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夕食を終えた俺達は何故か俺の部屋に集まり姉達とユリーナ母さんがお風呂から上がるのを待っていた。
「今日の母様笑顔が凄かったな…おじ様におば様そしてスティーブン兄様が来ていたせいだろうか?」
ショーン兄がユリーナ母さんのいつもと違う事に気付いたようだ
「僕もそれ思っていたんだ父様の事で今辛いのは母様なのに…凄く楽しそうにしていたから…カイ何か知らない?」
「ええっ?!突然聞くの?……何も知らないけど…母様が元気なら良いんじゃない!」
俺は理由を知っていた為ルカリオ兄から聞かれドキッとした。
俺が話す訳には……大事な事は2人が話すからなそれまで内緒にしなくてはいけなかった。
「僕とリンは母様の側に居たけど分からなかったなカイトが作ってくれたサンドイッチとパンの耳を食べるのに夢中だったから…」
ジェーン兄はサンドイッチを食べた事を話していた。
「良いよねジェーンはさ、カイが作ってくれたサンドイッチって食べ物食べてさ…」
「僕達の分まで何故作ってくれなかったのかな…カイト?」
「ええーっ?!何故って言われても……にぃ達は学校で給食があると聞いたから……」
ジロッと何故か兄2人に睨まれて俺は学校が休みの時に作ってやると約束をして、兄2人は納得してもらった。
サンドイッチで睨まれるとは思わなかった……
暫くした時メイドのカトリアさんがお風呂の知らせが合った
「カイ一緒に入る?」
「え……えっと、暫く1人で入りたいから、にぃ達で入って来て…」
「僕より身長が高いのに恥ずかしがりやだなカイトは…」
ショーン兄は何故か身長に拘り、とにかく兄達に先にお風呂を入って来るように言い俺は最後に1人でゆっくりと入る事にした。
1人部屋の中で今日王様と関係を持ってしまった事を思い出し恐れ多くもこの国の王様から告白されそのままの流れで関係に結び付いてしまった。
俺は男でしか関係が出来ないのかと落ち込みアイツが羨ましいと思った。
王様から昨年から数人の女性と関わっている事を聞かされ、未だに会っている事も聞かされた。
この国では結婚していても許しがあれば結婚出来ると聞かされただがアイツはユリーナさんには他の女性と結婚したいと言わず隠れて会っていたと思う…俺からしてみればこの女性と結婚したいと連れて来ても、隠れて会っていたとしてもどちらも嫌だな…アイツは何を考えているのか自分に近付く者が居れば自分のモノにしてしまう俺からしてみればただの女好きとしか見れない今のアイツは…
俺はルカリオ兄達が風呂から上がるのを待ちながらユリウスの事を考えていた。
《……カイト、聞こえるか?》
「うあっ!?」
《どうした?何かあったのか?》
俺はさっきまでボーっとしていた為突然頭の中から声が聞こえ今心臓がバクバクと鳴っている
「どうした?じゃないいきなり話し掛けるな馬鹿!」
《うっ…馬鹿とは酷いなそんな事を私に言うのはお前だけだよ》
クスッと笑ったような声で話し掛けるユリウス父さんに今は1人なのだと思った。
「……今は1人なのか?シルビア王女と一緒では無いのか?」
《…夜は一緒に居る事は出来ないからね、今は部屋で1人で居るよ》
「そうか…夜は辛いなお前にしたら、まぁ自分1人でも出来るから今は我慢だな」
《……カイト会えないのか?》
「…お前俺の瞬間移動の事を言っていると思うが俺は城までの距離何て使った事が無いから今は無理だと思う距離の練習をしないと無理だな」
《……そうか…会えるのを楽しみにしていたが……》
「……お前俺がまだ怒っている事を忘れたのか?」
《…忘れては居ないよ、私から家族を離れたんだ忘れてはいない……ただ声が聞きたかったんだ…》
ユリウス父さんの声を聞き本当に家族が恋しいと思っている事が分かった。
「俺が兄姉達を連れて行くからその時まで我慢しろ」
《……王様から聞いたよ、快斗として今度城に来ると聞いた何故そうなったんだ?》
俺が快斗として城に行く事が気に成っていたようだった。
「何故かそう言う事になったんだ…王様はユリーナさんの両親から辛い言葉を言われ王様も1人で悩んでいたと思う」
《ユリーナの両親から何を言われたんだ?》
「何故妻子のいるお前をシルビア王女と結婚させるのか、何故結婚の約束を止めなかったのか…と、ユリーナさんの父親は王様だと知りながらユリーナさんの父親として王様に怒りをぶつけた」
《……》
「王様は父親から言われた事で沈んでいたからな話し相手に成ればと思い俺で会うことにした。お昼でもあったしサンドイッチを作って食べて貰ったんだよ、王様に近付いたのはサンドイッチのレシピを王様に渡す為でもあったしお前もサンドイッチが好きだったからな…まぁ城での御馳走が良いならそれで良いけど」
《『…人が良すぎるよ兄ちゃんは……』》
「何か言ったか?」
《いや、別に…今日王様が城のメイド長に明日からサンドイッチを作るように話しをしていたよ》
「そうか、一応食卓に並ぶんなら食べたら良い」
《ああ、久しぶりに頂くよ…でも快斗が作るサンドイッチが良かったけどな…》
「……」
《カイト?》
「何でもない、今から風呂に入る念話切るぞ」
《ああ、風呂に入る時ばかりだなお前と話すのは…城にいつか泊まりに来ることがあれば一緒に入りたいな……》
「……お前余り変な行動取るなよ、シルビア王女と結婚する気があるなら、じゃあな」
《……》
俺は遠回しでユリウス父さんに注意をした。








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