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死の真相

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「お前が人間全体を信じられなくなっちまったのは仕方のないことさ。お前は見た目や出自がだいぶと変わっているし、そのことで酷い目に遭わされたことだってあるんだから」
「…ああ」
ロメオに手篭めにされそうになった苦い記憶を思い出して、ピノキオは口の奥で軽く歯ぎしりした。
エウジェニオときたら、カルロが来てからずっとこの調子だ。
勝手にカルロにピノキオのことをベラベラと話したり、かと思えばこんなことを言い出してピノキオの神経を逆撫でし始める。
なんだってこんなことをするのか、ピノキオには分かりかねた。

「ただ、どんな酷い目に遭っても、ジェペットさんがいたからどうにかなってたんじゃないか?逆に、ジェペットさんがいなくなったばかりにどうにもならなくなって、ますますこの家や過去の思い出に固執するようになったんじゃねえか?少なくとも、俺はそう思っているんだ」
エウジェニオの言葉を受けて、ピノキオは黙り込んだ。
返す言葉が出てこない。

「俺が新町長さまにお前のことをいろいろ話したのはよ、あのときのことをよく知っている新町長さまなら、お前をここから連れ出すことができると思ったからなのさ」
「連れ出す?どこから連れ出すって言うんだい?私の家はここだし、これからだってそれは変わらない」
ピノキオはますます、エウジェニオの言わんとしていることがわからなくなった。

「お前は過去にずっと縛られてる。ジェペットさんがいなくなったあのときから。お前は、変わっちまった。以前のお前はすごく明るかったし、悪さする子どもがいたら意地でもいい子に更生させようとがんばっていた。なのに、いまは諦めてる」
「それは…」
ピノキオは何も言えなかった。

「お前ときたら、ドアはまともに開かないし閉まらないこの家に、いつまでも居座り続けてる。新町長さまなら、お前をこの家から抜け出させることができると思う。だからよ、新町長さま、頼みます。あのときのことをきちんとピノキオと話し合って、ピノキオを解放してやってくださいませ!」
エウジェニオがカルロに懇願する。

「わかっております。必ずやピノキオさんを助けてみせます。だから、まずはピノキオさんと2人きりにしてはくれませんか?きっと、2人きりでないとできないことなのです」
「かしこまりましてございます。どうか、よろしくお願いします」
カルロの返答を聞いたエウジェニオは、名残惜しそうにしつつ、その場を後にした。

カルロと2人きりにされたピノキオは身構えた。
一体、カルロは何を言い出すのだろうか。
そう考えているうちに、カルロの口がゆっくりと開く。

「ピノキオさん。あなたは、ジェペットさんが亡くなったのは自分のせいなんて思っていらっしゃるのではございませんか?」





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