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第6話:エドリーンに求婚されました
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「あの…エドリーン、じゃなくてエドワード様とお呼びした方がいいのかしら?とにかく落ち着てい下さい!」
とりあえずエドリーン…じゃなくてエドワード様…って、なんだかややこしいわね!とにかく離して欲しくて、必死に訴えかけた。
「ごめんごめん、つい嬉しくて。それにしても、どうして急に敬語なんだい?いつもの様に話して欲しいな」
物凄く寂しそうな顔をされてしまい、
「ごめんなさい。どうしてもその姿になれなくて…」
つい正直に答えてしまった。それにしても、本当にエドリーンが男だったなんて、未だに信じられない。
「とにかく座って話をしましょう。えっと…エドワード様」
なんだか慣れないわね。
「あぁ、アリスに名前を呼んでもらえるなんて!そうだね、色々と話したいこともたくさんあるし」
そう言ってやっと腰を下ろしたエドワード様。なぜか私の腕を掴み、隣に座らせた。
「あの…エドワード様…」
「どうしたんだい?いつも隣同士で座っていただろう?」
確かにそうだけれど、それはエドリーンだったからで…でも、何となくこの人には通用しない気がする。なんだか疲れて来たわ…
「アリス、今まで騙していてすまなかった。まずは謝罪をさせてくれ。実は俺が産まれる3年くらい前から、王妃を含め側妃たちの出産ラッシュが始まったんだ。そしてなぜか産れる子供は男ばかり。その為、自分の子供を王にしたい女たちの、醜い争いが始まった。そして、まず産まれて間もない第3王子が命を落とした。そして続けざまに第4王子も命を落としたんだ。そんな中、俺の母親の妊娠が分かった。俺が女なら問題なかったのだが、産まれて来た俺は男だった。その為、王位に興味がない母上が父上に相談し、女として育てる事にしたって訳。確実に生き抜く為には、女として生きていく方がずっと安全だからね」
王宮内は嫉妬と騙し合い、暗殺の危険でいっぱいだと聞いていたが、ここまで凄い事になっていたなんて。そう言えば、エドリーンのお母様は第4王妃様だったわね。何度もお会いした事があるが、穏やかでとても優しい方だもの。確かにあの人なら、王位よりも我が子の命を取りそうね。
「そうだったのですね。エドワード様も随分と苦労されたのですね」
「そうだね。女として生きていくのは、やっぱり大変だったよ。でも、そのおかげでアリスの側にずっといられたから、その点は良かったけれどね!」
そう言って頬ずりしてくるエドワード様。ちょっと…私は男の人には免疫がないのだから、止めて欲しいわ!それにしても、本当に男らしい声ね…
「エドワード様、1つお聞きしてもよろしいですか?エドリーンはもっと可愛らしい声をしておりましたし、胸だってありましたわ…本当にあなたがエドリーンなのですか?」
「ああ、あの胸は偽物だよ。声もこの特殊な装置を喉にセットして替えていたんだ。ほら、こうやって!」
エドワード様が喉に器具をセットすると、確かにエドリーンの声になった!という事は、やっぱりエドリーンは男性だったのね…となると…
「あの、という事はアーロ様との婚約は…」
「する訳がないだろう!俺は男だ!そもそも、あの男が勝手に誤解して暴走しただけなんだ!確かに、婚約を解消して欲しいとはお願いしたが…」
そうだったのね…確かに男性同士では結婚する事が出来ないものね…
「それにあいつ、何を思ったのか皆の前で公開プロポーズをしやがったんだ!思い出しただけで吐き気がする!」
心底嫌そうな顔でそう言ったエドワード様。公開プロポーズって…そう言えば、アーロ様は随分と盛り上がっていたものね…
正直一気に情報を詰められて、頭がパンク寸前だ。とにかく一度頭の中を整理したい。
「エドワード様、とにかく一気に話を聞いたせいで、頭がパンク寸前です。一度整理したいので、今日はこの辺で」
遠回しに帰って欲しい事を伝える。
「いいや!まだ大切な事を伝えられていない!今度の15歳の誕生日には、俺は王子として参加する予定だ。そこで、皆にも王子である事を発表する!アリス、俺は君に初めて会ったあの日から、ずっと君だけを愛してきた。どうか、俺と婚約して欲しい!必ず幸せにするから!」
私の手を握り、真っすぐに見つめるエドワード様には、嘘偽りは感じられない。でも…ずっと親友だと思っていた女性が実は男性で、さらに求婚されるだなんて、頭が付いて行かない。
「エドワード様、気持ちは有り難いのですが、私はあなたの事をずっと女性だと思っていました。ですので、急に婚約と言われましても…」
正直困る!
「そうだな…急にこんな事を言われても、君も混乱しているだろう。わかった!今すぐ婚約して欲しいとは言わない。でも、俺は7年間ずっとこの気持ちを抑えて、友人として君に接して来たんだ!悪いが、正直これ以上気持ちを抑えられる自信はない!その事は覚えておいて欲しい!」
物凄い勢いで迫って来るエドワード様。
「あぁ、やっぱりアリスは可愛いな…それにいい匂いがする…」
近い…近いわ…
その時だった!
「殿下、やはりここにいらしていたのですね!15歳のお誕生日を迎えるまでは、女性として過ごしてくださいと申し上げたでしょう!とにかく帰りますよ!アリス様、お騒がせして申し訳ございません!どうかこの事は内密に!」
物凄い勢いで入って来たのは、エドリーンの専属執事だ。後ろには王宮御用達の護衛騎士たちもいる。
「ちっ!バレたか!それじゃあアリス、また会いに来るからね!」
そう言って抱き着こうとするエドワード様を制止し、さっさと連れて行く執事と護衛騎士達。
「おい、俺はまだアリスとの抱擁が済んでいないんだぞ!離せ!」
そう叫んでいるが、私にはただ見守る事しか出来ない。エドワード様が退場された後、何とも言えない気まずい空気が流れたのであった。
とりあえずエドリーン…じゃなくてエドワード様…って、なんだかややこしいわね!とにかく離して欲しくて、必死に訴えかけた。
「ごめんごめん、つい嬉しくて。それにしても、どうして急に敬語なんだい?いつもの様に話して欲しいな」
物凄く寂しそうな顔をされてしまい、
「ごめんなさい。どうしてもその姿になれなくて…」
つい正直に答えてしまった。それにしても、本当にエドリーンが男だったなんて、未だに信じられない。
「とにかく座って話をしましょう。えっと…エドワード様」
なんだか慣れないわね。
「あぁ、アリスに名前を呼んでもらえるなんて!そうだね、色々と話したいこともたくさんあるし」
そう言ってやっと腰を下ろしたエドワード様。なぜか私の腕を掴み、隣に座らせた。
「あの…エドワード様…」
「どうしたんだい?いつも隣同士で座っていただろう?」
確かにそうだけれど、それはエドリーンだったからで…でも、何となくこの人には通用しない気がする。なんだか疲れて来たわ…
「アリス、今まで騙していてすまなかった。まずは謝罪をさせてくれ。実は俺が産まれる3年くらい前から、王妃を含め側妃たちの出産ラッシュが始まったんだ。そしてなぜか産れる子供は男ばかり。その為、自分の子供を王にしたい女たちの、醜い争いが始まった。そして、まず産まれて間もない第3王子が命を落とした。そして続けざまに第4王子も命を落としたんだ。そんな中、俺の母親の妊娠が分かった。俺が女なら問題なかったのだが、産まれて来た俺は男だった。その為、王位に興味がない母上が父上に相談し、女として育てる事にしたって訳。確実に生き抜く為には、女として生きていく方がずっと安全だからね」
王宮内は嫉妬と騙し合い、暗殺の危険でいっぱいだと聞いていたが、ここまで凄い事になっていたなんて。そう言えば、エドリーンのお母様は第4王妃様だったわね。何度もお会いした事があるが、穏やかでとても優しい方だもの。確かにあの人なら、王位よりも我が子の命を取りそうね。
「そうだったのですね。エドワード様も随分と苦労されたのですね」
「そうだね。女として生きていくのは、やっぱり大変だったよ。でも、そのおかげでアリスの側にずっといられたから、その点は良かったけれどね!」
そう言って頬ずりしてくるエドワード様。ちょっと…私は男の人には免疫がないのだから、止めて欲しいわ!それにしても、本当に男らしい声ね…
「エドワード様、1つお聞きしてもよろしいですか?エドリーンはもっと可愛らしい声をしておりましたし、胸だってありましたわ…本当にあなたがエドリーンなのですか?」
「ああ、あの胸は偽物だよ。声もこの特殊な装置を喉にセットして替えていたんだ。ほら、こうやって!」
エドワード様が喉に器具をセットすると、確かにエドリーンの声になった!という事は、やっぱりエドリーンは男性だったのね…となると…
「あの、という事はアーロ様との婚約は…」
「する訳がないだろう!俺は男だ!そもそも、あの男が勝手に誤解して暴走しただけなんだ!確かに、婚約を解消して欲しいとはお願いしたが…」
そうだったのね…確かに男性同士では結婚する事が出来ないものね…
「それにあいつ、何を思ったのか皆の前で公開プロポーズをしやがったんだ!思い出しただけで吐き気がする!」
心底嫌そうな顔でそう言ったエドワード様。公開プロポーズって…そう言えば、アーロ様は随分と盛り上がっていたものね…
正直一気に情報を詰められて、頭がパンク寸前だ。とにかく一度頭の中を整理したい。
「エドワード様、とにかく一気に話を聞いたせいで、頭がパンク寸前です。一度整理したいので、今日はこの辺で」
遠回しに帰って欲しい事を伝える。
「いいや!まだ大切な事を伝えられていない!今度の15歳の誕生日には、俺は王子として参加する予定だ。そこで、皆にも王子である事を発表する!アリス、俺は君に初めて会ったあの日から、ずっと君だけを愛してきた。どうか、俺と婚約して欲しい!必ず幸せにするから!」
私の手を握り、真っすぐに見つめるエドワード様には、嘘偽りは感じられない。でも…ずっと親友だと思っていた女性が実は男性で、さらに求婚されるだなんて、頭が付いて行かない。
「エドワード様、気持ちは有り難いのですが、私はあなたの事をずっと女性だと思っていました。ですので、急に婚約と言われましても…」
正直困る!
「そうだな…急にこんな事を言われても、君も混乱しているだろう。わかった!今すぐ婚約して欲しいとは言わない。でも、俺は7年間ずっとこの気持ちを抑えて、友人として君に接して来たんだ!悪いが、正直これ以上気持ちを抑えられる自信はない!その事は覚えておいて欲しい!」
物凄い勢いで迫って来るエドワード様。
「あぁ、やっぱりアリスは可愛いな…それにいい匂いがする…」
近い…近いわ…
その時だった!
「殿下、やはりここにいらしていたのですね!15歳のお誕生日を迎えるまでは、女性として過ごしてくださいと申し上げたでしょう!とにかく帰りますよ!アリス様、お騒がせして申し訳ございません!どうかこの事は内密に!」
物凄い勢いで入って来たのは、エドリーンの専属執事だ。後ろには王宮御用達の護衛騎士たちもいる。
「ちっ!バレたか!それじゃあアリス、また会いに来るからね!」
そう言って抱き着こうとするエドワード様を制止し、さっさと連れて行く執事と護衛騎士達。
「おい、俺はまだアリスとの抱擁が済んでいないんだぞ!離せ!」
そう叫んでいるが、私にはただ見守る事しか出来ない。エドワード様が退場された後、何とも言えない気まずい空気が流れたのであった。
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