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カイル王子の教育係②

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コッコッコッと城内を歩くメイドは、騎士学校の服を持ちカイル王子の部屋へと向かっていた。
「はぁ…」
(今日もカイル様とお話しが出来なかったわ…念願のカイル様のメイドに成ったのにお部屋に居ない日が多くて、カイル様の居場所が分かった時には別のメイド達が側にいたり…声をかける事が出来たのにいざと思ったら言葉に詰まってしまうから、声かけるのも簡単そうで難しいのね……)
メイドは小さく息を吐くと手に持っている制服に目を向けた。
(カイル様と一緒に居る騎士学校の生徒の制服を私が他のメイドより先に受け取ったのだけど、あの生徒さん、カイル様の服を着る事が出来て羨ましいと思ったわ…顔もまあまあだけどね)
「あら?何かしら、廊下が騒がしいけれど……」
メイドは歩く足を止め、廊下で会話をする三人の令嬢と近衛騎士とメイドそして、マリユスの姿が見えていた。
「……こ、これはオレリア様にアリーヌ様…」
(はぁ……此方からの招待を出していないのですが、今日も来られましたかオレリア様は……此方からのお手紙を受け取りまして城内に来て頂きたいのですが…お手紙を出しましてもカイル様にお会いするのは難しいもので捜します私も大変です……今日はアリーヌ様もお見えだとは思いませんでした。アリーヌ様には此方からお手紙を出してご招待しているのですが…カイル様が不在の日が多いので、お会いにならずにお帰りになる日が多くカイル様を嫌いになるのではと心配しておりましたが…こうしてお姿をを見ますと安心致します。
カイル様とアリーヌ様、お二人が婚約して下さいましたら私も安堵するのですが…いえ、カイル様が婚約しましてもあの『癖』は治して下さらないと『婚約破棄』に成りましたら大変です!
…おや?アリーヌ様の隣におりますご令嬢はどなたでしょう?
オレリア様の赤いドレスにアリーヌ様の水色のドレス、そして此方のご令嬢のピンク色のドレスでしょうか…春のような色がお似合いのようです)
マリユスは二人の令嬢に頭を下げた後、ピンク色のドレスを着た令嬢に顔を向けると、ニコッと笑顔を向ける令嬢に頬が少し赤く染めマリユスは「はっ」と我に返りアリーヌ嬢に声をかけた。
「……あの、お二人のお側におりますご令嬢の方は……」
「マリユス様ご紹介致します。カイル様にお会いに成りますのが初めてと言われましてご一緒する事に成りましたクレア・ローラン様です」
「え!?……カイル様にお会いにですか?」
アリーヌ嬢がクレア嬢を紹介を受けたマリユスは驚いた顔を見せクレア嬢へ顔を向けた。
「クレア様、この方はカイル様のお側におりますマリユス様です」
「初めまして、わたくしはクレア・ローランと申します」
「……クレア・ローラン……ローラン…ローラン侯爵!?…あ!カ、カイル様の婚約者候補のクレア・ローラン侯爵令嬢様ですか!?」
マリユスは驚いた顔でクレア嬢に声を上げた。








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