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第6章 アカネと森の狼さんと熊さん クラッシュ編

【男の娘055】アカネと契約と魔法

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「まーまー美味かったのー、お腹一杯になったら眠くなったぞ。アカネ、我は昼寝するぞ」

ティムはダイビングの床の上でそのまま丸まって寝てしまった。

「ティム、床の上で寝ると汚いから上に行くよ。」

と持ち上げようとしたけど、持ち上がらない。見た目通りの小学校高学年くらいの男の子だから、持ち上げられると思ったんだけど。。。

女の子の私の力じゃ、これもダメみたいだよ。うーん、試しに魔法がこの状態で出来るか確認しておこうかな?

「7人の小人」

ボムっという音と共に、妖精達が姿を現す。

「おーおー、ドラゴンと契約してても、妖精さん達は、ちゃんと召喚出来るみたいだね。妖精さん達、ティムを私の部屋のベットまで、運んでくれる?」

イエッサーとばかりに、7人全員が私の方をみて、敬礼をして、作業にとりかかる、小さい小人さん達が巨人を運ぶ物語って、ガリバー旅行記みたいだね。

そうだ。サクサク運べるように『加速』の魔法を使ってみよう。えいっと、赤い服の妖精さんにかけて見たけど、全くスピードがかわらない。どうも不発のようだ。

「あれっ?牧場の時は、連続で魔法をかけられたんだけどな。今回はダメ?前も小人さん召喚した状態で、火や水の魔法は、ダメだったから、召喚魔法は連続で使えないのかな?これは、小人さんを送還してからでないと確認出来ないよね」

その後は、お母様に呼ばれて、小人さん達と夕食の準備。夕方にはお父様がヘトヘトになって、マッシュ兄さんと一緒に帰ってきてた。

あちゃー、結局お父様、お弁当なかったら、お昼抜きでの作業になってたよ。お母様と、兄さんナイス判断です。

お父様には、マッシュ兄さんから、ティム(ドラゴン)についての報告が詳細にされていたため、驚くこともなく、挨拶が終わった。

ちょっと、いや、注意深くお父様の口元を見ると若干引き攣っているのがわかる。また、人様にはお話出来ない秘密事が舞い込んできたので、どうしても笑顔になれないんだね。ごめんなさいね、お父様。

食事は、今回はクリームシチューを、作ってみた、牧場もあるし農家なら、バッチリなメニューじゃない。お父様もお兄様も疲れているだろうし、頑張って作っちゃいました。

 妖精さん達は、味見と称して、おさらに顔を埋めて食べてたから、終わった後は、7人とも、口の周り所か、顔全体が白くなっていて、私もお母様も大笑いしちゃったけど。

夕食時には、ティムも起きてきて、一緒に食べることになったよ。週に一回でいいって言ってたけど、クリームシチューの香りに負けて、一緒に食べることに。

「ふぁー、良く食べた。今日の夕飯も美味しかった。母さん、アカネ。美味しい夕食をありがとう」

このところ、お父様は、食事の終わりの折にはこうやって私やお母様への食事への準備の感謝が必ず入ってきてる。私も、外で頑張っ働いているお父様やお兄様に感謝しないとね。

「さっ、美味しい食事も終わったことだから、今日起きたことを報告していこう」

キャロットちゃんもいる中で話しあいが行われる。小さい子だからって、重要な話しあいから外されることはない。この辺境では、随時状況を把握しておかないと、何が起こるか分からないんだって。

今回の狼襲撃にしたって、前から予兆みたいなものはあったはずなのだが、私達は見事に見逃してしまっていたようだ。

今日の悪かった報告として、狼の襲撃があったこと、熊が増殖して、生活圏を広げていたことの2つだ。

よかったことは、クリームシチューが美味しかったこと、ドラゴンのティムに出会えたこと、そして、襲撃での死者が0名であったこと、養蜂箱の、試作第一号が完成したことが挙げられた。

牧場の柵が軒並み破壊されており、復旧作業に時間がかかりそうだったり、牛、羊達に怪我を、負ったものが多数いて、治療に時間がかかるようだ。

その上で

「現在、ペレトンやグラファンに頼んで、森の動物や鳥の力を借りて、森や近隣の熊の影響範囲を確認中だ。それが、分かり次第、攻勢に打ってでて、討伐する予定だった。。。が、状況が変わった。」

とお父様は、チラッと、私とティムに視線を送る。そして、それに合わせるかのように、参加している視線が私とティムに集まった。

 視線が集まることに慣れてない私は、恥ずかしくて耳を真っ赤にして下に俯いた。こういう重要な会議は苦手だよ。おじいちゃんと話す時は、そんなに大勢の人はいなかったし、命に関わることはなかったから、ここまで緊張した雰囲気にもならず、もっと和やかな空気で話しあってたもん。

「アカネが、そこに座っているドラゴンのティム殿と契約して、今後うちに住むことになったからだ。」

はい、お父様ぶっ込みました。この屋敷に置いては、ティムのことを秘密にする気はないようです。

「えっ、ドラゴンさんですの?」

キャロットちゃんがビックリした様子で再びティムを見る。ティムは何処吹く風で、シチューの余っているものをよそって食べている。会議には興味がないようだ。

「キャロットや。驚くのも無理はない。私だって
。マッシュから説明された時は信じられなんだからな。家に帰ってティム殿と挨拶を交わすまではな。まさか、神話の霊獣がうちの屋敷で美味しそうにシチューを食べているなんて誰も思うまい。」

ごくっと唾を飲み込み、キャロットちゃんが頷く。
 
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