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帝国でみつけた幸せ③

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俺は庭の手入れをするヘンリーさんと再会した。
「道具を片付けて終わりだ。グレイ皇子が庭園へ来るかもしれないからな」
「はい、分かりました。これが終わりましたら戻ります」
ヘンリーさんが庭師の仲間と話し終え道具の後片付けをしていた。
俺はヘンリーさんに声をかけようとした時だった。
「ヘンリー!」
離れから女性の声が聞こえ俺はヘンリーさんの側へ行く足を止めてしまった。
「リリア来ていたのか?」
「『来ていたのか?』じゃないでしょう。貴方の姿がまだ見ていなくて捜したのよ」
「ああ、悪い後片付けをしていた所だったんだ」
「もう、庭師は貴方一人じゃないんだから他の人に頼めばいいのに」
「ハハハ、モリスさんと一緒の仕事に成っただけでもう終わったよ。それに、モリスさんの側にいれば花の手入れを間近で見る事も出来るからね」
「はぁ…モリスさんに嫉妬してしまいそう、ヘンリーは花とモリスさんで頭の中がいっぱいなんだから……」
「うーん、モリスさんと花は頭の中にはいないんだけどな…リリアでいっぱいだから」
「え!?も、もう何言っているのよ」
「リリア、次の休日何処に行こうかと迷っていただろう?」
「えっ、うん…」
「君に会って欲しい人がいるんだ」
「会って欲しい人って…誰?私の知っている人?」
「…え…っと、初めて紹介する人なんだ」
「……他に好きな人がいるの?」
「え?」
「私知っているんだから、貴方に告白して来たメイドなんでしょう!?同じメイド仲間だから噂が早いの!誰?エメ!?それともアデライド!?」
「ち、ちょっと待ってリリア!何か勘違いしているようだけど…た、確かに彼女達からそう言う話しは貰ったけど…でも、断ったよ」
「……じゃあ…誰よ、私に会わせたい人って……」
「……私の両親だよ」
「え!?両親?……えっ、ヘンリーのお父さんとお母さん!?」
「……うん…手紙で私に会いに来ると書いてあったんだ。その時に君を私の両親に会わせたいと思って…」
「……わ、私の事もヘンリーのご両親は……」
「ああっ、もう手紙で書いていたから知っているよ」
「……ええ~っ!」
「私はまだ国へ帰る事が出来ないから、両親がルシード帝国に来て暮れる事に成って、両親に君を紹介したいと思っていたんだ」
「……ヘンリー…」
「私が知らない国へ連れて来られ途方に暮れていた日、君が私に声をかけて暮れて…城内の色んな場所へと案内してくれた事が嬉しくて君と初めて会った日から想い続けていた」
「ううっ……ヘンリー……」
俺はヘンリーさんに声をかける事も出来ず…ヘンリーさんも大切な人が出来たんだ……俺は庭園を離れフラフラとあてもない道を歩いていた




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