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城内に馬車が入り騎士達が蛇の列のように並ぶ姿に俺達は緊張すると同時にお互いの兄姉達の顔が固く成っている姿が分かった。
「な…何?騎士様が沢山並んでいる……顔の良い騎士様が多く見えるけど…嬉しさよりも何だか怖い感じがする……」
アニー姉が喜び半分怖さ半分の気分だったようだ。
「……騎士の人達皆は外だから城の中は少ないんじゃないかな…馬車から降りて直ぐ城内に入るから騎士達には気にしなくても良いのかも……」
「ショーン御兄様……顔が固まって居ますわ…御兄様も騎士を目指すのでしょう!?御父様との御約束大丈夫ですの?」
ショーン兄が騎士の数の多さに体が震え顔が固まっていたらしいそこへエミリー姉がショーン兄に父との騎士に成る約束の事を話していたようだ。
「…凄いよね父様はこんな大勢の騎士達の隊長をしていたんだ…僕も父様のような騎士に成りたいな」
ジェーン兄は騎士の数に驚いていたがユリウスが大勢の騎士達の隊長だった事で益々騎士に成る夢がふくらんでいた。
「騎士の人数、こんなに居たんだね……父様がシルビア様と結婚の約束をした時そんなに騎士の数は居ないと思っていたのに…葬儀の時間が長く成らない事を祈るよ」
ルカリオ兄は早く屋敷に帰りたいといった感じでため息を吐き、そして俺達が乗っていた馬車が止まった。
一人の騎士が馬車の扉を開き中に居る俺達の姿を一人ずつ見終わると声を掛けてくれた。
「…ユリウス隊長の子供達ですよね、城の中を案内します。
馬車から降りましょう…わたくしの手を取って下さい。」
騎士は俺達を馬車から降ろしてくれた時辺りを見回した…騎士達がズラリと並び俺達の姿をじっと見て目に涙を溜め悲しむ者、無表情の者、コソコソと話す者、色んな顔をする騎士達を見たあと俺達の前にはユリーナ母さんと両親そしてスティーブン伯爵が先に馬車から降りて四人とも歩く足を止め城の入り口を見ているのに気がついた。
少し大きな馬車の後方から黒い棺が騎士達によって運び込まれていた。
あの棺の中にユリウスが眠って居る事が信じられない事だろう…
棺の誘導を総隊長さんが騎士達に指示をしている姿が見え俺達家族に目が入り誘導の指示が終えた後ユリーナ母さん達の方へ出向いていた。
「……ユリーナ様そして親族の方々ユリウス・ブランシェ隊長の葬儀を城内で行う事に感謝と御悔やみ申し上げます事に我ら騎士一同参列する事が出来ました事に礼を申します。」
総隊長は俺達家族に頭を下げユリウスの葬儀を城で行う事に感謝を伝えていた。
「総隊長様ユリウス・ブランシェ元当主の葬儀を城で行う事に有り難いと思い本人も喜んでおります。」
ユリーナ母さんと両親、スティーブン伯爵は総隊長に頭を下げ今日の葬儀を城で行う事に感謝の礼をしていた。
そして総隊長は後ろでその様子を見ていた俺達子供の側に来ると俺達一人ずつ抱き締め慰めてくれた。
エミリー姉とアニー姉達は抱き締めて貰う事に躊躇いが見えて居たため総隊長は二人には頭を撫でてくれるだけにして貰ったようだ。
総隊長は俺の側に来た時に声を掛けてくれてユリウスの事を訪ねていた。
「……ユリウスとは話しは出来たのか?」
「はい、父様は総隊長さんにお礼を言っていました。
そして相談事がある時は総隊長さんに話しをするように言っていました。」
「ふっ…最後まで世話のやける部下だよ……」
総隊長さんは俺に話し終えるとユリーナ母さん達の側に行き城内に入る様に話をしていた。
「ユリーナ様わたくしが今から城内を案内致しますので…王様と王妃様そしてシルビア様がお待ちです。」
「……分かりました総隊長様案内を宜しく御願い致します」
ユリーナ母さんは両親とスティーブン伯爵そして俺達子供を見て城の中に入る事を話した後俺達家族は騎士達が見守る中で城内へと足を踏み入れた。



◇◇◇
更新が遅く成りましてすみません。
平日の更新が遅く成っています…いつも読んで下さっています皆様に更新が遅れている事にこの場を借りましてお詫びします。
いつも読んで下さっています皆様に感謝しています。
まだまだ続いています話しですが、最後まで書けたらと思っています!








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