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それって……
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「さっきの彼は?」
「解散することになりました」
「…そうなんだ。それでどうかしたの?」
この間みたいにスーツを着て髪を結んでいる月見さんは仕事帰りだったのか少しだけ疲れているようにも見える。
「その、どうかしたわけではないんですけど…」
追いかけてきたものの何を言えばいいか分からなくて言葉に詰まった。
「…とりあえず歩こうか」
「はい…」
月見さんに促されて隣を歩く。
彼の横顔を見ながら自分のこの気持ちが確かなものだってしっかりと再確認する。
「香水付けてる?」
「えっ、あ…臭います?」
「ううん。いい匂いだと思うよ」
まさか月見さんの匂いに似た香水を買ったんですとも言えなくて、あまり深く聞かれなかったことにほっとした。
月見さんからも俺が付けてる香水と同じような匂いがしてくるからやっぱり同じものを付けてるのかもしれないって少し嬉しくなる。
「仕事帰りですか?」
「うん。悟君も?」
「そうっすね」
この間のデートの時みたいに上手く会話が出来なくて、ドキドキ鳴る心臓と妙な緊張で背中が汗ばむ。
前は自然に話せていたはずなのに今はあの時どんな風に話していたかも思い出せない。
「車何処に停めてるの?」
「あー…ここから15分くらいのとこですかね」
「飲酒は?」
「ガッツリ飲んでます」
俺の言葉に少しだけ考える素振りをして月見さんが俺の方を見た。
「…送ろうか」
「…いいんですか?」
前にも似たような会話をしたなって思いながら尋ねると月見さんが頷いてくれてお言葉に甘えることにする。
このまま彼と離れるのは嫌だったし久しぶりに会えたから沢山話しもしたかった。
「解散することになりました」
「…そうなんだ。それでどうかしたの?」
この間みたいにスーツを着て髪を結んでいる月見さんは仕事帰りだったのか少しだけ疲れているようにも見える。
「その、どうかしたわけではないんですけど…」
追いかけてきたものの何を言えばいいか分からなくて言葉に詰まった。
「…とりあえず歩こうか」
「はい…」
月見さんに促されて隣を歩く。
彼の横顔を見ながら自分のこの気持ちが確かなものだってしっかりと再確認する。
「香水付けてる?」
「えっ、あ…臭います?」
「ううん。いい匂いだと思うよ」
まさか月見さんの匂いに似た香水を買ったんですとも言えなくて、あまり深く聞かれなかったことにほっとした。
月見さんからも俺が付けてる香水と同じような匂いがしてくるからやっぱり同じものを付けてるのかもしれないって少し嬉しくなる。
「仕事帰りですか?」
「うん。悟君も?」
「そうっすね」
この間のデートの時みたいに上手く会話が出来なくて、ドキドキ鳴る心臓と妙な緊張で背中が汗ばむ。
前は自然に話せていたはずなのに今はあの時どんな風に話していたかも思い出せない。
「車何処に停めてるの?」
「あー…ここから15分くらいのとこですかね」
「飲酒は?」
「ガッツリ飲んでます」
俺の言葉に少しだけ考える素振りをして月見さんが俺の方を見た。
「…送ろうか」
「…いいんですか?」
前にも似たような会話をしたなって思いながら尋ねると月見さんが頷いてくれてお言葉に甘えることにする。
このまま彼と離れるのは嫌だったし久しぶりに会えたから沢山話しもしたかった。
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