上 下
235 / 347

83

しおりを挟む
アノルドさんは俺の側に来てユリウスとの話しを止める様に俺に伝えていた。
「このまま御話しを進めますとカイト様のお体が心配ですそれにこの場所は目立ちます…先ほどから複数の方々が足を止めこちらを見ております…御話しをしたい事は分かりますがこの場所を離れ王様の元へ参りましょう」
アノルドさんは体を俺と同じ目線で腰をおとし王様の元へ行く事を告げユリウスと女性の方へと顔を向けた。
「ブランシェ侯爵とそちらの貴婦人宜しいですね、あなた方の事を全て王様に御話しをするつもりです。その後王様と大臣方との御話しになると思います…ブランシェ侯爵シルビア様との御結婚は無いと考えた方が宜しいかと思います」
「……」
ユリウスはアノルドさんの言葉に何も言えず手に持っている2つのコップをギュッ…と握り締めまだユリウスの前に立っているカイトの顔を見ていた……
「君達3人も王様の元へ来て欲しいブランシェ侯爵とこちらの貴婦人との事で分かる事を話して欲しいが大丈夫かな?」
「え、あ…はい、わたくし達が分かる事でしたら…」
「あっ、はい、大丈夫で御座います」
「…カイトの負担が少しでも軽くなる事が出来ましたら御話し致します」
「有難う君達の協力に感謝する」
アノルドさんはアドルフさん達に一緒に同行をお願いすると、ユリウスの側を少し離れたルィーズ夫人が体を震わせて立っていたアノルドさんはルィーズ夫人の側まで来ると一緒に来る事を告げていた。
「貴女も一緒に私達と来て貰います。ブランシェ侯爵との関係を王様に御伝え下さい」
「…何故わたくしも一緒に御伺いをしなくてはいけないのですか?わたくしはここへは喉を潤いに伺ったまでの事です…そして偶然にユリウス様とお会いしただけで…ユリウス様は兄の様な御方です。わたくしが1人で湧き水の場所に伺った為ユリウス様が心配をして下さって外まで案内をして頂いただけです……」
「兄と思われる方にこの通り道を人々が見ている側で抱き合い唇を重ねるのですか?貴女は!」
ルィーズ夫人は顔が真っ赤になり、言葉に成らなかった
「……わ、わたくしは…ユリウス様がわたくしにしました事で……わたくしは……別に…」
「御話しは王様とユリーナ様の前で御話し下さい、貴女はユリーナ様に謝罪をしなくてはいけないのでは?」
「……あ……」
ルィーズ夫人は手を口元にあて顔が真っ赤から真っ青な顔になりユリウスの方を見た。
「ユリウス様何故わたくしも王様に御会いしなくては成らないのですか?わたくしは偶然ユリウス様と御会いしましただけなのに
どうして口付けを交わしただけで王様に御会いするのですか?」
「……ルィーズ……」
涙目で必死にルィーズ夫人はユリウスに問いかけていた。
「ユリウス様が御子様とご一緒におりましたらわたくしは王様に御会いする事は御座いませんでしたのに…御子様の事をお忘れに成ってわたくしの元へ駆け寄りましてもわたくしは今は嬉しくは御座いません……この事がホルン家の親族に分かりましたらわたくしは屋敷を出なくては成らないのですユリウス様……」
ルィーズ夫人は涙を流しユリウスに自分を王様に会う事を止めて貰う様にユリウスに訴え掛けていた。
「……っ!…彼女は今日の出来事には関係は無いんだ…今彼女の親族に私との事を知る訳にはいかないんだよ……頼む彼女をこのまま帰してはくれないか…」
「ユリウス様…」
ユリウスとルィーズ夫人はお互いに見つめ合いユリウスは目で「心配しなくて良い君を帰らせてあげるよ」と目で問いかけるようにしていた。
「何を申されて居るのですか?お二方、この場所で大勢の方々があなた方を見ていたのですよそれに…もうお二方の関係を王様は御存知なのです!」
「「!?」」
アノルドさんがユリウスとルィーズ夫人の2人の事を王様が知っていると聞きお互い驚く事しかなかった
「お……王様が?……私達の事を…」
「先程の貴女の親族の爵位で思い出しました。ルィーズ・ホルン…昨年ホルン伯爵が亡くなられました御夫人だと言う事を…」
ルィーズ夫人は顔が真っ青になり立っ事が出来ず座り込んでしまった。
「……何故王様が私とルィーズの事を…もし知っているのでしたら何故シルビアとの結婚を許されたのですか…?」
「シルビア様との御結婚の話しの時点ではまだ貴方がそちらの夫人とは会われている事は知りませんでした。
王様が貴方を御調べに成ったのは王様が直接貴方にシルビア様との御結婚の事を申され貴方は王様に御断りをしています…ですがシルビア様と御二人で御結婚の約束をされ、そのうえにユリーナ様と離婚をなさいましてその事が有り王様は貴方を調べる事にしたのです」
ユリウスは体の震えが止まらずアノルドさんの話しを聞いていた
「…ブランシェ侯爵貴方は昨年から複数の夫人方との関係を持たれております事は調べて分かっております…そしてそちらの夫人もその夫人方の御一人なのだと言う事を…」
「……ユリウス様…」
ルィーズ夫人は知らなかったユリウスが複数の貴婦人と関係を持っていた事を、ユリウスが他の貴婦人との誘いを断る噂は知っていた。その頃はまだホルン伯爵は健在の為ユリウスの事は気には成らなかった。だが、ホルン伯爵が亡くなり1人でいる事が寂しく城へ良く通う様になりその時にユリウスに声を掛けられ、最初は兄と慕う様に成ったがユリウスが自分を誘う度にいつしかお互い体の関係を持ち外で会う時は夫婦の様に寄り添っていた。
「ユリウス様……」
ルィーズ夫人はユリウスを名前で呼ぶ事が精一杯だった
「ルィーズ、護衛騎士が話しをしている事は昨年の事で今は誰とも会っては居ない今は君だけなんだ」
ユリウスは座り込んでしまっているルィーズ夫人に必死で応えていた。









しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

触れられない、指先

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

桜天女

恋愛 / 完結 24h.ポイント:127pt お気に入り:0

爺ちゃん陛下の23番目の側室になった俺の話

BL / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:563

9歳の彼を9年後に私の夫にするために私がするべきこと

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,116pt お気に入り:101

侯爵夫人のハズですが、完全に無視されています

恋愛 / 完結 24h.ポイント:113pt お気に入り:3,802

孤独なまま異世界転生したら過保護な兄ができた話

BL / 連載中 24h.ポイント:61,398pt お気に入り:3,744

親友彼氏―親友と付き合う俺らの話。

BL / 完結 24h.ポイント:177pt お気に入り:19

処理中です...