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第二章 シルフェリアとの別れとイリスの覚悟
47話 「変形」その3
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「エリカーーーー!!イリスはどこに居ますの?!」
「ええーーーー?!」
クレアイリスを捜索していた訓練の事を何も知らないエリカが龍騎士隊イリスの隊舎に来た途端に副長のシルフィーナから怒られる。
「あっ・・・もしかしてイリス・・・やっちゃった?」
隊舎にある発進場には完全装備で待機している龍騎士達が整列していた。
訓練直前で全員の緊迫感が半端無い!
「今日はセクション3の発進と編隊飛行訓練ですのよ?!
先頭のイリスが居ないと編隊が組めません!エリカ!貴女が代わりに務めなさい!」
気合いが入ってるシルフィーナは怖いのだ!
「あ・・・やっぱりそうなるよね?」
参謀でこの中での最高階級のエリカ、サボり隊長のとばっちりを食らい隊長代行をやらされる。
「何で私が?!」とは、とても言えない、何度も言うが訓練直前の兵士達の気合いと緊迫感は半端では無いのだ。
「第二小隊は隊長捜索中の隊員が到着次第に後発して合流なさい!
エリカ!すぐに全隊発進しますわ!号令を!」
そう言って、ボウンと風竜になりガストンを乗せ所定の位置につくシルフィーナ。
当たり前だが時間が押しているのだ!早よせい!エリカ!
「ははははいい!!」
心の準備を!心の準備をさせて下さい!と思うエリカだが時間が無い!
ボウンと変形を解き、グリフォンになり、ロイを乗せて「隊長のイリス」が就くはずの先頭のポジションに就く。
セクション3・・・セクション3なら急襲を受けた時の緊急発進よね?!
何とか「隊長のイリス」が自分に提出した計画書の訓練内容を必死に思い起こす。
要するにかなり難しい内容の訓練なのだ。
《総員!3列縦隊にて発進!私に続いて一回転後に急上昇!》
魔力を足に込めてドオオオオオン!!と急発進するエリカ!
上昇中にクルリと一回転して雲目掛けて更に急上昇して行く。
それに続けて450名の龍騎士が次々にエリカと同じ挙動と航跡を取りながら雲の中に消えて行く・・・
イリスよ・・・こんな大事な訓練をサボったのか・・・さらばだイリスよ・・・
そしてこのセクション3の訓練が大規模な遭遇戦の引き金となるのだ。
この時、イリスを捜索しているブリックリンとミイと25名の隊員と竜達が首都中に散開している。
そして合流待ちで待機中の第二小隊の龍騎士50名、結構な戦力がまだ隊舎から発進していないのも重要となって来る。
龍騎士隊イリスの発進を「遠目」のスキルで監視している一団が居た。
「30分程、情報にあった訓練開始時間より遅れたが龍騎士共が隊舎から発進したな。
予定では首都から海側に200kmは離れるはずだ」
「遠視」を使っている男がそう言うと・・・
「よし!計画通りに「女王クレア」誘拐作戦を開始する!
女王クレアの居場所はどこだ?報告しろ!」
「はい!女王クレアは未だ公爵邸にいます!」
「はい!女王クレアは郊外の公園付近にいます!」
指揮官らしき男からの問いに同時に二つの報告がされる・・・
「なに?!どう言う事だ?!」思いもして無かった報告に再度聞き返す指揮官。
「分かりません!でも確かに女王クレアは2人居ます!
どちらかが影武者だと思いますが「遠目」では確認が困難との事!」
「襲撃計画がバレて手を打たれたか?その為に龍騎士共の発進が遅れた?」
「しかし郊外の公園に居ると言うのが解せません。
しかも女王クレアは単独で公園に居るとの事、こちらが影武者で我々を誘き出す作戦では?」
「その割にはフラフラと護衛も混乱する程の勢いで動き回っているとの事、
案外公爵邸のクレアが影武者で公園のクレアが本物で単純に単身で息抜きをしているのでは?」
「ぬう?・・・」どちらもあり得そうだと、考え込む指揮官。
隠密なので2正面作戦を行う戦力はさすがに無い・・・
図らずともイリスの遊びが襲撃者達への陽動になっていたのだ。
「報告します!公園のクレアが龍騎士から逃げ出したとの事です!」
あっ!遂にクレアイリスが捜索隊に発見されて追いかけられてやんの、ざまぁ♪
つか、クレアイリスになってるのがもう捜索隊にバレてるじゃん。
「はぁ?!龍騎士から逃げ出した?!何で?!」
また予想外の報告に混乱する指揮官。
「お忍びで遊んでいるのが見つかって配下に連れ戻されそうになってると考えるのが妥当だと思います!
完全に護衛が居ないと思って良いのでチャンスなのでは?」
「ぬうう?!」確かに陽動にしてはアホ過ぎる・・・
1人逃げる女王クレアなど格好の獲物だ、いや・・・しかしアホ過ぎる・・・
聡明で叡智と名高い女王クレアがそんなアホを事するか?と疑問な指揮官。
「隊長!悩んでいる内に龍騎士共が海から戻って来ます!」
スパイからの情報では龍騎士隊イリスは海での警戒飛行した後に首都防衛の飛行訓練をするとの事、戻って来るまでの時間が無い!
「公園クレアを目標に作戦を開始する!地上部隊行動開始!
グルル部隊もいつでも出れる様に準備しておけ!」
「了解!」
襲撃者達による女王クレア誘拐作戦が決行される、しかし「グルル」とな?ガルーダの亜種とは、また面白い空中戦力を持っているな・・・こやつら何者じゃ?
「あーん!見つかっちゃったよー」
テテテテテと市街地へ向けて走る、サボり隊長のクレアイリス。
ねえ?お主はもう諦めて訓練に参加したら?
すると、クレアイリスの前に、ズドドド!!!と、氷の魔法弾が撃ち込まれる!
「ふわ?!」急に撃ち込まれた魔法に驚き横っ飛びするクレアイリス。
「ええ?!ここまでする?!いや!この魔力は魔族か?!」
前に戦闘して魔族の魔力波動は覚えている、襲撃されてると理解したクレアイリス!
「魔闘法!!」魔力で身を包み身体能力を上げるクレアイリス。
腰を落として魔法障壁を展開する!
「あっ!師匠の身体、戦い易そう?!」スムーズに魔闘法のオーラが展開されている。
何だかんだ大人のクレア、小柄ながら完成された身体なのだ。
成長途中でアンバランスな所があるイリスの身体とは違う。
「でも!囲まれてる!ウインドカッター!!」
包囲を抜けようとウインドカッターを真正面に放ち駆け始めるクレアイリス!
ギィーン!!カン!カカーーン!!
魔法は弾かれたが、隙をついてスライディングで敵の横を滑って包囲を突破する!
この時点でイリスの目は襲撃者の姿は捉えられていない、かなり高度な隠蔽のスキルを持った敵だが魔力感知で位置だけは分かっている。
「積極的に攻撃して来ないね!狙いは誘拐!」
まだ最初の牽制魔法の他は攻撃を受けていない、誘拐が目的で暗殺では無い、
クレアイリスに死なれては困るからだと予想をする。
「クソ!こっちが影武者か!」
聞いていた女王クレアと戦闘スタイルが違う、このクレアイリスが女王クレアと別人だと判明する。
「どうする?!」
「予定通りに誘拐する!これだけ似ているのだ使い道はある!」
「師匠じゃ無くて残念だったね!へっへーんだ!」
かなりイッパイイッパイだが煽るクレアイリス、龍騎士が後ろから追いかけて来ているのだ合流まで時間を稼ぎたい!
かなり劣勢なクレアイリス、訓練をサボったイリスに早速、天罰が落ちるのだった。
「ええーーーー?!」
クレアイリスを捜索していた訓練の事を何も知らないエリカが龍騎士隊イリスの隊舎に来た途端に副長のシルフィーナから怒られる。
「あっ・・・もしかしてイリス・・・やっちゃった?」
隊舎にある発進場には完全装備で待機している龍騎士達が整列していた。
訓練直前で全員の緊迫感が半端無い!
「今日はセクション3の発進と編隊飛行訓練ですのよ?!
先頭のイリスが居ないと編隊が組めません!エリカ!貴女が代わりに務めなさい!」
気合いが入ってるシルフィーナは怖いのだ!
「あ・・・やっぱりそうなるよね?」
参謀でこの中での最高階級のエリカ、サボり隊長のとばっちりを食らい隊長代行をやらされる。
「何で私が?!」とは、とても言えない、何度も言うが訓練直前の兵士達の気合いと緊迫感は半端では無いのだ。
「第二小隊は隊長捜索中の隊員が到着次第に後発して合流なさい!
エリカ!すぐに全隊発進しますわ!号令を!」
そう言って、ボウンと風竜になりガストンを乗せ所定の位置につくシルフィーナ。
当たり前だが時間が押しているのだ!早よせい!エリカ!
「ははははいい!!」
心の準備を!心の準備をさせて下さい!と思うエリカだが時間が無い!
ボウンと変形を解き、グリフォンになり、ロイを乗せて「隊長のイリス」が就くはずの先頭のポジションに就く。
セクション3・・・セクション3なら急襲を受けた時の緊急発進よね?!
何とか「隊長のイリス」が自分に提出した計画書の訓練内容を必死に思い起こす。
要するにかなり難しい内容の訓練なのだ。
《総員!3列縦隊にて発進!私に続いて一回転後に急上昇!》
魔力を足に込めてドオオオオオン!!と急発進するエリカ!
上昇中にクルリと一回転して雲目掛けて更に急上昇して行く。
それに続けて450名の龍騎士が次々にエリカと同じ挙動と航跡を取りながら雲の中に消えて行く・・・
イリスよ・・・こんな大事な訓練をサボったのか・・・さらばだイリスよ・・・
そしてこのセクション3の訓練が大規模な遭遇戦の引き金となるのだ。
この時、イリスを捜索しているブリックリンとミイと25名の隊員と竜達が首都中に散開している。
そして合流待ちで待機中の第二小隊の龍騎士50名、結構な戦力がまだ隊舎から発進していないのも重要となって来る。
龍騎士隊イリスの発進を「遠目」のスキルで監視している一団が居た。
「30分程、情報にあった訓練開始時間より遅れたが龍騎士共が隊舎から発進したな。
予定では首都から海側に200kmは離れるはずだ」
「遠視」を使っている男がそう言うと・・・
「よし!計画通りに「女王クレア」誘拐作戦を開始する!
女王クレアの居場所はどこだ?報告しろ!」
「はい!女王クレアは未だ公爵邸にいます!」
「はい!女王クレアは郊外の公園付近にいます!」
指揮官らしき男からの問いに同時に二つの報告がされる・・・
「なに?!どう言う事だ?!」思いもして無かった報告に再度聞き返す指揮官。
「分かりません!でも確かに女王クレアは2人居ます!
どちらかが影武者だと思いますが「遠目」では確認が困難との事!」
「襲撃計画がバレて手を打たれたか?その為に龍騎士共の発進が遅れた?」
「しかし郊外の公園に居ると言うのが解せません。
しかも女王クレアは単独で公園に居るとの事、こちらが影武者で我々を誘き出す作戦では?」
「その割にはフラフラと護衛も混乱する程の勢いで動き回っているとの事、
案外公爵邸のクレアが影武者で公園のクレアが本物で単純に単身で息抜きをしているのでは?」
「ぬう?・・・」どちらもあり得そうだと、考え込む指揮官。
隠密なので2正面作戦を行う戦力はさすがに無い・・・
図らずともイリスの遊びが襲撃者達への陽動になっていたのだ。
「報告します!公園のクレアが龍騎士から逃げ出したとの事です!」
あっ!遂にクレアイリスが捜索隊に発見されて追いかけられてやんの、ざまぁ♪
つか、クレアイリスになってるのがもう捜索隊にバレてるじゃん。
「はぁ?!龍騎士から逃げ出した?!何で?!」
また予想外の報告に混乱する指揮官。
「お忍びで遊んでいるのが見つかって配下に連れ戻されそうになってると考えるのが妥当だと思います!
完全に護衛が居ないと思って良いのでチャンスなのでは?」
「ぬうう?!」確かに陽動にしてはアホ過ぎる・・・
1人逃げる女王クレアなど格好の獲物だ、いや・・・しかしアホ過ぎる・・・
聡明で叡智と名高い女王クレアがそんなアホを事するか?と疑問な指揮官。
「隊長!悩んでいる内に龍騎士共が海から戻って来ます!」
スパイからの情報では龍騎士隊イリスは海での警戒飛行した後に首都防衛の飛行訓練をするとの事、戻って来るまでの時間が無い!
「公園クレアを目標に作戦を開始する!地上部隊行動開始!
グルル部隊もいつでも出れる様に準備しておけ!」
「了解!」
襲撃者達による女王クレア誘拐作戦が決行される、しかし「グルル」とな?ガルーダの亜種とは、また面白い空中戦力を持っているな・・・こやつら何者じゃ?
「あーん!見つかっちゃったよー」
テテテテテと市街地へ向けて走る、サボり隊長のクレアイリス。
ねえ?お主はもう諦めて訓練に参加したら?
すると、クレアイリスの前に、ズドドド!!!と、氷の魔法弾が撃ち込まれる!
「ふわ?!」急に撃ち込まれた魔法に驚き横っ飛びするクレアイリス。
「ええ?!ここまでする?!いや!この魔力は魔族か?!」
前に戦闘して魔族の魔力波動は覚えている、襲撃されてると理解したクレアイリス!
「魔闘法!!」魔力で身を包み身体能力を上げるクレアイリス。
腰を落として魔法障壁を展開する!
「あっ!師匠の身体、戦い易そう?!」スムーズに魔闘法のオーラが展開されている。
何だかんだ大人のクレア、小柄ながら完成された身体なのだ。
成長途中でアンバランスな所があるイリスの身体とは違う。
「でも!囲まれてる!ウインドカッター!!」
包囲を抜けようとウインドカッターを真正面に放ち駆け始めるクレアイリス!
ギィーン!!カン!カカーーン!!
魔法は弾かれたが、隙をついてスライディングで敵の横を滑って包囲を突破する!
この時点でイリスの目は襲撃者の姿は捉えられていない、かなり高度な隠蔽のスキルを持った敵だが魔力感知で位置だけは分かっている。
「積極的に攻撃して来ないね!狙いは誘拐!」
まだ最初の牽制魔法の他は攻撃を受けていない、誘拐が目的で暗殺では無い、
クレアイリスに死なれては困るからだと予想をする。
「クソ!こっちが影武者か!」
聞いていた女王クレアと戦闘スタイルが違う、このクレアイリスが女王クレアと別人だと判明する。
「どうする?!」
「予定通りに誘拐する!これだけ似ているのだ使い道はある!」
「師匠じゃ無くて残念だったね!へっへーんだ!」
かなりイッパイイッパイだが煽るクレアイリス、龍騎士が後ろから追いかけて来ているのだ合流まで時間を稼ぎたい!
かなり劣勢なクレアイリス、訓練をサボったイリスに早速、天罰が落ちるのだった。
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