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第11章 陰謀編
何者?
しおりを挟む公爵令嬢サヴィアリーナ。
怯えてもおかしくない状況下で余裕の表情を見せ、所作は自信にあふれている。
そんな公爵令嬢にどう対応すればいい?
彼女も眠らせようと思っていたんだが……。
「本当に困りました。ある程度は予想していましたけど、これはちょっと想定外ですし」
予想、想定外?
「……この事態を読んでいたと?」
「いえ、ここまでは考えていませんでしたよ」
では、どこまで考えていたんだ?
そもそも、なぜ俺の行動が読める?
わけが分からない。
「本当に、色々と驚かせてくれますね」
何を言ってる。
それも、こっちのセリフだろ。
「サヴィアリーナ様……あなたいったい何者なんです?」
「公爵家の次女ですけど」
「そういうことではなく」
公爵令嬢という顔の裏側に何があるのか教えてくれ。
「……」
そうだよな。
一介の冒険者相手に答えられることじゃないよな。
であるなら、やはり彼女にも……。
と考え始めたところで、彼女の纏っていた空気が一変。
かなりの剣気が溢れ出している。
「では……」
気を隠そうともせず立ち上がった令嬢がこちらに歩きだす。
俺と戦うつもりか、無手で?
いや、短剣だ。隠し持っていたんだな。
「これでどうです?」
その一言とともに床を蹴り、腕を一閃。
素晴らしい速度と切れで振るわれた短剣が俺に迫る。とはいえ、この身に受ける程ではない。一歩後退して、短剣を流してやる。
「さすがですね」
初手を軽く躱され、どう出るかと思ったが。
その場で動きを止め、喜色を溢れさせている?
さらに、その状態で剣気が増して?
「ふふ……」
口元を緩めながら、こっちを眺めている公爵令嬢。
普通ではないと分かってはいたが、まさか戦闘狂なのか?
「もう一手まいりますよ」
増え続ける剣気とともに令嬢が跳躍。
最前とは比べ物にならない一撃が飛んでくる。
これはもう、素晴らしいなんて言葉では足りない。
一流の剣士のそれすら超える剣撃だろう。
シュン!
ギリギリだった。
が、何とか短剣を回避することができた。
ただ、今度は止まらない。
「っ!」
油断すればすぐさま切り裂かれるような剣撃が連続で迫ってくる。
本当にとんでもない剣の冴えだ。
シュッ!
そんな短剣が俺の目の前で急停止。
「どうです?」
剣気が薄れていく。
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