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森の巣の近くの入り口付近で俺とアドルフさんと騎士仲間2人そして王様の護衛騎士のアノルドさんその前に座り込むユリウスとルィーズ夫人がいる。
俺達の周りには男女のカップル達そして湧き水場所に行く人々が歩く足を止め何かあったのか?と俺達を見ている人達が増えていた。
「ん?あれ、あの騎士2人はさっき散歩道で貴婦人達と揉めていた人達じゃないのか?」
「え?そうなんですか?」
1人の男性が散歩道での事を知っていた為周りにいた人達が男性の話しを聞いていた。
「ああ、この森の巣に入る1時間前かな…ほらそこに座っている金髪の綺麗な騎士が貴婦人2人とそしてそこで立っている騎士と何かあったらしくてね……あれ?今いる貴婦人はまた違う女性だな…やるなーっあの綺麗な騎士の兄さんは、今度は男同士で貴婦人の取り合いか!?」
「え……そんな事があったのですか?何か嫌よね…」
「そうよね…いくら顔が良くても女性の揉め事はごめんだわ…」
歩く足を止め俺達の様子を伺っていた人達の話し声等今の俺達には聞こえもしなかった。
ユリウスは目に涙を溜め自分を見ているルィーズ夫人に他の貴婦人達とは会っては居ないと応えルィーズ夫人を安心させる事で必死だった。
「昨年貴婦人達と私は会っていた事は本当だ…だがそれ以来貴婦人達とは会っても居ないんだ…君と会った時と同じ時期でも合ったんだ今は君だけを見ている…君を愛して居るんだ」
「…ユリウス様……」
ユリウスはルィーズ夫人を見て笑顔で愛の告白をしていた。
それを見ていた歩く足を止めていた人々はキャー、キャー…と騒ぐ若い女性達にユリウスを見て呆れる人々等いろんな事を思い見ている人達がいた。
ユリウスの愛の告白を聞いたアドルフさん達3人は驚くばかりだった。
「おおっ、隊長すごっ…愛の告白してきた…この人を必死に成っているのは分かるけど…ヤバくないか!?これ……」
「……ああ、隊長…俺達の事完全に忘れてるな……」
「……ふざけんな…!」
「「え…」」
「…お…おい、アドルフ何怒って居るんだ?お前…」
「息子が目の前に居るのに知らない女に告白する親が何処に居るんだよ…カイトを置き去りにした事をもう忘れている、こんな奴を俺は隊長だとは思わない…」
「「……」」
アドルフさんは地面に座り笑顔をルィーズ夫人に向けているユリウスに睨み続けていた。
「……な…なぁ……アドルフ何か今日変じゃないのか?まだ酒が残って居るのかな…」
「ああ、俺も思った…やけに隊長の坊やを気にしていると言うか…あいつ坊やに水飲ませてから変だぞ…まさか坊やに惚れた?……とか……」
「まっさかーっ、アドルフ彼女が居るんだぜ考え過ぎだぞ?弟と思っているんじゃないのか?」
アドルフさん達3人はユリウスの突然の告白で驚いて居るなかアノルドさんは俺の隣に立っている為手を握り締め今にも怒りが爆発しそうなピリピリとした空気を感じた。
「……」
俺は今までのユリウス達を見て止めていた足を動かしユリウスの側に立っていた。
ユリウスはルィーズ夫人を未だに見ていた為俺が側にいる事に気付いては居なかった。
「カイト様!?」
アノルドさんの声でユリウスは気付き抱き付く距離まで俺が立っている事にユリウスは驚き俺の顔を見ていた。
「……カ…カイ……」
バチッ!
「っ!」
「「「「!!」」」」
俺はユリウスの頬を小さな手で叩いた。
バチッ、バチッ、バチッ、バシバシバシバシバシバシ!!
俺は最初に何回かユリウスの頬を叩いた後ユリウスの頭を叩き出していた。
まさかこの3歳の姿でユリウスを叩くとは思いもしなかった。
「……う……っ……」
ユリウスはただ黙って俺が叩いている事に動かず業と俺に叩いてくれる事を待っていたかの様に下を向き苦痛の表情を見せているだけだった。
アドルフさん達は俺がユリウスを叩いている事に驚き、人々が歩いている足を止め俺がユリウスの頭をビシバシと叩く姿に最初から俺達の様子を見ていた人達は父親が浮気をして息子が叩いていると思う人と小さな子供に叩かれている騎士は何故黙ったままなの?といろいろと思う人達も居るだろう
俺は手が真っ赤に成るまでユリウスの頭を叩き続けた。
そして俺は手を真っ赤にして叩くのを止めユリウスの髪の毛はボサボサに乱れ俺はユリウスに日本語で話しをした。
『何をやっているんだお前は…また3歳の俺を見捨て、女の元へ走る奴があるか!俺達の所では刑務所行きだぞ』
『……ごめん…ごめん…兄ちゃん……彼女とは誤解のまま離れたんだ…だから湧き水の場所で彼女を見た時誤解を伝えるには今しかないと思って…それで……』
『もう…後には退けないアノルドさんは王様に伝える筈だ…お前はその覚悟で罰を受けるしかない…俺がお前にしてあげる息子として目を覚ましてあげるだけだ……』
『…兄ちゃん……ごめん……ごめん……兄ちゃん…父親として何も出来なかった……許してくれ…カイト……』
俺はユリウスに話しを終えるとギュッとユリウスの体を抱き締めてあげた。ユリウスは体を震えながら抱き締めて来た俺の小さな体をギュッと抱き返していた。
アノルドさんとアドルフさん達は聞いた事も無い知らない言葉を親子のカイトとユリウスだけが知っている会話を聞きお互い抱き締めている姿にこれから父親がどうなるのかを考えると王様に伝えなければ成らない事でアノルドさんも苦しんでいた。
俺達は森の巣の場所を離れ広場で王様とユリーナ母さんが待っている馬車へ向かった。









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