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カイル王子とお茶の続き②

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何故カイル王子が不機嫌そうな顔を見せているのか僕には分からなくて、せめて僕が何処にいるのか、トム達に知らせる事が出来たらと…カイル王子に話してみることにした。
「あ……あの、みんなに僕が今何処に居るのか伝えていませんので、それで気になって…すみません」
「……俺と一緒に居るのがイヤじゃなくて?」
「い、いえ、カイル王子と一緒に居ますのがイヤだと思っていません」
(なんでそう思うんだろう?)
「本当に?」
「はい…」
「な~んだ、そっか。早く言ってくれたら良かったのに」
「え?」
「君達、近衛騎士を呼んで暮れないか?」
「はい、分かりました」
「近衛騎士?」
カイル王子はメイドに声をかけ、近衛騎士を部屋へ来るようにと呼んでいた。

コッコッと一人の男性が城内の廊下を歩いていた。
「今日は三人の王子達が闘技場で剣稽古をする事になって城内は静かですね…いつもでしたら騎士とメイド達の話し声がうるさいのですが、近衛以外の騎士は闘技場へメイドも闘技場へ行っていますから城内は怖いほど静かです。
何故メイドもと思ったのですが『女性の歓声も聞きたいから私達の稽古を観たいメイド達が来てくれると嬉しいな」とアルフォンス王子様が言われメイドの半数が闘技場へ行くとは…まぁ、明日の仕事が増えるのはメイド達ですから……最近はカイル様が大人しく部屋に籠り元気がありませんでしたので逆に心配しました。
毎日のようにカイル様に会いに来ていましたオレリア様にもお会いに成らず、機嫌悪く帰りますオレリア様を宥めますのにも苦労しました…はぁ…今日も来られるのでしょうか……はぁ…ですが、今日はカイル様は、闘技場へ行っていますのでオレリア様に闘技場へお越しくださいと言いましたら良いのでは?……しかし、カイル様はしつこい女性はお好きでは無いから……」
ハッ!と口を押さえる男性は周りに誰も居ないかキョロキョロと見渡していた。
「はぁ…独り言が多くなったものです……今日のカイル様は早朝からご自分で身仕度をして闘技場へ向かわれました時は、元気なお姿を拝見致しまして安心しました…これで他のご令嬢方にも城に招待出来ま……」
「本当にカイル様が私をお呼びなのか?」
「はい、近衛の方をお連れするようにと」
廊下を歩いていた男性は、目の前を歩くメイドと王様付きの近衛騎士の会話に思わず「は?カイル様!?」と驚いた姿を見せていた。




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