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38話
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ズビアが街の冒険者ギルドや人々からの話を聞いて、噂や現状を話してくれる。
「これだけの事態が起きているのに、国民がそこまで焦っていないことも、妙な点です」
「ワイバーンが侵攻したり、モンスターが狂暴化して暴れているのに……国民は冷静なの?」
思わず私が尋ねると、ズビアは頷いて。
「はい。ワイバーンの襲撃がしばらく行われず、モンスターも更に狂暴にならず抑えきれているとはいえ、現状が危険なのは変わりません……冒険者達は危機感を抱いているも、国民は日常を送ることができているようです」
国民は冷静そうなのが、ズビアは気になっている様子だ。
そして冒険者達もそれが変だと考えているからこそ、ズビアは気付けたのでしょう。
それが気になっていると……ハロルドが呟く。
「これは、私の勘違いなのかもしれませんが……この森の外だと、俺は時々精神に干渉されていた気がします」
「……えっ?」
「どういうことだ?」
私が驚き、ウォルフが尋ねて……ズビアは何も言わずハロルドをじっと眺めている。
それに動揺しながらも、ハロルドは身に起きてたことを話してくれた。
「いえ、精神状態なんて日によって変わりますし、気のせいかもしれませんけど……森の外だと時々、一瞬とはいえ思考ができなくなる時がありました」
「……それは、気のせいじゃないだろうね」
「ズビア、どういうことだ?」
困惑しながら話してくれるハロルドに対して、ズビアが何か気付いた様子だ。
ウォルフが尋ねると、ズビアが私達を眺めてから。
「この国の人々はどこかおかしいんだ……時々、魔力が急激に減る時があって、ハロルドはそれを体感した可能性が高い」
「魔力が急激に減る……私が結界を張っていた時もそうなら、それは国にとって悪影響ではないはず」
結界を張って聖域にすることで、呪いや悪意のある魔法は打ち消しやすい空間を作っていた。
その時にもハロルドが精神に干渉されていたのなら……それは、ルドロス国にとってマイナスではないことになる。
恐らくそれが切札に関係していそうな気がするけど、そんな魔道具を私は知らない。
ライオスなら私の知らない魔道具を所持していてもおかしくなくて、ルドロス国には切札が実在すると思うようになっていた。
「これだけの事態が起きているのに、国民がそこまで焦っていないことも、妙な点です」
「ワイバーンが侵攻したり、モンスターが狂暴化して暴れているのに……国民は冷静なの?」
思わず私が尋ねると、ズビアは頷いて。
「はい。ワイバーンの襲撃がしばらく行われず、モンスターも更に狂暴にならず抑えきれているとはいえ、現状が危険なのは変わりません……冒険者達は危機感を抱いているも、国民は日常を送ることができているようです」
国民は冷静そうなのが、ズビアは気になっている様子だ。
そして冒険者達もそれが変だと考えているからこそ、ズビアは気付けたのでしょう。
それが気になっていると……ハロルドが呟く。
「これは、私の勘違いなのかもしれませんが……この森の外だと、俺は時々精神に干渉されていた気がします」
「……えっ?」
「どういうことだ?」
私が驚き、ウォルフが尋ねて……ズビアは何も言わずハロルドをじっと眺めている。
それに動揺しながらも、ハロルドは身に起きてたことを話してくれた。
「いえ、精神状態なんて日によって変わりますし、気のせいかもしれませんけど……森の外だと時々、一瞬とはいえ思考ができなくなる時がありました」
「……それは、気のせいじゃないだろうね」
「ズビア、どういうことだ?」
困惑しながら話してくれるハロルドに対して、ズビアが何か気付いた様子だ。
ウォルフが尋ねると、ズビアが私達を眺めてから。
「この国の人々はどこかおかしいんだ……時々、魔力が急激に減る時があって、ハロルドはそれを体感した可能性が高い」
「魔力が急激に減る……私が結界を張っていた時もそうなら、それは国にとって悪影響ではないはず」
結界を張って聖域にすることで、呪いや悪意のある魔法は打ち消しやすい空間を作っていた。
その時にもハロルドが精神に干渉されていたのなら……それは、ルドロス国にとってマイナスではないことになる。
恐らくそれが切札に関係していそうな気がするけど、そんな魔道具を私は知らない。
ライオスなら私の知らない魔道具を所持していてもおかしくなくて、ルドロス国には切札が実在すると思うようになっていた。
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