、役所は入国許可証を求める人でごった返していた。

結局3時間待たされたが、何とか入国許可証を発行してもらう事が出来た。ちなみにこの入国許可証は、1年に1回更新が必要との事。すっかり遅くなってしまった。仕方がないので、近くのホテルに今日は泊る事にしよう。確かホテルの受付に行って、直接部屋が空いているのか聞くのよね。よし!気合いを入れ、近くのホテルに入って行く。

「あの、今日泊まりたいのですが、部屋は空いていますか?」

「ええ、大丈夫ですよ。異国の方ですね。入国許可証を見せて下さい」

「はい、これです」

さっき発行してもらったばかりの入国許可証を提出する。

「ありがとうございます。では、14000マネーでございます」

言われた通りお金を出し、代わりに部屋の鍵を貰った。よし、うまく行ったわ。やれば出来るじゃない!自分でホテルが取れた事が嬉しくて、つい浮かれてしまう。そして部屋番号の書かれた部屋へと向かった。

「はぁ、今日は疲れたわ。それにしてもお父様は随分と沢山のお金を私に残してくれたのね。このまま質素な生活をしていけば、一生働かなくても余るくらいのお金があるもの」

正直公爵令嬢の頃は、あまりお金に興味がなかったが、平民になった今、お金のありがたみを身を持って実感している。そう言えば、1階がレストランになっていたわ。早速晩ご飯を食べに行きましょう。

しっかり部屋に鍵を掛け、レストランへと向かう。海の近くという事もあり、魚料理が中心だ。パンドラ王国の海の幸も美味しかったけれど、アモーレ王国のお料理も美味しいわね。特に野菜が物凄く新鮮でおいしかった。こんなにもみずみずしい野菜を食べられるなんて、幸せだわ。

食後は部屋に戻り、明日からの予定を再度確認する。確かここから私が暮らしたいと思っている村までは、馬車を乗り継いで3日程度かかる。あまり無理して進まず、ある程度場所を決めて早めに宿泊施設を探した方がいいわね。

よし、予定も決まった事だし、早く寝ましょう。明日もきっと沢山歩かないといけないものね。


翌日、早速馬車に乗り込み、移動開始だ。アモーレ王国の王都を抜けると、美しい田園風景が目に飛び込んできた。なんて素敵な風景なのかしら?こういったのどかな場所で生活してもいいわね。そんな事を考えていると

「あんた、この国の人間ではないね。それにしても、美しいピンク色の髪をしているんだね。初めて見たよ」

近くに座っていた女性が話しかけて来た。

「はい、パンドラ王国から来ましたの」

「そうかい。でもね、この国は色々な民族がいるから、あんたみたいな珍しい髪をした女性は、人身売買のターゲットになってしまう事もあるよ。ストールで髪を隠した方がいい。ほら、これを使いな」

そう言ってストールを渡してくれた女性。

「御親切にありがとうございます。ストールは持っておりますので、大丈夫ですわ」

カバンからストールを取り出し、頭に巻いた。それにしても、やっぱりこの国の人は物凄く親切な人が多いのね。見ず知らずの女性に親切にされ、なんだか心がほっこりした。

そして3日かけ、やっと目的地の港の村までやって来た。早速村の役所へと向かう。

「すみません、この村で暮らしたいのですが」

早速受付をしている女性に話しかける。

「まあ、この村で?あなたの様な若い女性が?ちょっと待ってね。村長を呼んで来るから」

そう言って急いで中に入って行った女性。しばらくすると、中年の男性が出て来た。

「本当だ、こんなに若い女性がこの村で暮らしたいなんて…あんた、まさか不法入国者とかではないよな?」

「ちょっと村長、失礼ですよ!ごめんなさいね、この村に若い女性が好んで来るなんてかなり珍しいもので」

村長に向かって怒る女性。

「不法入国者ではありません。これ、入国証明書です。私はこの村の様に、穏やかな村で暮らしたいと思いここに来ました。あの…そんな動機ではこの村では暮らせませんか?」

不安になり、聞き返してしまった。

「とんでもない、大歓迎だよ。それで、住むところはもう決まっているの?もしまだなら、家の隣が空き屋になっているから、そこで暮らすといいわ」

「本当ですか?ありがとうございます」

受付の女性の名前は、リリアンさんと言うらしい。とても気さくな人で、物凄く話しやすい。そんなリリアンさんに連れられてやって来たのは、小さなお家だ。

「少し狭いけれど、1人で暮らすには十分でしょう。そうだ、生活に必要なものを買いに行かないといけないわね。あなた、レティシアといたね。お金は持っているの?無いようなら私が貸してあげるわよ」

「お金はある程度持っているので大丈夫ですわ。何から何まで、ありがとうございます」

その後リリアンさんに連れられ、村のお店に向かった。と言っても、お店は村に1軒しかない為、そこで全て買いそろえるらしい。リリアンさんに色々と教えてもらいながら、買い物を進めていく。

さすがに1度では運べないので、何度もお店と家を往復して運んでいく。有難い事に家具は備え付けられていた為、リリアンさんと一緒に掃除をしながら棚に食器などを閉まった。さらに食材も買いそろえた。

「リリアンさん、何から何までありがとうございました」

「いいのよ、そうだ、今日は家で食事を食べていくといいわ。ほらおいで」

結局その日は、晩ご飯までリリアンさんの家でご馳走になった。まさか村に来て1日目で、こんなに親切にしてもらえるなんて。この村に来て、本当に良かったと思うレティシアであった。
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