堕天使

私と同じ翼の生えた彼女は、純白の衣を纏い、

その濡れた唇で私の乾いた唇を塞ぐ。

「何を突然」

と思い振り切ろうとするが、絶望から救われた私は、その求められているという高揚感に酔いしれ、相手に身を委ねるまま口漬けをした。

恐らく周りから見られていればほんの数秒ほどだろう。

だが、私にとって彼女とのキスは月が満ち欠けしてしまうほどに濃厚な一時を体感していた。

「ああ、これでいい」

と感じた途端に、そこにあった2人の時間は消え

彼女も溶けて無くなってしまった

先程は絶望とは比べ物にならないほど、ドス黒いものが心を埋めつくし

輝く羽は、黒く染まり

頭の笑、砂粒のように消えていった

私はフラつく足取りで周辺を意味無く歩き、崖から落ちていき

地獄へ落ち

堕天した
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