転生してまで俺の後を追いかけるのは止めろ～父様と僕は兄弟でした～

２７

「……カイトをお城にですか？…」
「ああ、そうだ。私が誘ったのだ時々城に遊びに来るようにと、黒髪のカイトで迎える事になるが、他の子供達も誘い一緒に来るかもしれん、その時はブランシェ侯爵も会うと良いだろう」
「……はい、子供達が来たときはお会いしたいと思います…」
カイトが……快斗が王様の誘いを受けた…昨日念話で聞いた時は何故快斗に王様が会いたいのか分からないと言って拒否続けて居た筈なのに……ユリウス父さんは王様と快斗の間に何が合ったのか…と考え事をしていた。
王様とユリウス父さんの話し声が聞こえたメイド達はコソコソと話しをしていた。
「ねぇ、ねぇ、カイト坊っちゃまが城に来るって本当かしら」
「きゃあ～っ、会えたら良いわね。今日カイト坊っちゃまに会えなくて寂しかったんだから」
「いつ来られるのかしら楽しみよね」
「ねぇ、話しは変わるけどシルビア様って私達より下に見えない？旦那様って年下が好きなのかしら…私達旦那様のお妃候補に馴れるかしら？」
「何か無理っぽい過ぎるけど…あんな目の前で抱き着かれたら嫌よね…まるでわざと見せてるみたいで…」
「でも旦那様奥様と別れて良くシルビア様と一緒になる何て凄いと思わない？」
集まっていたメイド達はヒソヒソと話し始め初めて見るシルビア王女の抱き着く姿とそれに応えるユリウス父さんの姿に昨日まで妻だったユリーナ母さんと別れ今は別の人を抱き締めているユリウス父さんにただ驚かされる事ばかりだとメイド達は顔を見合わせていた。
「メイド長大変だと思うが明日からのブランシェ家のメイドと使用人達の仕事を宜しく頼む」
「はい、王様」
「ブランシェ家のメイドと使用人達今日は体を休め明日仕事に頑張ってくれ」
メイドと使用人達は王様の言葉を掛けて貰い礼をすると、メイド長が明日に備えての城での生活について話しをしていた。
ユリウス父さんとシルビア王女そして王様と王妃様は大広間の部屋を後にして夕食をする部屋へと向かっていた。
「…処でブランシェ侯爵来週からは私の護衛騎士として動いて貰うが良いのか？勝手に私が決めてしまったからの…もし不都合と思うのなら言っても構わんぞ」
王様は自由に動く事が出来ないユリウス父さんにどう出るのか試していた
「はい、大丈夫で御座います王様…護衛騎士として王様の御側で仕えることを嬉しく思います。」
ユリウス父さんは王様に向かい礼をした。
今王様の護衛騎士を断れば疑われるだろうと思い暫くは大人しく護衛騎士を務める事にした。
「そうか、引き受けてくれて嬉しく思うぞ」
王様はユリウス父さんが護衛騎士を引き受けるとは思わず、自分の側に置くことで今後のユリウス父さんの動きを見る事にした。
「ユリウス様が御父様の護衛騎士になる何て凄いですわ、御父様の跡を継ぐ御方ですものユリウス様の妻として誇りに思います」
シルビア王女はユリウス父さんの腕を組寄り添うように一緒に歩いていた。
「まだ結婚もしていない内に妻と名のるとは気が早いの…」
「あら、結婚する事は決まって居ますから妻と呼んでも良いでしょう御父様」
「……そうだが…」
王様は結婚した後の事が心配だった。ユリウス父さんがいったいどれ程のお妃を迎えるのか…シルビア王女はお妃を迎える事は許さないだろう…と、王様もお妃を何人も迎えた事があるため男として気持ちは分かる、だがシルビア王女はユリウス父さんが他のお妃を迎える事は無いことを信じている。
王様はユリウス父さんを調べ女性と会っていた事は昨年の事、シルビア王女と結婚の約束をした前までは女性と会っていたが、今は会って居ない事を信じる事だった。