縁の鎖

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王太子と侍女

尋問

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「…っつ。」
「目が覚めたか?」
「!?…殿下!私はいったい…。」

公爵は南別館の護衛兵の部屋で目を覚ました。


「覚えているか?」
朧げおぼろげですが、覚えております。殿下に刃を向けるなど、臣下にあるまじき事。家名断絶、斬首首、なんなりと罰していただいて構いません。覚悟はできています。」
「そうか。だが罪状と厳罰を決めるのは、大公に起きた現象と状況の確認が済んでからだ。まず私に刃を向けたのは覚えてるのだな?」
「はい。小型のタガーナイフとは言え、殿下に…。」
「私に刃を向けたは覚えているか??」
「…殿下に刃を向けた…動機…。っ痛っっ。」


ジェイドは頭を抱え、痛みを耐えるよう拳を強く握る。


「大公、休息を入れるか?」
「いえ。頭痛は今に始まった事ではありませんので。続けて下さい。」
「頭痛は常にあるのか?今、治癒の護符ゲリールブラスレを付けさせてもらっているが、頭痛は治りそうにないか?」
治癒の護符ゲリールブラスレ!?私は操られていたのですか!?」
「まだ断定はできんが、可能性は大きい。先程の大公は常軌を逸していた。」
「この頭痛は、その副作用ですか?王都にいる間は出なかったのですが、領地に居ると頭痛と倦怠感が頻発に起きるのです。」
「あくまで、可能性だ。掌握術は魔術の中でも稀なスキルだ。掌握術ではなく毒による支配の可能性もある。」
「いったい誰が…。やはり…この土地は私にとって災いの地かもしれません…。」
「大公はかなりの愛妻家だと聞いている。そのため今でも、ダチュラ殿を正妻にしていないのだと。その最愛の奥方との思い出も多い土地ではないのか?災いの地と言うのは言い過ぎではないか?」
はサリーフィリアの願いで、女主人としての振る舞いをゆるしているのです。愛がないわけではないのですが、正妻にするつもりは一切ありません。可愛い女ですがサフィを喪った穴を埋めれるほどの存在ではなかった。サフィとの思い出が多すぎ、辛さから逃げるため領地には戻らなかったのです。」
「では、その最愛の女性の忘れ形見の御息女は、どうされているのだ?私に刃を向けている時は、フィサリス嬢をと言っていたが?」
「ジュエリア…あの娘は、私の愛するサフィの命を縮めた!あの娘さえ居なければ、サフィが命を落とすこともなかった!その上、言いつけも守れない者など、どうして居ようと気にもなりません!」
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